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2020年10月3日(土)~4日(日)、ところざわサクラタウンでKADOKAWAの朗読劇ブランド「READPIA(リードピア)」によるオリジナル朗読劇「選ばれなかった勇者の花嫁」が公演され、同時に有料オンライン配信が行われました。
「選ばれなかった勇者の花嫁」は、ファンタジー世界を舞台に、勇者の花嫁候補になりながらも選ばれることがなかった"負けヒロイン"3人娘の顛末を描く暴走コメディ群像劇です。勇者の幼なじみ・ディアンナは和氣あず未さん(10月3日公演)と高橋未奈美さん(10月4日公演)がダブルキャストで演じ、大商家の令嬢・ヴィネットは小林愛香さん、好奇心旺盛な元気娘・リリアは本渡楓さんが演じます。
また、10月4日(日)17時開演の千秋楽公演では、VTuberグループ「ホロライブ」所属タレントの兎田ぺこらさん、白銀ノエルさん、宝鐘マリンさんによる実況配信も行われました。本稿では、10月3日(土)夜公演オンライン生配信のレポートをお届けします。
物語は、都を離れるようにとある街道を進む馬車の中からスタート。ステージ上にはソーシャルディスタンスに気を使いつつも雑然とした雰囲気のセットが用意され、そこにはいたたまれなく腰掛けるディアンナ(和氣あず未さん)とヴィネット(小林愛香さん)の姿が。
キャストはそれぞれのキャラクターイラストに準じた衣装を着て、マイクもスタンドマイクではなくインカムを装着。手に台本を持ってはいますが、お互いに顔を見合わせたり、時には相手に詰め寄ったりと、舞台劇のように目で見て楽しめるのも大きな魅力のひとつです。
さらに、背後のスクリーンにはさまざまな表情のキャラクターイラストや都市名などの固有名詞が適宜表示され、誰もが初めて耳にするオリジナルストーリーがすっと頭に入ってくる演出が用意されていました。
勇者の花嫁に選ばれなかったことに納得がいかず騒ぎを起こしてしまった2人は、勇者の結婚式が厳かに行われる地から遠く離れたところへと移送されている真っ最中。同じ境遇の者同士、せめて世間話でも……と口火が切られた会話は、ほどなくしてディアンナの"私は勇者の幼なじみ"アピールとヴィネットの"大富豪のお嬢様"アピールによる、コミカルなマウントの取り合いへと発展します。心の傷を分かち合うどころか火花の散らし合いが加速していく一方で、幌内の片隅にあるずた袋の中で爆睡していた3人目の花嫁候補・リリア(本渡楓さん)が、無邪気に目を覚まします。
自分こそが花嫁にふさわしいという主張を譲らない3人の指には、それぞれ勇者から贈られたという結婚指輪がキラリ。「自宅の厳重な警護をかいくぐって、何度も自分に会いに来てくれた勇者は運命の相手」と信じてやまないリリアを加え、ディアンナ、ヴィネット、リリアの3人はライバル2人に対して優位に立つためのプレゼンを順に行うことになりました。
しかし、ライバル2人による容赦のないツッコミで乙女たちの淡い幻想は次々に打ち砕かれていきます。勇者との出会いに運命を感じるリリアは実のところ"こじらせ系思春期女子"で、幼いころから共に過ごしてきた幼なじみのディアンナは"ゴリラ系ストーカー女子"、そして大富豪の令嬢たるヴィネットは"パトロン系マネーモンスター女子"だったという、身も蓋もない事実が明らかに!
さらに、勇者から贈られた指輪もヴィネットが持つ鑑定の力で、"3つセットで1000イェン"というなんともお得なセール品だったことが分かり、3人はお互いのウィークポイントに次から次へと塩を塗り込んでいきます。
ディアンナたちはそれを否定しつつも、思うところもあるようで、これでは花嫁に選ばれるわけがない……とすっかり意気消沈。ところが物語はそこで終わりではなく、それぞれが持つ情報を合わせることで、勇者の結婚式に隠されていたとある真相が明るみに出始めます。
勇者の幼なじみ、大商家のご令嬢、好奇心旺盛な元気娘による賑やかすぎる会話劇は、クライマックスに向け思いもよらぬ方向へと走り出していくのでした。はたして、いとしの勇者の真意はどこに……!?
公演終了後には、和氣さん、小林さん、本渡さんが再び壇上に上がり、アフタートークが行われました。本渡さんは、昼公演から引き続き見てくれている人たちにも楽しんでもらえるようにとの思いから、昼公演にはなかったアドリブを数多く入れたとコメント。
小林さんは、“本渡さんがたくさんぶっこんできて(アドリブを入れてきて)大変だったけれど、だからこそ楽しく、演じがいがあった”と笑顔を見せ、和氣さんも、劇中でヴィネットとリリアから責められた際、いたたまれなくなって舞台袖まで逃げたことがアドリブであったと明かしました。
セリフによる声の芝居だけでなく、体を使った動きの芝居でもアドリブが取り入れられ、それが来場者や視聴者の笑いを一層誘ったのは、視覚的な楽しさを深く追求した本公演ならではの特徴といえるでしょう。
オンライン配信の視聴者にはチャット機能が解放されていましたが、3人娘へのツッコミやキャストへの声援、一部のセリフに見られたパロディの元ネタへの言及など、そちらも思い思いに盛り上がっていました。
オリジナル朗読劇「選ばれなかった勇者の花嫁」は、2020年10月11日(日)23時59分まで10月4日千秋楽公演の有料見逃し配信が行われています(10月3日初日公演の見逃し配信も実施中。こちらは10月10日(土)23時59分まで)。
また、Vtuber・白銀ノエルの「Noel.ch」では、兎田ぺこらさん、白銀ノエルさん、宝鐘マリンさんの3人による千秋楽公演の同時実況放送のアーカイブ動画が公開されています。アーカイブ動画は無料配信ですが、こちらには公演の映像は収録されていません。興味がある方は、有料アーカイブ配信と同時に再生してお楽しみください。
カドカワストアではグッズとして複製台本が販売されており、購入特典としてキャラクターデザイン・えかきびとさんによるメインビジュアルを使用したB2宣伝ポスターが付属するほか、10月12日(月)までに所定の手順を踏んでWeb上で実施されている公演アンケートに回答すると、抽選で和氣さん、高橋さん、小林さん、本渡さんの直筆サイン入り台本か、兎田ぺこらさん、白銀ノエルさん、宝鐘マリンさんの直筆サイン入り台本がプレゼントされます(どちらを希望するか応募時に選択可能・各3名)。
詳細は「選ばれなかった勇者の花嫁」公式サイトでご確認ください。