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2年ぶり全国ツアーのファイナルで魂の叫びが爆発! 「GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”」ファイナル公演レポート

MARiAとtokuによるユニット・GARNiDELiA(ガルニデリア)の、約2年ぶりとなる全国ツアー「GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”」。その千秋楽となるスペシャルファイナル公演が、1月23日に中野サンプラザホールで行なわれた。

2021年12月5日の川崎公演を皮切りに、仙台、福岡、名古屋、大阪と、全国5つの都市でツアーを行ってきたGARNiDELiA。各地の公演では、ライブに飢えていたファンの心を満たす圧巻のパフォーマンスを披露してきたが、今回はその締めくくりだけに観客の高揚感もひとしお。そして結果から言えば、本公演はGARNiDELiAのライブへ賭ける溢れんばかりの情熱をこれでもかと感じさせてくれる、まさにファイナルにふさわしいステージとなった。今回はそんな忘れがたきスペシャルファイナル公演の様子をリポート。

最新アルバム「Duality Code」のテーマカラーと同じく、深いブルーの照明で彩られたライブ会場は、開演を今かと待ちわびるファンの熱気で埋め尽くされていた。そんななか、ステージから客席へ無数のレーザーライトが走り出すと、青いドレスをまとったMARiAが「Live On!」を歌い始める。久しぶりに生で聴くMARiAの力強い歌声に、これこそがGARNiDELiAのライブの醍醐味であることを実感する。「Live On!」が終わると、MARiAの「Tokyo! ただいま!」のかけ声に続き、「True High」「grilletto」「Burning Soul」と、2014〜16年にリリースした初期のヒットナンバーを披露。EDMとロックをベースとした、GARNiDELiAの変わらぬ魅力を感じさせてくれる幕開けだ。

ここで最初のMCパート。「ここにいる全員で、最高の1日にしていきましょう!」とMARiAが呼びかけると、観客はサイリウムと大きな拍手でそれに応える。お互いにあふれ出る気持ちはあるけれど、それはきっと言葉や歓声ではない。すべては音楽を通じて伝わるはずだという強い意志がその場にはあって、我々もそれを受け止めた瞬間だ。

続いてのパートは「人魚姫」「aquarium」「ミルクキャラメル」という、なんとも甘酸っぱいラインナップ。ダンサー4人とMARiAによる息のあったダンスパフォーマンスは、ときに甘く、儚く、艶やかに、次々と形を変えながら観客を魅了していく。

バンドメンバーによる幻想的なインタールードを挟むと、豪華絢爛な和装に着替えたMARiAとダンサーが再登場。ここからは、GARNiDELiAのもうひとつの代名詞とも言えるオリエントナンバーが続く。「宵闇胡蝶」「桃源恋歌」と、シリーズ1億超え再生を誇る「踊っちゃってみた」シリーズでおなじみの振付をライブverで披露。難易度の高いアクロバティックな振り付けにもかかわらず、わずかな歌唱のクオリティも落ちないMARiAのスキルは圧倒的で、素直に脱帽するほかない。さらに続く「オトメの心得」では、観客も振付を完コピして合わせ、会場が一体となって盛り上がる。これにはMARiAも「みんなバッチリ! ありがとう!」と感嘆の声を挙げるほどだ。

こうして最高の盛り上がりを見せた直後、ここでGARNiDELiAからサプライズ! 「せっかくのファイナルなので」と、何と新曲「蒼天」をこの場で初披露するとのこと。「蒼天」はゲーム「滄海天記」の主題歌で、まだリリースもされていないだけに、ファンにとってはうれしいサプライズとなった。さらに続いては「極楽浄土」。「踊っちゃってみた」シリーズでの再生数が8000万に迫るモンスター楽曲を惜しげもなく披露し、和装パートはここで終了。

衣装チェンジのため、MARiAがステージから去ると、ここまで裏方に徹していたtokuがステージ中央へ。「声は出せないけど、手をいっぱい振ってもらってもいいでしょうか? いくよ!」という声とともに「stellacage」を独唱。GARNiDELiAのライブタイトルを冠したこの曲は、「みんなの笑顔」や「この籠は今僕らの場所」という歌詞からも分かる通り、tokuのライブへの想いを綴った楽曲。優しく暖かいtokuの歌声も相まって、アドレナリン全開だった観客の心に、ひとときの癒しの時間が訪れた。

2回目のインタールードを挟むと、赤と黒の鮮烈なドレス姿のMARiAが登場し、ライブはいよいよ佳境へと突入。ステージ上に無数の星が輝く幻想的な雰囲気のなか、珠玉のバラードである「star trail」と「further」をしっとりと歌いあげるMARiA。このときばかりはサイリウムも振らず、ただただ美しい歌声に酔いしれる観客の姿が印象的だ。

再びMARiAのMC。「声が出せなくても、みんなの声が私には聞こえている」と伝えると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。「最高で最強の今を、みんなで作っていこう!」「OK! これが私たちのマイコード」という声とともに「my code」のイントロが立ち上がり、ファイナル公演はここから本日いちばんの盛り上がりへと加速していく。最新アルバムのリード曲である「my code」を皮切りに、「SPEED STAR」「BLAZING」「約束 -Promise code-」と、GARNiDELiAの中期シングル曲を立て続けに披露。最後は「こんな時代だからこそ、みんなで踊っちゃいましょうよ!」というMARiAの煽りで「G.R.N.D.」を熱唱。ショルダーキーボードをかついだtokuによるステージパフォーマンスや、扇を使った独創的なダンスを見せてくれたダンサーの存在もあり、会場の興奮は最高潮のままに幕を閉じた。

鳴り止まない拍手に応えてのアンコールパートでは、カジュアルな衣装に衣替えしたMARiAが「アイコトバ」で会場を再び明るく盛り上げる。続く「MIRAI」はtokuのピアノ伴奏によるアコースティック.ver。大トリは「Duality Code」の最後の曲「Reason」で締めくくられた。

こうして全23曲に及んだファイナル公演もついに終演。「ああ〜終わりたくない」「改めてライブって最高だなって思いました!」と言うMARiAの言葉に観客が全力の拍手で応える。音楽を介した、言葉以上に濃密なコミュニケーション体験がそこにはたしかにあった。これこそがGARNiDELiAのライブの最大の魅力なのかもしれない。

【撮影:アンザイミキ/取材・文:岡本大介】

●ライブ情報
「GARNiDELiA stellacage tour 2021→2022 “Duality Code”」SPECIAL FINAL!!
開催日:2022年1月23日(日)
会場:東京・中野サンプラザ

【セットリスト】
1. Live On!
2. True High
3. grilletto(TVアニメ『魔法科高校の劣等生』2ndシーズンOPテーマ)
4. Burning Soul(ゲーム『ソウルワーカー』テーマソング)
5. 人魚姫
6. aquarium
7. ミルクキャラメル
8. 宵闇胡蝶(テレビ朝日系『musicるTV』2020年12月度EDテーマ)
9. 桃源恋歌
10. オトメの心得 (TVアニメ『大正オトメ御伽話』OPテーマ)
11. 蒼天(ゲーム『滄海天記』主題歌)
12. 極楽浄土(ゲーム『陰陽師』キャンペーンソング)
13. stellacage
14. star trail(日本テレビ系『バズリズム02』2020年8月度OPテーマ)
15. further
16. my code
17. SPEED STAR(『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』主題歌)
18. BLAZING(TVアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』前期OPテーマ)
19. 約束 -Promise code-(TVアニメ「クオリディア・コード」EDテーマ)
20. G.R.N.D.(日本テレビ系「ウチのガヤがすみません!」3月度EDテーマ)

EN1. アイコトバ(TVアニメ『アニメガタリズ』OPテーマ)
EN2. MIRAI(TVアニメ『ガンスリンガーストラトス』EDテーマ)
EN3. Reason

リンク:GARNiDELiA OFFiCiAL SiTE
    GARNiDELiA公式Twitter・@GARNiDELiA
    MARiA公式Twitter・@MARiA_GRND
    toku公式Twitter・@toku_grnd
    GARNiDELiA音楽配信総合URL

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