2024年8月30日、同日に公開された『きみの色』の初日舞台挨拶がTOHOシネマズ日比谷で行なわれました。ステージには山田尚子監督に加え、日暮トツ子役の鈴川紗由さん、作永きみ役の髙石あかりさん、影平ルイ役の木戸大聖さん、百道さく役のやす子さんが登場し、『きみの色』についてトークを交わしました。
挨拶が終わると、まずは山田監督が「16(いろ)都市キャンペーン」として全国16都市で行った舞台挨拶や試写会の話へ。キャンペーンの中には鈴川さん、髙石さん、木戸さんらキャストを交えて行った土地もあるそうです。鈴川さんは本作の舞台となる長崎に行ったことに触れ「長崎県庁で副知事に表敬訪問するという貴重な経験をさせていただいたし、本当にたくさんの方に温かく迎えてくださったのが印象に残っている」と回顧。残る2人も「学生さんが合唱で歌ってくれて。それが本当に天使のような歌声で、今思い出しても鳥肌が立つ」(髙石さん)、「山田監督がロケされたと言っていた景色を自分の目で見られて、モデルとなったことがすごくわかった」(木戸さん)と長崎での思い出を語ります。
また、ステージでは現在SNSで展開中のキャンペーンで投稿された本作の感想がいくつか紹介されました。そのなかには『君の名は。』『天気の子』で知られる新海誠監督や、山田監督が手がけた映画『聲の形』で主役を務めた松岡茉優さんからのメッセージも。これを受けて山田監督は「松岡さんからメッセージをいただけるなんて胸がいっぱい。彼女とアフレコした時のことを思い出しました。新海監督からのメッセージもものすごく光栄です」と感謝。またやす子さんは「『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』……新海監督は自分が中高生の頃に刺激を受けた監督で、ああいうのを夢見て高校に入ったんです。何もなくて寂しかったですけど。そんな人からコメントをもらえて感無量だし、たくさんの人に影響して映画ってすごい」と喜びを語ります。
その後、ステージ上ではダブルの“サプライズ”を実施。山田監督にはメインキャスト3人から、彼女が好きだという淡い色の花をまとめた花束、初対面時から溜めてきた写真のボード、そして涼川さんからの手紙が贈られます。涼川さんが涙ながらに「何者でもなかった私を見つけてくれてありがとうございました」と感謝のメッセージを読み上げると、山田監督は恐縮しながら「滅茶苦茶うれしい。みなさん集まってくれたのに……私ばかり幸せで恐縮です」とはにかみます。さらに9月2日に誕生日を迎えるやす子さんにも花束がプレゼントされると、彼女は「キアヌ・リーブスと同じ誕生日です」と明かしながら「恐れ多いです。『きみの色』がもっともっといろんなところで、いろんな人に愛される作品になれますように!」とアピールしました。
最後に、客席でのフォトセッションを終えた5人を代表して、山田監督が挨拶。「やっと公開日を迎え等得て感無量」「みんなで心を込めて、みんなで肩を組んで作った作品なので、みなさんも愛してくださったら嬉しいです」という言葉に大きな拍手が贈られ、初日舞台挨拶は締めくくられました。
なお、2024年9月10日発売「ニュータイプ10月号」では、『きみの色』の表紙・巻頭特集。キャラクターデザイン・作画監督の小島崇史さん描きおろしのきみちゃんが目印です。
また、映画公開に合わせて、唯一無二の公式ガイドである「きみの色 アニメーションガイド tri-angle」が発売しています。山田尚子監督、脚本の吉田玲子さん、音楽・音楽監督の牛尾憲輔さんほか20名上のスタッフ・キャストへの取材や、美術や場面写真など数多くの図版など、たくさんの情報を詰め込みました。紙&電子ともに発売中です。
【取材・文:はるのおと】
■映画「きみの色」
全国で絶賛公開中
リンク:映画「きみの色」公式サイト