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「蜘蛛ですが、なにか?」リレーインタビュー 馬場翁・輝竜司・かかし朝浩・グラタン鳥 「キャラクターを深める演出の妙に圧倒されています!」

2021年04月10日 00:00配信
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」を盛り上げるリレー連載、第16回は蜘蛛子の新たな門出を祝って、著者の皆さまに集まっていただきました!

登場していただいたのは、原作の馬場翁先生、原作イラストの輝竜司先生、コミカライズ担当のかかし朝浩先生、そしてスピンオフ・コミック「蜘蛛ですが、なにか? 蜘蛛子四姉妹の日常」のグラタン鳥先生です。思い出のシーンや後半の見どころをクリエイターならではの視点で語っていただきました。

――いよいよ後半クールがスタートしました。ぜひ皆さんには、前半クールを振り返っていただきたいと思いますが、率直な感想はいかがですか。

馬場 もともと、前半クールは原作第3巻の地龍アラバ戦を区切りにしたいと脚本家の方からご提案があったんです。それを叩き台に構成を詰めていったので、無事に地龍アラバ戦を迎えられたのが嬉しかったですし、迫力のある映像を見せてくださってとてもありがたかったです。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


輝竜 イチ視聴者として純粋に楽しんでおります。ただ、緊張感もありました。アニメーションの中に挿絵のイメージを取り入れていただいたところは、ファンの方にこちらの意図を受け入れてもらえるか少し心配だったので……。特に第10話の蜘蛛子ちゃん。それまでとはちょっと違う描写になっているのですが、概ね好意的に受け入れていただけてほっとしています。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


かかし コミカライズ版は蜘蛛子視点にしぼっていて、人間パートに関しては基本的にノータッチなんです。原作小説とはだいぶ違う構成にしているのですが、コミカライズのコンテを蜘蛛子パートにけっこう生かしてくださったところがあって、それが嬉しかったです。

グラタン鳥 蜘蛛子ちゃんがとにかくかわいかったです。ひたすら動いて演技して、それを見るたびにほっこりしていました。その一方で、戦闘シーンは緊張感があり、迫力たっぷり。原作は当然知っていますが、「こう動くんだ」「こういう戦闘なんだ」と新しい発見があり、毎回楽しく拝見しています。

――蜘蛛子は悠木(碧)さんのお芝居も光りましたが、馬場先生のイメージ通りでしたか。

馬場 もう悠木さん以外の声でイメージできなくなりました(笑)。一人四役というよくわからない状態でも、それをしっかりこなしてくださって。やっぱり悠木さんはすごい方だと改めて実感させられました。

――悠木さんは先生がご指名したというわけではないんですか。

馬場 ええ。アニメスタッフ全員との話し合いで決まりました。

――そうなんですね。ちなみに、皆さんは蜘蛛子のお芝居についてどんな感想をお持ちになりましたか。

かかし 悠木さん、酷使されているなと(笑)。一人四役って……四人分のギャラもらったほうがいいですよ!

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


――(笑)。しかも、一キャラずつ順番に録っていくのではなく、流れの中で演じ分けされているようです。

輝竜 私は第8話のアフレコを見学させていただいて、悠木さんが一気に録られていくのを拝見したのですが、するすると四人の声が出てくるのは圧巻でした。声が重なる部分だけは別録りで、あとは一発録り。すごいという言葉しか浮かばなかったです。

グラタン鳥 皆さんおっしゃる通り、想像を絶するテクニックを見せていただいてるんだなと思いながら、拝見……本当に拝みながら見ています(笑)。特に四人がいっぺんにワイワイ盛り上がるシーンは圧倒されました。

――他のキャストさんについてはいかがですか。

馬場 皆さん、“歴戦の猛者”感のある方ばかりですよね。だからというわけではないと思いますが、見学させていただくと毎回一発OKばかりで、本当にすごいです。こちらから何かリクエストするようなことも一切なく、とてもスムーズに収録が進んでいます。

かかし 声がついてよかったなと感じたのがユーリです。「この子はヤバい!」というのが一瞬で伝わってきました。あのまくし立てる感じは音がついて初めて伝わるニュアンスだなと思います。

輝竜 カティアは、カティア役の東山(奈央)さんと大島叶多役の佐藤(元)さんが別々に演じられているのに、ちゃんと一人のキャラクターとして繋がっているのがすごいなと思いました。あとは東山さんの性別の演じ分けも好きです。この世界で生きているカティアと大島叶多としてのカティアの両方を感じさせる演技で、よりキャラクターに深みが出たなと感じました。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


グラタン鳥 輝竜先生と少し被りますが、転生前と転生後で二重の人生を送り、今、新しい人生を歩んでいることが皆さんの演技の端々から感じられるのがいいですよね。例えば、フェイちゃんであれば、いじめをしていた過去とそれを後悔する今という対比が、喜多村(英梨)さんのお芝居からも感じられて、二つの人生が垣間見えるところがすごいなと感じています。

――アニメーションになって何か印象が変わったキャラクターや魅力が増したと感じたキャラクターはいますか。

馬場 印象が変わったキャラクターは特にいませんが、どのキャラクターもイメージ通りに魅力が増したなと感じました。例えば、フェイはマスコットのような見た目に喜多村さんの声がついたことで、前世のやんちゃしていた感がより透けて見えるようになりましたし、声だけでそれがわかるのがよかったです。

輝竜 海外の方によくリプライをいただくのですが、アニメ化して特にスーの人気がすごいことになっていると聞きました。お兄ちゃん大好きなヤンデレ系が人気なのかなと(笑)。それから、ハイリンスはキャラクターデザインが初期から大きく変わったんです。最初はもっと“頼れる兄貴”感が強くて、そこから貴族の次男坊という感じに変わりました。私は現在のデザイン……貴族の次男坊っぽいほうがいいなと思っていたのですが、実際に声がついてやっぱりこっちでよかったんだとほっとしましたし、キャラクターのイメージがかっちりはまりました。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


かかし 僕はじじい(ロナント)が最高ですね! 

一同 (笑)

かかし コミカライズでは適当なときと真剣なときの落差を意図的に大きく描いたので、それをアニメでも採用してくださって嬉しかったです。特に適当なときのじじいがすごくよかった。

グラタン鳥 僕はシュン君とユーゴーですね。アニメになってさらに魅力が引き出されたなと感じました。特にユーゴーは、声がついたことで思った以上にムカつく感じが出て(笑)、さすがだなと。シュン君もシュン君で、戸惑いながらも頑張っているところが声からも伝わってきて、魅力が増したなと感じました。

――では、前半戦で特に印象に残っているシーンを教えていただけますか。

馬場 印象に残ってるのは第4話ですね。猿(アノグラッチ、バグラグラッチ)戦は、かかし先生がコミックで描かれたときに猿の数が多すぎて大変だったと伺ったので、アニメはもっと大変なのではないかと心配していたんです。実際にそのシーンを拝見してみたら、猿の大群がなめらかに動く迫力のある映像になっていたので、とても印象に残っています。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


かかし あのシーンはどうしようもない物量だったので、アシスタントさんを一人増やして対応しました(笑)。素人考えで恐縮ですが、アニメはCGだからまだよかったと思います。あれを手で描いていたら相当大変だっただろうなと。

ちなみに僕がいいなと思ったのはユーゴーが裏切る話数(第7話)ですね。薄皮一枚で繋がっていたシュンとユーゴーの関係性がここで一気に壊れてしまう。戦闘の演出からも、そのターニングポイントであることがしっかり伝わってきました。あとは、先生(フィリメス)の「何かヤバいものを持っている」という雰囲気の出し方、演出も気に入っています。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


輝竜 全体的にキャラクターがよく動くのがすごいなと思います。リアルタイムで見られるときはTwitterで実況しているのですが、ついつい画面に見入ってツイートを忘れてしまうんです。「コイツ、急に黙ったな……?」というときは、大体見入っています(笑)。

最初、私の絵はアニメーションで動かすのが難しいと言われていたので、ここまで動かしてくださって本当に嬉しいです。エッセンスをいい感じに抽出していただき、キャラクターデザイナーさんの個性を加えていただいて、しかもガンガンに動かす。もう、魅力マシマシですよね(笑)。アニメーションはあまり詳しくないので、こういう風に動かすんだと毎回作画を見ながら勉強させていただいています。

グラタン鳥 脳内で会話する四姉妹の演出も、いろいろな趣向が凝らされていて楽しいです。例えばそのやりとりを影で表現したところは、こういう見せ方があるんだと新たな発見がありました。脳内で複数が喋っているわけで、実際、演出はかなり難しいと思います。でも、それを楽しんで作っている感じが伝わってくるのがいいですよね。

馬場 四姉妹の演出はすごいですよね。小説を書いているときはその絵面をあまり気にしていなかったので、こうくるのかと感心しきりでした。

――他にも、お好きなシーンなどがあれば、ぜひこの機会にお話しいただけたら。

グラタン鳥 僕は魔法担当2号が生まれた瞬間ですね。一瞬出てきたけど、今は忙しいからとまた押し込められちゃって。それがかわいそうなのにかわいくて(笑)、すごく好きです。

かかし マイホームで石に糸を巻き付けてゲラゲラ笑いながら振り回すシーンは、あまりにテンションが高すぎて「なんだこのシーンは!?」と思いました(笑)。人間に襲われたときとの落差が大きくて面白かったです。

輝竜 第8話の冒頭は人間パートがしんみりした雰囲気で描かれますよね。そこから蜘蛛子ちゃんに切り替わったと思ったら、某ハードロックバンドのメイクでウェイウェイしていて、その落差に窒息するほど笑いました。みんな心配しているけど、蜘蛛子ちゃん元気だなって(笑)。あとは、蜘蛛子ちゃんが何かを想像したときのイメージカットも好きです。

馬場 イメージカットに関しては、かかし先生のコミックのおかげですよね。たぶんアニメの制作サイドも「これくらいやっていいんだな」と割り切ったところがあるんじゃないかなと思います。

かかし まぁ、自分のせいですよね(笑)。でも、すごく大事にしていることなんです。ある作家さんが雑誌で(人気)1位を取るためには何が必要かを話されていたことがあって。とにかくわかりやすいイメージをぶつけろとおっしゃっていたんです。読者は想像のとっかかりがほしいから、そのフックになるイメージシーンを1ページ使ってバーンと見せろ、と。言葉で説明するよりも先に絵で見せないと伝わらないんだなと、その方の言葉に納得しました。例えばですが、蜘蛛子が何か喩え話をするときは想像のとっかかりとしてのイメージカットをなるべく入れるようにしています。

――馬場先生は何か言っておきたいことなどはありますか。

馬場 やっぱりエンディングですね。どんなにシリアスな終わり方でも、あのエンディングテーマ(「がんばれ!蜘蛛子さんのテーマ」)に繋がってシリアスがクラッシュするところがいいなと。

TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より
TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」より(C)馬場翁・輝竜司/KADOKAWA/蜘蛛ですが、なにか?製作委員会


グラタン鳥 わかります。僕は四姉妹を描いているので、あのエンディングはやっぱり印象に残りました。ハイテンション感とわちゃわちゃしている雰囲気が大好きで、ヘビーローテーションしながら仕事をしています。

――馬場先生はエンディングテーマも最初に確認されているんですよね?

馬場 はい、確認させていただきました。仮歌はボーカロイドだったので、あのスピードも違和感がなかったのですが、実際に悠木さんが歌ったターンで「人間が歌うにしては速すぎないか!?」とびっくりしてしまいました。

かかし 新人声優の課題として取り入れるべきですよね(笑)。

馬場 これを歌えるようになれば、歌で困ることはなさそうですね(笑)。

――ありがとうございます。では、後半クールを楽しみにしている方へ皆さんからメッセージをお願いします。

グラタン鳥 四姉妹がこれからどんどん活躍していきますので、僕自身、その活躍をとても楽しみにしております。皆さんもワクワクしてお待ちください。

かかし ここからは蜘蛛子サイドと人間サイドがさらにクロスしていきます。魔王も含め、各陣営が一気に、同時に動き出すので、それがどう収束するのか楽しみにしていてください。

輝竜 イチ視聴者として純粋にこの先の展開を楽しみにしております。ときどきリアルタイムで視聴しながらツイートしているので、よかった皆さんも一緒に呟きましょう!

馬場 ここからは蜘蛛子がエルロー大迷宮の外に出て、世界観が広がり、人間サイドと交わっていきます。そこが大きな見どころになりますので、ぜひ注目していただけたら幸いです。

【取材・文:岩倉大輔】

■TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」
放送 AT-X 毎週金曜 21:30~ ※リピート放送有り
   TOKYO MX 毎週金曜 22:30~
   テレビ愛知 毎週金曜 27:05~
   KBS京都 毎週金曜 24:00~
   サンテレビ 毎週金曜 24:00~
   BS11 毎週金曜 23:00~

配信 ひかりTV 毎週金曜22:00~
   dTVチャンネル 毎週火曜22:30~
   ABEMA 毎週水曜22:00
   そのほかのサイトでも1月15日より毎週金曜22:00以降順次配信

スタッフ:原作…馬場 翁『蜘蛛ですが、なにか?』(カドカワBOOKS刊)/原作イラスト…輝竜 司/監督…板垣 伸/シリーズ構成…馬場 翁、百瀬祐一郎/キャラクターデザイン…田中紀衣/モンスターデザイン…鈴木政彦、ヒラタリョウ、木村博美/チーフアニメーター…吉田智裕/美術監督/美術設定…長岡慎治/色彩設計…日比智恵子/撮影監督…今泉秀樹/編集…櫻井 崇/CGディレクター…山口一夫/CGアニメーション制作…exsa(制作協力ENGI)/音楽…片山修志/音響監督…今泉雄一、板垣 伸/助監督…上田慎一郎/アニメーション制作…ミルパンセ/製作:蜘蛛ですが、なにか?製作委員会

キャスト:「私」…悠木碧/シュン…堀江瞬/カティア…東山奈央/ユーゴー…石川界人/スー…小倉唯/フェイ…喜多村英梨/フィリメス…奥野香耶/ユーリ…田中あいみ/ユリウス…榎木淳弥


リンク: TVアニメ「蜘蛛ですが、なにか?」公式サイト
    公式Twitter・@kumoko_anime