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キーワードは“胸圧”!? メインキャスト3名が語るTVアニメ「ユリシーズ」の見どころは!?

10月7日(日)より放送が始まる、ジャンヌ・ダルクの激動の人生をモチーフとしたファンタジー作品「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」。この度、モンモランシ役の逢坂良太さん、ジャンヌ・ダルク役の大野柚布子さん、リッシュモン役の沼倉愛美さんに、それぞれのキャラクターの魅力や、作品の見どころをうかがいました!

――本作と初めて出会ったときの感想を教えてください。

逢坂:本作は中世のフランスを舞台としていて、実在した人物が多数登場します。そこにファンタジーの要素がまざりあった物語が展開していきます。なんだか、それにすごく違和感がないんですよね。個性豊かなキャラクターたちは見ているだけで楽しいですし、シリアスな展開は目を凝らして見入ってしまうのではないかと思います。

大野:オーディションを受ける前に原作を拝見して、錬金術やエリクシル、本作ならではの「ユリス」などのファンタジーらしい要素がおもしろいなと思いました。私は学生時代歴史の授業が苦手だったものですから、ジャンヌ役に決まってから、当時のフランスの歴史を学び直しました。そのあとに改めて原作を読みなおすと、どの辺りが歴史に忠実で、どこに本作ならではの味付けがしてあるのかがよくわかるようになってより楽しめました。

沼倉:リッシュモン役のオーディションを受けるときに、本作の物語がどのような流れであるか、リッシュモンというキャラクターがそのなかでどう生きて、どのように変わっていくのかが詳細にまとめられた資料をいただきまして、スタッフのみなさんの熱意を感じました。リッシュモンは騎士ということもあり、オーディションでは軍を率いて声を張り上げるシーンもあったのですが、私は叫ぶお芝居があまり得意ではありませんので、全力で挑みはしましたが手ごたえがあまりなくて……。モンモランシとのしっとりとしたシーンもありましたので、こうして役をいただけたのはそちらの方を評価していただけたのかなと。

――大野さんは歴史が苦手だったとおっしゃられていますが、お二人はいかがでしたか?

沼倉:学ぶこと自体は好きだったのですが、この辺の時代はあまり覚えていませんでした……。

逢坂:僕は時代を問わず、武器のことは大好きなんです。武器の辞典を読んでは「この時代はこういう武器が使われていたのか」というような学び方で(笑)。ジャンヌ・ダルクはもちろんわかりますが、リッシュモンと聞いても「ああ、確かにそんな人物がいたなぁ」という程度でしたね…(笑)。

沼倉:特に人の名前は、一度は覚えてもなかなかね……。ジャンヌ・ダルクくらいになると、名前が一人歩きしているけれど。

――みなさん、本作に出会うまではジャンヌ・ダルクや当時のフランスにどのようなイメージを抱いていましたか?

逢坂:専門学校時代に舞台の題材にしたなぁと。魔女裁判をモチーフにした舞台をやったんですよ。僕は裁判官役で、難しい顔をして見ているばかりでセリフはほとんどなかったのですが、すごく暗いお話でした。やっぱり、明るいイメージはないですよね。時代に翻弄された女性、というイメージが強かったです。

大野:フランスもイギリスも、きっと正義は我にありと思っていて。それでぶつかりあうのは悲しいなと思う反面、自分の信じる正義を掲げてまっすぐ生きる姿には、少し憧れもあります。平和な今を生きているから、こう思えてしまうのかもしれませんが…。私は小さいころ「りぼん」が好きでしたので、ジャンヌ・ダルクというと「神風怪盗ジャンヌ」が思い浮かんでしまいますね。

沼倉:王室や貴族は華々しいけれど、貧しい人たちもいてとても苦しんでいる……そんな二極化した時代だったのかなという印象です。ジャンヌ・ダルクは、そんな時代を生きて、その犠牲になった女性というところでしょうか。だからこそ、今も美談として今も語り継がれているのかもしれませんね。

――それぞれの役作りのポイントや、演じていて苦労したことなどがあれば教えてください。

逢坂:回想シーンに出てくる、7歳くらいのモンモランシを演じるのが大変でした。そのくらいの年の男の子は、多くの場合は別のキャストを立てて女性方が演じられることが多いですしね。このくらいの幼さならいけるかな、と思ったら板垣監督から「幼すぎます」とディレクションをいただいてしまったりして、なかなか難しいなと。モンモランシは演じがいがあるキャラで、自分の引き出しが増えたように思います。

大野:ジャンヌは、普段は明るく元気で純粋な女の子。でも「ユリス」と呼ばれる存在になったときは、別人になったかのように演じています。私、小さいころは自分が見たこともない世界に行くようなアニメがすごく好きだったんですが、そういう世界を描いているからこそ、目の前に(映って)いるキャラが現実にはいないんだなと気づかされて、さびしさを覚えることもよくありました。ジャンヌを演じるにあたっては、あのときに感じたそういう気持ちを忘れないようにと思いながらお芝居をしました。

沼倉:リッシュモンは、凛々しい騎士としての一面と、女性らしい一面を併せ持つキャラです。本作ではさまざまな女の子がモンモランシに思いを寄せることになり、リッシュモンもその一人ですが、彼女の想いかたはすごく地に足が着いているというか、リアルなんですね。そしてすごく正義感が強く、言うことがすべて正しい。そういう四角四面さ、融通の効かなさは、ときに欠点にもなります。そういう人柄がお芝居からにじみ出させることができれば……と意識しながら演じさせていただきました。

――それでは最後に、それぞれ本作で注目してほしいポイントを教えてください。

逢坂:激動の時代を懸命に生き抜こうとする女の子たちの姿を、ハラハラしながら見守れるのではないかと思います。作品をまったく知らずに入ってきた方は、第1話と第2話以降のギャップに驚かれるかもしれませんね。そうした物語が見せるギャップに加え、大野さんと沼倉さんが話してくれたようなキャラが見せるギャップも見どころです。そうしたところを楽しんでいただければと思います。

大野:ジャンヌは心優しい村娘ですが、とある出来事を経て、一人で軍を相手にできるような力を得ることになります。戦火のなか、彼女がどう生きてどのように変わっていくのか……実際の歴史を気にせずとも楽しめますし、歴史に詳しい方なら、どういうところが忠実で、どういうところに本作ならではの展開や設定があるのかという楽しみ方ができると思います!

沼倉:リッシュモンをはじめ、胸が大きいキャラクターが何人かいるのですが、そんな子たちのバリエーション豊かな胸のアップのカットなどもお楽しみください(笑)。台本のト書きにはしばしば「胸圧」という言葉が書いてありまして、それもまた、本作のキーワードのひとつなのかなと。オンエアされましたら「これが"胸圧"か!」と思いながら見ていただければ(笑)。そういう風に、気を楽にして見られるシーンもたくさんありますので、楽しんでいただければうれしいです。

【取材・文:勝田周】

■TVアニメ「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」
放送:TOKYO MX 10月7日より毎週日曜22:00~
   サンテレビ 10月7日より毎週日曜23:30~
   BSフジ 10月8日より毎週月曜24:00~
スタッフ:原作…春日みかげ(集英社ダッシュエックス文庫)/イラスト:メロントマリ(集英社ダッシュエックス文庫)/監督…板垣伸/助監督…矢野孝典/キャラクターデザイン…澤田譲治/シリーズ構成…金月龍之介/総作画監督…澤田譲治、一ノ瀬結梨、髙橋成之、西田美弥子/美術設定…高橋麻穂(ちゅーりっぷ)/美術監督…菊名香(ちゅーりっぷ)/色彩設計…石川恭介(J.C.STAFF)/撮影監督…町田啓(チップチューン)/編集…武宮むつみ/音響監督…納谷僚介/音楽…岩崎琢/アニメーション制作…AXsiZ
キャスト:モンモランシ…逢坂良太/ジャンヌ・ダルク…大野柚布子/アスタロト…東城日沙子/リッシュモン…沼倉愛美/シャルロット…大西沙織/フィリップ…高田憂希/ラ・イル…石上静香/バタール…桑原由気/アランソン…間島淳司/ザントライユ…高橋英則/ニコラ・フラメル…糸博/ヘンリー五世…日野聡/ベドフォード公…興津和幸/ラ・トレムイユ…阿部敦/ジャン無怖公…斧アツシ/グラスデール…平田広明/赤髭のジャン…玄田哲章/カトリーヌ…富田美憂/エンリル…子安武人/トマス…諏訪彩花/ナレーション…石塚運昇

リンク:アニメ「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」公式サイト
    公式Twitter・@anime_ulysses
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