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宮﨑駿監督や山田尚子監督の最新作が発表!! 「東宝株式会社2023年ラインナップ発表会見」レポート

東宝株式会社の2023年に公開される作品のラインナップ発表会見が、12月13日(火)に開催。本記事では、様々な作品の詳細が明かされた会見の内容をお届けする。

まず、取締役専務執行役員である市川南と執行役員の吉田充孝が、2022年の東宝映画興行を総括。市川はコロナの影響を感じたとしつつも、『劇場版 呪術廻戦 0』(138.0億円)や『すずめの戸締まり』(12月11日現在で85.9億円)など、「一年間で興行収入が100億円を超す(見込み含む)作品が2作品も出たのは初めて」と触れる。また吉田は、東宝のアニメーションラインナップにおける特色に「オリジナルタイトルの充実」「シリーズタイトルの安定」を掲げ、その路線を拡充する作品を配給すると語った。

そんな中飛び出したのは、2017年より制作中であることが明かされていた宮﨑駿監督最新作『君たちはどう生きるか』である。1937年に吉野源三郎が発表した小説と同名のタイトルの本作。市川によると「宮﨑監督が小説にインスパイアされて書き上げたオリジナルストーリーの作品」になると言う。気になる詳細については、「まだ映像は拝見していないが、(プロデューサーの)鈴木敏夫さんのお話を伺うと若々しいファンタジー作品になるのではないか」と説明した。その期待の表われか、夏休み直前の2023年7月14日(金)に公開日が決定。宮﨑監督直筆のポスタービジュアルも解禁となった。

その他の東宝配給アニメ作品についても触れていこう。

2月3日(金)公開の『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(外崎春雄監督)は、〝神回〟と称された『遊郭編』第10・11話と、来年4月から放送となる『刀鍛冶の里編』第1話をスクリーンで上映するもの。邦画歴代興行収入第1位を記録した『無限列車編』から約2年。再び映画館に『鬼滅』旋風が巻き起こる。

3月3日(金)に公開となる『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(堂山卓見監督)は、TVアニメ『GREAT PRETENDER』や連続ドラマ『コンフィデンスマンJP』を手がける脚本家・古沢良太によるオリジナルストーリー。エンタテインメントユニット映画本部映画調整部長の上田太地は、「ドラえもんファンの古沢さんが見事な世界観を紡ぎ出した」と太鼓判を押す。

シリーズ興行収入累計1000億円越えの大ヒットシリーズ『名探偵コナン』からは、最新作『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』が4月14日(金)に公開決定。2018年に公開された『ゼロの執行人』の立川譲が、再び『名探偵コナン』の監督に登板する。今回の物語では、灰原哀と黒ずくめの男がフィーチャー。上田は「(1月6日に公開されるTVシリーズ特別編集版の)『灰原哀物語 ~黒鉄のミステリートレイン~』と併せて楽しんでほしい」と語る。

『ドラえもん』『名探偵コナン』と同じく国民的アニメ映画の座を不動のものにした『映画クレヨンしんちゃん』は、シリーズ初の3DCG映画が制作される。『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』が夏に公開される。監督・脚本を務めるのは『モテキ』『バクマン。』を監督し、劇場アニメ『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』で脚本を務めた大根仁。3DCGアニメーションは白組が担当。カスカベの街が3DCGになった画を楽しみにしたい。

そして、既報でも話題を集めたオリジナル作品が、秋に公開となる『きみの色』だ。『映画 聲の形』『リズと青い鳥』『平家物語』の監督・山田尚子、脚本・吉田玲子、音楽・牛尾憲輔による、待望のオリジナル長編である。山田監督ならではの思春期の少年少女の姿や、牛尾による鮮やかな劇伴にも注目したい。「私には人の気持ちが色で見える」というキャッチコピーが表わすものとは、いったい何なのだろうか? 本作は京都アニメーション出身の山田が、外部スタジオで制作する初の長編映画でもある。『犬王』『夜明け告げるルーのうた』のサイエンスSARU最新作としても注目の一作だ。

2021年に制作が発表されたスタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』は、延期を経て2023年冬に公開が決定。イギリスの児童文学を原作に、『二ノ国』などを手がけたスタジオジブリ出身の百瀬義行監督がハイクオリティーな世界を創り出す。

また、これまでTVシリーズが第4期まで放送されている『ハイキュー!!』初の完全新作劇場版となる『ハイキュー!! FINAL』二部作も制作決定。日向翔陽の真摯な眼差しの向こうにあるものとは……。アニメーション制作はシリーズから続投となるProduction I.Gが担当。更なる続報を待ちたい。

このほか、ラインナップ発表会見では『STAND BY ME ドラえもん』『ルパン三世 THE FIRST』の山崎貴監督による『ゴジラ』最新作や、大人気マンガの実写映画化続編『キングダム3(仮)』などが発表。来年の東宝配給作品から目が離せない。

【文:太田祥暉(TARKUS)】

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