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思いを走りに変えて―― トウカイテイオー役 Machicoインタビュー

2021年06月19日 17:00配信

実在する競走馬がモチーフのキャラクターが活躍する人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。アニメも〝史実〟を踏まえた号泣の展開が話題になったことが記憶に新しい。

アニメ第2期のBlu-rayボックス「ウマ箱2」第2コーナーの発売を記念して、「月刊ニュータイプ」21年7月号に掲載されたトウカイテイオー役Machicoのインタビューを抜粋掲載。アニメ第2期を熱くプレイバック!!

毎話泣ける怒濤の展開

──トウカイテイオー(以下、テイオー)という「史実」でも非常に人気のあった競走馬をモチーフにした役を演じられるのは、プレッシャーはありませんでしたか?

Machico 愛嬌があり、カリスマ性ももっていて、成功したものと同じくらいの挫折を味わったお馬さんなので、役に決まったときからそういう深みも「ウマ娘のテイオー」として出せたらいいなと思ってはいたんですけど、やっぱりその重みを改めて意識したのは、第2期のストーリーを読んでからでした。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


──第2期は第1話からドラマティックな流れで。

Machico テイオーがシンボリルドルフ……カイチョーに出会って夢を見つける瞬間がていねいに描かれていて。あそこで幼少期のテイオーが出てきたのが、私としてはキュンとくるポイントでした。あとはやっぱり、エンディング(笑)。

──「winning the soul」は名曲ですよね(笑)。そして第2話以降はもう、毎話泣ける。

Machico 私も第2話で泣きました。いきなり挫折をしたテイオーが、最後にほかのウマ娘たちのレース(菊花賞)を涙ながらに見るシーンは、自分の仕事とも置き換えられるところがあって。自分も表に出させていただく仕事だし、仕事をしたいのに体調がついてこないときはとても悔しい。そんなとき、周りの仲間がキラキラしていると、より自分がツラく見えちゃう。そんな気持ちを、あの演技には落とし込んだつもりです。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


──そしてメジロマックイーン(以下、マックイーン)がテイオーのストーリーに深くかかわりはじめます。

Machico 第3話が2人のなれ初めですよね(笑)。史実もアニメと同様、テイオーとマックイーンが実際に戦ったのは1戦しかないので、第1期のときからテイオーがマックイーンをライバル視してるのは少し不思議だったんです。その答えが第3話には詰まっていました。ライバルって自分で見つけるものじゃなくて、自然に現われるものなんだなって強く感じた回でしたね。そこから第4話、第5話とマックイーンのすごい姿を見せつけられていくんですけれど、マックイーンは第1期のときよりキャラクターとして柔らかくなっている気がしました。そういう2人の関係性の変化も、私は好きです。対決に向かう流れのなかでは、チーム<スピカ>のみんなとの練習シーンがいっぱい描かれたのも楽しかったですね。カッコいいところだけじゃなく、等身大の、仲間といるときのリラックスした感じが見られて、そういうシーンには意外と激しいギャグがあるのも、このアニメのいいところです(笑)。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


──第5話でテイオーは負けて、無敗ではなくなってしまう。

Machico しかも骨折から復活して、万全の状態で挑んで負けた。レースシーンは、自分でも演じていて、もどかしかったですね。レースの後、テイオーが潔くマックイーンをたたえることばを発したのが、すごいなと思いました。それはきっと、彼女もここまでに挫折を味わったからこそなんでしょうね。また、言われた後のマックイーンの笑顔が尊かった。だからこそ、「無敗のウマ娘」という大きな目標が消えたテイオーの喪失感が、なおさらツラく感じて……。

──あれは込み上げるものがありました。

Machico でもそんなときに、ウオッカとダスカ(ダイワスカーレット)とのやりとりだったり、ミホノブルボンの「負けたからこそ見えるものがあります」ということばだったり、直接語りかけられたものではなくても、周りのウマ娘たちの言動から少しずつテイオーが刺激を受けて、立ち直っていく。その描き方が印象的でした。周りがそんな中、第6話の温泉シーンでマックイーンだけは直接テイオーに語りかけてくれるのに、テイオーってば変なところで鈍感なんですよね(笑)。でもそこがまたかわいい。マックイーンも「私のライバルはあなたです」と言うだけで、多くは語らないんですよね。この先も「レースで待ってます」とか、ここぞというときに端的なことばでテイオーの気持ちを救ってくれる。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


──いい関係ですよね。中盤ではライスシャワーが物語に深くかかわります。

Machico 第2期のアフレコではマックイーン役の大西沙織さんとトレーナー役の沖野晃司さんの3人で収録することが多かったんですけれど、このときはミホノブルボン役の長谷川育美さんとライスシャワー役の石見舞菜香さんといっしょに収録できて、2人の絡みを生で見たことで、自分としても一気に2人が好きになりました。あの2人もテイオーとマックイーンと同じ特別な、ほかのコンビとは違うところがある。お互いが不器用であるがゆえに、固いきずなで結ばれていくのがよかったです。あとは逃げてるときのライスシャワーがすごいかわいくて、追っかけていて楽しかったです(笑)。そんなライスシャワーが第8話ではめちゃめちゃカッコよくて!

──しかし勝っても、周りは心ないことばを投げて。

Machico あれは何なんでしょうね、もう! でも、そこでもマックイーンのスポーツマンシップにあふれた拍手がすばらしかったです。ウマ娘同士は勝利への執着もあるけど、負けたときの対応が本当に魅力的です。だからいろんなウマ娘たちの、いろんな形の勝利も敗北も、気持ちよく見られる。本当に、ライスシャワーは最後に救われてよかった……。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


──そして第9話以降、マックイーンが故障を抱え、テイオーも……。

Machico またけがをする。現実にあったこととはいえ、残酷で……。第2期が始まるときに、最初に監督から「テイオーは第2期のなかで骨折を3回します。そのたびに、挫折の度合いを全部同じにしないでください」とディレクションがあったんです。それはもう、嫌なステップの踏み方というか、3回目はテイオーが自分でもあきらめちゃうんですよね。周りから言われているだけではなくて、自分でもダメだと気づくのが……そういう決断を私はテイオーにしてほしくなかったから、演じていてすごくツラかった。またマックイーンが、そんなテイオーのようすに気づかないんですよ。第6話と違って、今度はマックイーンが鈍感。こんなところでも2人は似ている。あそこのテイオーの泣き顔、見たくなかったなぁ……。

──わかります……。

「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より
「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」より(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会


Machico そこからまた私を泣かせる第10話ですよ。絶望の淵であきらめてしまったテイオーが、みんなの愛のおかげで立ち直る。キタちゃん(キタサンブラック)がお守りを持ってきてくれるシーンとか、「最初から受け取ったれよ!」って私は思うんですけど、テイオーの気持ちになってみたら、受け取ることでキタちゃんが自分にまた夢を抱いちゃう。キタちゃんの夢をまた壊さないように、テイオーなりのあえての優しさで受け取らないんですよね。でも、そういう判断をする妙に大人びてしまったようすが、また悲しかったです。そして、テイオー本人も含めて、周りの気持ちが引退に向かうなかで、ツインターボが真っすぐにぶつかってくれる。彼女は何を言われてもひるまないからこそ、テイオーが初めて自分の気持ちを相手にぶつけることができた。最後のレースシーンのアフレコは、マックイーンとツインターボと3人でやっていたので、実際に(花井)美春ちゃん(ツインターボ役)がぜーはー呼吸を荒らげて演じている姿を見て、本当に胸が打たれて。その後の「ボク、もう一度頑張ってみるから」ってセリフは、美春ちゃんの演技を見ていたからより自然に出てきて、言いながらめちゃくちゃ泣いちゃいました。

物語プレイバックはクライマックスに向かいますが、後半はぜひ「月刊ニュータイプ」7月号本誌で!

【テキスト:前田久】