新作&おすすめアニメのすべてがわかる!
「月刊ニュータイプ」公式サイト
現在、好評放送中のTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」。その放送を記念して、スタッフ&キャストによるリレー連載をお届けします。
第8回は、音楽で「盾の勇者の成り上がり」の世界観を盛り上げているKevin Penkinさんと、音楽ディレクター・飯島弘光さんにお話しを伺いました。
――『盾の勇者の成り上がり』のアニメへの参加の経緯はどういったものでしょうか?
Kevin 2017年に音楽を担当した「メイドインアビス」で、音楽としてもある程度の反応をいただきました。それがきっかけで、キネマシトラスさんから音楽ディレクターの飯島さんへオファーがあって、このお話がありました。とても光栄です。
――実際に音楽を作るときに、イメージした音や音楽はありましたか?
Kevin 「盾の勇者」は、小説やマンガのストーリーを聞いてからどうやってディテールを音楽で説明できるかを考えました。尚文の叫んでいるシーンや声などを聞いて、思い通りにならない、怒っている気持ちを音楽でどう表現するかを考えて音楽制作をスタートしました。僕も人生で似たような感情を持ったことがあったので、それが反映されていると思います。
――アニメの制作サイドからはどのようなオーダーがあったのでしょうか?
飯島 音響監督の郷(文裕貴)さんと話して基本的なメニューを制作しました。今回はやはりバリエーションが求められるので、そこに気をつけています。アニメの阿保(孝雄)監督サイドとは、音楽のオーダーよりは設定や絵のイメージなどでディスカッションしました。スペインの街並みの設定を監督が持っていて、スパニッシュな感じはそこから着想しています。
――音楽全体を通して、統一したコンセプトなどは考えましたか?
Kevin 「盾の勇者」の設定やキャラクターなどを見て、たとえば教会のシーンなどでは、クラシックだけでなく、キャラクターの内面をイメージしてロックなどの要素を取り入れています。また、監督もスペインをモチーフにしているという話を聞いていたので、スパニッシュな要素を入れています。フラメンコギターなどはこだわったポイントです。
――テーマソングを制作する上で、大切にしたポイントやこだわりたかったことはなんでしょうか?
Kevin メインテーマは「盾の勇者の成り上がり」という作品を一曲で説明したかったので、クラシック、エレクトロニック、フラメンコ、コーラス、ロックなど作品のテーマを全部取り入れ、構成的にもどんどんテンションアップしています。
――ラフタリアとフィーロのテーマについても聞かせてください。
Kevin ラフタリアは特に個性的な音楽を作りたいと思いました。曲と歌詞も考えて尚文とラフタリアの関係を表してします。フィーロはピュアなキャラですから、楽しくて遊べる感じの音楽、メロディを意識しました。僕はフルートも勉強してきたので、フルートで遊べる曲にしています。
――本作の音楽制作にあたって、チャレンジしたこと、こだわったことはどんなことでしょうか?
Kevin スパニッシュなどのアプローチはこだわりました。曲も多かった……。
飯島 今回は音楽のレコーディングなどで、ボストンのチーム「soundtRec」が関わっています。Shota Nakamaさんはバンド系の音楽をプロデュースしてくれました。マッシブなサウンドは彼の協力があってこそです。
――第4話のエンディングの「Falling Through Starlight」は、どのような想いを込めて作られたのでしょうか? また、瀬戸麻沙美さんの歌を聞いての感想をお聞かせください。
Kevin ラフタリアと尚文の関係を反映したかったんです。親切で優しい気持ちも伝えたいけど、尚文は辛いときもあったから、それを音楽で表現したいと思いました。それと、ラフタリアは子どもから大人になるので、音楽構成でそれを表現しています。曲はオペラで難しかったと思いますが、瀬戸さんは本当に素晴らしい声で歌ってくれました!
――これまでのアニメをご覧になっての感想はいかがですか?
Kevin ファンからとてもよい反応があって嬉しいです。みんなはラフタリアやフィーロを好きだと思うけど、ラフタリアがベストガールになってくれると嬉しいですね!(笑)
――間もなくサウンドトラックVOL.1がリリースされます。ファンにひと言お願いします。
Kevin 「盾の勇者」を応援してくれてありがとう。劇伴を作っているときは曲数も多くて時間もかかりましたけど、ついにサウンドトラックを発表できます。発売が待ち遠しくて、買っていただいた皆さんの反応がとても楽しみです。「盾の勇者の成り上がり」の世界を音楽でも楽しんでください!
『盾の勇者の成り上がり オリジナル・サウンドトラック "Dusk"』
音楽:Kevin Penkin
発売:2019年3月27日(水)
価格:税別3000円
【収録曲】
1.The Rising of the Shield Hero
2.Sunshine with Shields
3.Resonance of Churchs
4.H.U.D.
5.Moonlight
6.Campbell 1-1
7.Parliament
8.Fermentation
9.Core-collapse
10.Apocalypse
11.Kansas
12.Beloukas
13.Catch Me
14.Cartwheel
15.Contrabass
16.Mirrors
17.Crystalline
18.Raphtalia
19.WAVES
20.Autoroll
21.GAMESTART
22.Falling Through Starlight (ft. Ameria Jones)
23.Lifeblood
24.Three Heros Church
25.<ボーナス・トラック>
Falling Through Starlight (ft. Asami Seto)
【取材・文:岩倉大輔】