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西沢幸奏のソロプロジェクト「EXiNA」ライブレポート~原点とこれまでとこれからが詰まったステージ

2022年05月30日 17:00配信
西沢幸奏のソロプロジェクト「EXiNA」ライブレポート

西沢幸奏のソロプロジェクト「EXiNA」ライブレポート

2015年、「艦隊これくしょん-艦これ-」のEDテーマ「吹雪」でデビューした西沢幸奏(にしざわ・しえな)。そのソロプロジェクト「EXiNA」のソロライブ「SHiENA -A NEW STORY BEGiNS-」が5月22日に開催された。昼夜行なわれた公演のうち、夜の部をレポートする。

有観客のソロライブとしては、2019年12月以来2年半ぶり。会場となったSpotify O-WESTは、開演を前にしてEXiNAの熱いパフォーマンスを待ちわびたファンの高揚感に満ちあふれていた。ライブの4日前にリリースされたフルアルバム「SHiENA」の楽曲をセットリストの中心にすえたライブが幕を開けた。

アコースティックギターに乗せて英語での自己紹介をのせたオーバーチュア「MONOLOGUE」が流れると、EXiNAとバンドメンバー、芳賀ヨティ義彦(Gt)、中村泰造(Ba)、田中真二(Ds)がステージに登場。やさしい旋律に身を委ねるオーディエンスは、これからやってくる轟音を待ち構えているようだった。急転直下、うなるようなギターと、身体の芯まで響くバスドラム、ベースのイントロで始まる「PERiOD」をプレイ。力強いEXiNAのボーカルに対して、感染対策で声を出せないオーディエンスは、全力のヘドバンや、ハンドサインで応えていた。続いて、西沢幸奏としてのデビュー曲であり、代表曲のひとつ「吹雪」をバンドバージョンで演奏すると、会場のテンションはさらに上昇。EXiNAは、気持ちよさそうな微笑みを浮かべながら、パワフルな歌声を繰り出した。

「吹雪」の演奏を終えると、「はあはあ」と息を整える声が聞こえる。ステージとフロアの距離感はそれほど近い。MCでは、アルバム「SHiENA」が発売直近でのライブに来てくれたファンに感謝の言葉を伝えると、「どんな曲でも楽しんでやると皆さん思ってきたと思いますが、もっと楽しんで帰ってもらおうと思います」というEXiNAの決意をオーディエンスは拍手で迎え入れた。

続けて、自分にとって「大切な曲」だというTVアニメ「終末のハーレム」のEDテーマ「ENDiNG MiRAGE」をパフォーマンスすると、EXiNAとしては珍しくかわいらしい動きとともに「SAGA」をエネルギッシュに歌う。さらに、ギターサウンドが印象的な「Shark」では、頭を激しく降りギターをかき鳴らしながら、ソウルフルな歌声を響かせた。

バンドメンバーの紹介の後、追加でステージに立つメンバーを呼び込んだ。アルバム「SHiENA」のサウンドプロデューサーのDaiki Kashoだ。EXiNAとヨティ、そしてDaikiの計3本のギターによってより厚みを増したバンドサウンドは、どこか幻想的な雰囲気を感じさせる「CARPET」をかき鳴らし、会場を魅了した。次なる楽曲は、「ギター3本の音圧が半端ない」とEXiNAが実感したという楽曲「STEREOTYPE」。ディスコサウンドをイメージさせるサウンドやリズムに、オーディエンスは身を任せていた。

「音圧感じた?」というEXiNAの問いかけに拍手が鳴り響くと、次は、「感じているだけじゃダメ。手を振らないと」とEXiNA。グルービーなイントロから始まり、シャッフルなリズムが印象的な「KAiJiN」では、EXiNAの合図に合わせて手を振り上げ、会場はさらに一体となった。

「肩をほぐした後は、みんなにジャンプをしてもらいたい」とEXiNAはリクエスト。次の曲「Gemini」は、西沢幸奏名義でつくった楽曲。当時より今のほうがいいプレイができているとEXiNAは語る。「今まで経験したきたことが、今に繋がっています。さらに、みんなに熱くなってほしいです」と思いを口にして、演奏を開始した。隗より始めよとばかりに、ジャンプしながらイントロをかき鳴らすと、それに応えるようにフロアが揺れる。間奏では、EXiNAの「跳べ!」の掛け声で会場のテンションはさらに上昇。リズムを合わせたヘドバンを繰り出し、パフォーマンスを讃えた。

「(ステージから)この景色を見ると、こうやって集まれたことが奇跡だと感じます。その奇跡は偶然ではなく必然」と感動を伝えたMCから始まった「JESUS KNOWS」で、オーディエンスは本日いちばんのジャンプ。TVアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』OPテーマ「DiViNE」では、緩急ある一曲を思い思いに楽しんだ。

「ここからはノンストップ」と宣言したEXiNAは、クライマックスに向けてさらにシフトアップ。「BERSERK」では、ギター、ベースのいわゆる竿モノ部隊がステージフロントで身体を寄せ合って競うようにパフォーマンス。さらに、EXiNAは渾身のヘドバンを繰り出し、「BABEL」では「思い切り体を動かして帰ってね」とさらなる盛り上がりを煽った。

続く「DONUT」では、EXiNAが考えた振り付けをオーディエンスにレクチャー。「SOS SOS SOS Let me taste more」のフレーズに合わせて同じようにダンスし、空気感を全員で共有した。感染症対策として、ライブ中の観客は発声が禁止されている。EXiNAは「声を出さなくも、心をひとつにできることを証明してください」と笑顔を見せる。静かに手を広げ、腕を上げると、フロアもそれに呼応。ライブハウスに、綺麗な手の平の花が咲き誇った。「ありがとう。心がひとつになりました」の言葉とともに、最後の楽曲「YOU ARE THE REASON」へ。歌の合間には笑顔で仰ぎ見て、ライブができる喜びを噛みしめていた。

メンバーが去った後の会場には、手拍子が響く。するとステージにはおそろいのツアーTシャツを着たメンバーが登場し、アンコールへ突入した。MCでは、「今回のアルバムを作っていて思ったのは、自分がいちばん楽しむこと、それが大事だということ」とEXiNA。そして「自分が好きだと思うことで周りを巻き込めるし、みんなを幸せにできると思いました」と思いを語った。アルバム「SHiENA」については、25年の人生の集大成だと宣言。そこには、自分がもっとも影響を受けたバンドである「フー・ファイターズ」のカバーソングを入れたかったという。それが次の曲「MONKEY WRENCH」だ。思い入れのある一曲をEXiNAは、感情を露わにしながら歌い上げた。

自分の原点を確認すると、TVアニメ『学戦都市アスタリスク』OPテーマ「Brand-new World」を熱唱。2ステージ約40曲を歌った後とは思えない力強い歌声を響かせる。そして、ラストの一曲へ。「たくさんの方に集まってもらって、好きな曲を全力で歌って、そしたら会場がひとつになって、音楽ってなんてすばらしいんだろうと思いました」と一日を振り返る。そして、「ハッピーな別れの曲」とEXiNAが言う「BYE BYE」を熱唱。再会を約束し、深いお辞儀をしながら、EXiNAはステージを後にした。

【取材・文:星政明】

EXiNA「SHiENA」
発売中
発売元:SACRA MUSIC
価格:初回仕様限定盤(CD only) VVCL-1946/3300円(税込)

リンク:EXiNA OFFICIAL SITE
    公式Twitter・@EXiNA_XiENA