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新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」完成披露試写会の熱い1日を描写!

2022年11月01日 17:00配信
『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶
『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶

10月25日、東京国際フォーラム ホールAにて映画「すずめの戸締まり」の完成報告会見および、完成披露試写会と舞台挨拶が行なわれました。「最新作にて、最高傑作」との呼び声高い本作品、初お披露目となった当日のようすを、熱気そのままにお伝えします。

17時頃、開場前の待機時間には、東京・有楽町駅からほど近いランドマークの一つである東京国際フォーラムに長蛇の列が形成され、肌寒くなってきた空気を多くの人々の期待が温めます。「すずめの戸締まり」は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる扉を閉めていく岩戸鈴芽=すずめの成長物語で、「君の名は。」(2016年)、「天気の子」(2019年)に続く新海監督の最新映画。世界中から熱い視線を送られる中、世界で最初に完成映画を見る5000人が東京国際フォーラムに集まりました。

その1時間前には、一般公開とは別にマスコミ向けの完成報告会見が、完成披露試写会に先立って同会場にて開催されました。やはり今年いちばんの注目作品ということで、マスコミの数も数十社、50人以上が集まっています。そして巨大なホールAにて、完成報告会見が始まりました。

会見には、新海誠監督、岩戸鈴芽役の原菜乃華、宗像草太役の松村北斗、岡部稔役の染谷将太、二ノ宮ルミ役の伊藤沙莉、海部千果役の花瀬琴音、そして音楽と主題歌を担当したRADWIMPSの野田洋次郎、音楽を担当した陣内一真が登壇し挨拶を述べていきます。口火を切るのは新海。「たくさん足を運んでいただけてとても幸せです」と落ち着いた声で気持ちをことばにします。主演の原や松村は前日に関係者を招いて行なわれた初号試写で初めて完成映像に触れたとのこと。原は「余韻に浸ったまま今ここに立たせていただいています」と語り、松村は「落ち着かせようと思ったんですけど、作品の持つ力で今だに熱が抜けない、でもそれ(そういう状態)が心地よい映画」と興奮をことばに紡ぎました。一方先ほど、午前中に見たばかりという染谷は「胸に突き刺さりすぎてこのまま帰ろうかなと思うぐらいグッと来ました」と感動を表現、染谷と同じく午前中に見たという伊藤は「気づいたら普通に泣いてて、なんてステキな映画」と興奮を抑えながら感想を告げました。花瀬は「会場が大きくて驚いています」と作品含めたスケールの大きさを改めて実感したようす。また、新海作品といえば、RADWIMPSと野田洋次郎という関係性が3作連続で続いている中、登壇した野田は数日前まで陣内と新海含めてギリギリまで最終作業をしていたことを明かし、「明日も(作業が)あるんじゃないかと、どこかソワソワしている」としながらも、「みなさんに届けられるのが心からうれしいです」と語りました。新海作品の音楽としては初参加となる陣内は、すでに世界で名を知られる作曲家。「私もまだ(作品を)客観的に見る、というところまで行けてない」としながらも、作品を届けることができた喜びについて述べていました。

本作の創作のきっかけについて新海は、「天気の子」公開時、全国行脚の中で目にした限界集落や人が減り土地がどのように終わっていくのかに興味を持ったところからはじまったと語り、場所を悼んでいく職業が出てくる物語にできないかと考えたそう。企画書を2020年1月、コロナ禍が始まる前から作り始め、国内で最初の緊急事態宣言が発令された頃に脚本の第一稿を書き上げたといいます。第三者からの感想を知りたくてまず、脚本を送ったのが野田。彼は「2020年4月ごろでしたね」と振り返り、読んだ台本に対して音楽でアンサーをしたそうです。そのような蜜月関係にある2人に加わったのが陣内。2022年に入ってから陣内を含めた打ち合わせが初めて行なわれ、野田と陣内それぞれに担当のシーンが割り振られ、一気に音楽制作も進行。陣内は「最初に緊張がかなりありましたし、自分が作るテイストとも違ったのでよく声をかけてくれたなと」と振り返りつつ、企画書やコンテ、映像を見て「自分にできることがあるんじゃないかと思えるようになった」と続けました。野田は陣内の存在が心強かったと明かし、オーケストラの収録に訪れたイギリスのアビー・ロード・スタジオでは、陣内のスコアや音楽の方法などに触れ「自分の中の経験値がものすごい上がっていくのを感じた」と語りました。野田の作ったメロディーに対する解釈の幅も、野田の予想を超えたものだったようで、「ものすごい学びと音楽的な喜びでした」と熱くコメントする姿が印象的でした。
登壇者それぞれの口から熱い感想が告げられる中で、新海は「アニメーション映画のひとつの到達点になったのではないかと思います」と強い自信をのぞかせました。また、野田と作ってきた劇場音楽の3作目ということで、「劇場でしか聞けない音の連なりにしたいと思ってやってきました」と音楽に対するただならぬ思いも打ち明けます。キャスト陣のコメントも熱く心のこもったものばかり。原はスタッフに対する感謝を述べ、松村は「理由や種類の違う笑いや涙が何度も出てきて、自分の感性にこんなにも幅があるんだなと不思議な気持ちにもなりました」と改めて振り返っていたようでした。

その後いよいよ一般の観客にお披露目。エンドロールが終わると5000人の観客が総立ち、スタンディングオベーションで、新海、原、松村、染谷、伊藤、花瀬、野田を迎えました。温かい拍手の中、全員が花道の中央まで歩き出て、より客席の近い場所で一礼、映画の余韻が満ちる巨大な会場でまず新海が挨拶のことばを、ステージに戻ってからは一人ひとりが作品への思いを告げていきます。その中で今回解禁になった情報、草太の親友・芹澤朋也役を神木隆之介が演じているということ、そして、兼ねてから報じられていた主題歌「すずめ(feat.十明)」に加えて同じくRADWIMPSによる「カナタハルカ」がもうひとつの主題歌となることが明かされました。神木のサプライズ出演について、新海によると、神木は一度オファーを断ったとのこと。それは瀧(「君の名は。」)への思いもあってのことだったようですが、新海の説得と芹澤の役どころもあり、参加を決めたようです。また、「カナタハルカ」については、新海と野田の間で、もう一曲必要なのではないかと2年かけ話し、何曲も候補を出してきた中で「もうこれ以上何も出てこない気がしますと、最後のひと振り絞り」(野田)で出てきたのがこの曲だったそう。音楽だけではなく作画に関しても、渾身の制作現場であったことが少しずつ紐解かれていった時間となりました。

『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶
『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶

最後には、松村が「どうか、新海誠という僕の大好きな人の作品が、多くの人からものすごく愛されますように」と熱く述べ、原は涙をこらえ、声をつまらせながら「みなさんにとってこの作品が、明日を生きる糧になると信じています」と舞台挨拶を締めくくりました。

『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶
『すずめの戸締まり』完成披露舞台挨拶

会場を出ると参加した観客たちがそれぞれの思いを受け取ったようすで、上着を羽織りながら帰路へついていきます。ペアで参加した人たちが感想を語り合う姿がそこかしこで見られ、それぞれのアニメーションへの思いを重ねながら、「すずめの戸締まり」の最初の観客として、2時間を高揚しながら楽しそうに咀嚼しているようでもありました。

この後も試写会は重ねられ、11月11日(金)にいよいよ全国で公開となります。
この「すずめ」の物語はきっと、あなたのいつかの時間を思い出させてくれるはずです。

「すずめの戸締まり」は11月11日(金)公開!
「すずめの戸締まり」は11月11日(金)公開!(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

【取材・文:細川洋平】

■「すずめの戸締まり」
2022年11月11日(金)全国東宝系にて公開

スタッフ: 原作・脚本・監督…新海誠/キャラクターデザイン…田中将賀/作画監督…土屋堅一/美術監督…丹治匠/音楽…RADWIMPS、陣内一真

キャスト:岩戸鈴芽…原菜乃華/宗像草太…松村北斗/岩戸環…深津絵里/岡部稔…染谷将太/二ノ宮ルミ…伊藤沙莉/海部千果…花瀬琴音/岩戸椿芽…花澤香菜/宗像羊朗…松本白鸚

リンク:「すずめの戸締まり」公式サイト
    公式Twitter・@suzume_tojimari