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読者のみなさんは、近年よく見かけるアニメなどのコンテンツとコラボレーションしたホテルの客室に泊まったことはあるでしょうか? 10月1日、埼玉・ところざわサクラタウンにオープンしたばかりのEJアニメホテルは、すべての客室がそうしたコラボレーションのために準備されたという気合いの入ったものです。同ホテルでは現在5つのアニメ作品とコラボしており、今回は「とある科学の超電磁砲T」とのコラボルームに宿泊した様子をお届けしまが、想像していた以上にアニメファン的には嬉しい作りでした。満足度、レベル5級です!
EJアニメホテルのあるところざわサクラタウンは、最寄り駅の東所沢駅から歩いて10分ほど。巨大な岩状の建物(角川武蔵野ミュージアム)のとなりにエントランスがあり、その先のエレベーターで6階まで上がってフロントで受付をします……とだけ書くと普通なのですが、この時点で歩道のイラスト付きマンホールに、エレベーター前の「結城友奈は勇者である」の仕掛けに、エレベーターで流れる梶裕貴さんのボイスにと心ときめく出来事ばかりです。(※画像はランダムで様々なコラボ作品に入れ替わります)
今回泊まったのはデラックスというEJアニメホテルでは標準的なサイズの部屋でしたが、それでも約40平方メートルと広め。何より部屋中がタペストリーなどで埋められ、美琴や食蜂さんの視線が自分に注がれている気がしてきてたまりません。そしてフロントで案内された通り、客室専用スマートフォンでチェックインをしてみると……。
いきなり部屋がクラブ然とした雰囲気になりオープニングが流れてびっくり。ようやく事態を飲み込めてきたところで、美琴による歓迎のセリフが始まります。こ、これが「好きな物語に、泊まる。」(EJアニメホテルの理念)ってことか!
このチェックインの操作を行った客室専用スマートフォンは、コラボルームを満喫するために必須のアイテムです。メニューにはスクリーンや照明の「リモコン」、「アラーム」といったものから「ミッション」や「動画」、「スペシャル」といったホテルらしからぬものも。まず「ミッション」はクイズやホテル内での行動などをクリアしていくというお遊び要素。すべてクリアしてチェックアウト時にフロントで画面を見せると報酬がもらえます。
「動画」ではアニメ本編の名シーンやオープニング/エンディング映像集を観られます。特に作品を重ねている「超電磁砲」シリーズの場合、オープニング/エンディング映像集は懐かしさや感慨深さがすごかったのでおすすめ。「スペシャル」はオリジナルの音声が聴けるというもの。内容はチェックイン時に聴けたボイスなどですが、バスタイムの音声も……7.1.2ch相当の音響で聴くと、なぜか背徳感がすごいです。
ちなみに洗面所には持ち帰ってよいコラボ仕様の巾着袋が。こういったちょっとした工夫が嬉しいところ。とひとしきりコラボルームを楽しんだところで、ディナーまでの時間を使って、今回は特別に別の部屋も見せてもらいました。
客室は5つのタイプがあり、それぞれ広さだけでなく作りがかなり違います。例えばジュニアスイート以上のランクの部屋では洗面所がかなり広くまたハンガーラックもあり、「コスプレイヤーが使って便利なように」設計されたそう。なんてオタクにとって行き届いたホテルなんでしょう……と感心していたら、ディナーの時間となりました。
ディナーの内容は「超電磁砲T」コラボレーションメニューのフルコース。ドリンクももちろんコラボメニューがあります。そしてクレモンティーヌのアニソンカバーが流れる落ち着いた空間で、滅茶苦茶慌ててテーブルマナーを検索し勉強していたら、フードが運ばれてきました。
左上から「どっちが御坂でどっちが御坂妹?ワンスプーンフラン」「ジャッジメントオードブル」「めくるのはまかせて!佐天のエビチリポテト」「美琴の超電磁ステーキ」「みんなで作ったBBQカレー」「食蜂のふわふわパフェ」。
筆者はそれなりに大食いですが、ボリューム的には大満足。「足りなかったら近所のスーパーに行こう」とか考えていてすみませんでした! どのメニューも美味しかったのですが、特に印象的だったのが「佐天のエビチリポテト」と「BBQカレー」。前者は薄焼き卵をめくって佐天さん気分を味わえるもので、生春巻きに包まれたエビチリとポテト、薄焼き卵のハーモニーも絶妙です。「BBQカレー」は「超電磁砲」第13話に登場したカレーが元ネタ。チキンカレーとシーフードカレーのミックスですが、料理初心者の婚后さんたちが入れようとしたみかんとごぼう(のサラダ)も意外や意外、カレーとマッチしていました。
コラボメニューのコースを堪能したあとは、アニメのフルコース! 宿泊した日は夏クールアニメがクライマックスに突入中ということで「超電磁砲T」最終回など、いろんなアニメを大画面でぶっ通しで観ることができました。何がすごいって地上波はキー局以外にTOKYO MX・テレ玉・tvkなどが映り、BSやCSも含めれば150チャンネルも観られること。さらに自分のPCやスマホをHDMI接続して自分の好きな映像を流すことができます。これは捗る!(結局3時過ぎまで好きなアニメを大画面で観ました)
深夜までアニメを観てしまったものの、アラームに設定した美琴のモーニングコールボイスでバッチリ起床。朝食(これもからかなり充実)いただきチェックアウトの時間が迫ります。チェックアウト前に最後に触れてほしいのが「スペシャルコンテンツ」のフェアウェルメッセージ。詳しい内容はぜひ泊まって確かめてほしいですが、「好きな物語に、泊まる。」という理念通り、自分はアニメの世界の一部になれていたんだ……と感傷に浸り、ちょっとおセンチになってしまいました。
朝食もかなりのボリュームです。
こんな具合に、コラボレーションしているアニメが好きな人なら間違いなく楽しめるEJアニメホテル。現在は「超電磁砲T」以外にも上記した作品や「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」とコラボレーションしていますが、広報担当者によると「今後もいろんな作品(KADOKAWA以外の他社作品含む!)とのコラボレーションもどんどんしていく」とのこと。随時ホテルの公式サイトやTwitterアカウントをチェックするとよさそうです。むしろアニメキャラに囲まれながら、大きい画面でアニメを観るのがあまりに楽しいので、コラボ作品に関わらず、アニメファンなら近所に寄ったときのホテルの選択肢としてかなり“アリ”ではないでしょうか!
【取材・文:はるのおと】