「永久少年 Eternal Boys」おっさんアイドル石田直樹役・小西克幸＆浅井悠役・福山潤 対談

10月10日に放送がスタートした、オリジナルアニメ「永久少年 Eternal Boys」は、「誰だって、何歳からでも輝ける！」を合言葉に、社会の波にもまれ、成功と挫折を歩んできたアラフォーおっさん6人が、アイドルを目指して奮闘する姿を描いた今期の話題作です。その6人を演じる声優もまた、“おっさんアイドル” にふさわしいベテランがせいぞろい。その中で、元塾講師で努力家の石田直樹を演じる小西克幸さんと、戦力外通知を受けた陽気なプロサッカー選手・浅井悠を演じる福山潤さんに、インタビューをしました。

――「おっさん×アイドル」という作品コンセプトについてどう思いましたか？
小西　おもしろそうだなと思いました。今、いろんなアイドル作品がたくさんありますが、「おっさん」のアイドルものを具現化する人がこれまでいなかっただけで、きっとみなさん一度は頭に思い浮かべたことがあるんじゃないのかなと思ったんです。気になったのは、自分たちがどんなアイドルかというところですね。若くてキラキラしたアイドルたちと戦っていくのなら、そのキラキラに自分はいけるのだろうかと思いました。
福山　私も、おもしろそうだなと思いました。というのも、実は企画書の段階で私が演じる浅井は、無精ヒゲを生やしたちょい悪そうなおっさんだったんです。そういうアイドルのイメージのないキャラクターたちが、アイドルになるために集まって、人間ドラマを繰り広げていくのがすごく楽しそうだなと。また、自分がそのおっさんアイドルのひとりに選ばれたとしたら、逆に他のメンバーは誰が来るんだろうというワクワク感があって、企画としてすごくおもしろいなと思いましたね。

――小西さんが演じる石田直樹には、どんな魅力がありますか？
小西　石田は、アイドルになりたかったけれど諦めて、何か手に職をつけてきちんとした道を歩んできた人なんです。真面目で堅物で、アイドルという存在に対して強い憧れを抱いている。きっと、自分とは真逆のキラキラした感じに、惹かれるんでしょうね。きっと、そんな存在に自分もなりたいと思っていたからこそ、オーディションを受けたのかなと思います。放送を観ていただくとおわかりになると思いますが、見た目クールというか、自分の感情を表に出さないけれど、アイドルに対する思いを胸に秘めた熱い男です。その強い信念が生み出すメンバーとの温度差が生み出すドラマや、彼自身の思いに注目して観ていただけると、おもしろいと思います。

――福山さんが演じる浅井 悠の魅力はなんですか？
福山　浅井は、バツイチ子持ちで元Jリーガーで、トレーニングを続けているので体力には自信がある。そもそもオーディションも養育費を稼がすために元嫁が応募したという、メンバーイチ世知辛い現実を背負ってアイドルをやっている人なはずですが、本人は現状を一番楽しんでいるんですよね。ただ楽しいとか、一生懸命やっていくことでできることを増やしていくのがおもしろいという風に、彼の頭の悪さが良い方向に働いている。そのムダにポジティブな性格によって問題も起きるのですが、その中で“よかった探し”をして前に進む姿勢が、結局プラスに働いていくところにはすごく共感できます。

――「アイドル」にどんなイメージがありますか？
小西　イメージとしては、空想上の生き物みたいな……トイレも行かないしご飯も食べないし、自分が逢うこともない特別な存在ですね。今は会いに行けるアイドルもいるし、動画配信で気軽にコメントのやり取りもできるアイドルもいますが、石田が抱いているアイドル像はSMAPみたいな、1、2世代前のアイドル像なのかなと思います。みんなに元気を与えてくれるスーパーアイドル、という感じがします。
福山　私も知識としては知っていますが、自分の主観としては「アイドル」というものは近しくありません。僕が小学生のころは、アイドルは20代中盤くらいで引退するみたいな風潮がありましたが、今はアイドルの枠を超えて、バラエティーから国民的なアイドルグループになった人たちもいて。昔と比べるとアイドルの概念自体が変わったなと思ったので、この作品を通して改めて「アイドル」はどんな存在なのか、未来はどうなるのかと感じたいなと思っています。

――作品、そして“おっさんアイドル” 永久少年のファンへメッセージをお願いします。
小西　永久少年が今後どんな風に転がって成長していくのかについては、やはり応援してくださるファンのみなさん次第だと思います。おっさんが一念発起してアイドルをやろうと言って、第2の人生を歩み始めていますので、ぜひともみなさんに神輿を担いでいただき、底上げをしてもらえるとうれしいなと思いますので、応援よろしくお願いします。
福山　私もそういう活動をしておりましたが、歌って踊る人はすごい、アイドル現職のみなさまは本当にすごいなと実感しております。そう思いつつ、作品自体、そして永久少年を箱推ししていただくのも含めて、みなさまの日々の糧になれるように我々もがんばりますので、もし自分の糧になると思ったなら、全力で永久少年を応援して頂けたら幸いです。

【取材・文：ナカムラミナコ】