杏がアニメ「百日紅」で感じた“クリエイターの業”

かねてより「アニメーション作品の声を演じてみたい」と公言していた杏が、ついにその願いを叶えた映画「百日紅 ～Miss HOKUSAI～」が5月9日(土)に公開され、初日舞台挨拶に原恵一監督、お栄役の杏、北斎役の松重豊らが登壇した。

「百日紅 ～Miss HOKUSAI～」は、葛飾北斎の娘・お栄にスポットを当て、師匠でもある父とともに浮世絵師として生きる人生を描いた劇場長編アニメ。

監督を務めた原恵一は、「クレヨンしんちゃん」シリーズなど、“オトナが泣けるアニメーション作家”として名高い。足かけ3年、ようやく完成した本作に「堅苦しくなく、エンタメとして楽しんでいただける作品」と太鼓判を押した。

杏は今から1年ほど前にお栄役を依頼されて即諾したといい、「願わくば空いている席に座って皆さんと一緒にスクリーンを見たい」と嬉しそうに語った。

また、杏は、自身もファンだという椎名林檎の主題歌「最果てが見たい」に北斎の姿を重ね合わせ、「90歳まで生きて、あと1年長く生きれば最高の絵師になれた。そう語った北斎の“クリエイターの業”のようなものがリンクしていました」と感心するようにコメント。

最後は、これから上映を楽しみにしている観客に対して、「江戸の文化が途切れないようにすることが、現代に生きる私たちの使命であり楽しみ。知らないはずなのに知っている、心のどこかに眠っているような江戸の景色や心意気が詰まった映画です」と、絵師として真っすぐに生きるお栄を思わせる凛とした表情で語っていた。

なお、今作で活気あふれる江戸を艶やかに描くのは、Production I.G。劇場アニメでは「クレヨンしんちゃん」シリーズの他、「攻殻機動隊 新劇場版」「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」など、緻密かつ躍動感溢れる映像を繰り出してきただけに、今作でも注目すべきポイントのひとつだと言える。【記事：WebNewtype】