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幻のポケモン・ミュウを追いかけてきた「プロジェクト・ミュウ」の調査も、いよいよクライマックス! その舞台となるのは、島全体がたえず強風と雨雲に覆われ、上陸は不可能という「さいはてのことう」。神秘に包まれたこの島で、ゴウたちはいったい、何を目撃することになるのか……。先輩チェイサーとして、「プロジェクト・ミュウ」のメンバーたちを引っ張るツルギを演じた神谷浩史さんに、その収録の舞台裏をうかがいました。
――ツルギは「プロジェクト・ミュウ」のメンバーとして、ゴウたちを引っ張っていく先輩チェイサーという役どころです。第一印象はどんなものでしたか?
神谷 ツルギは先輩チェイサーとして、ゴウたちを見定める立場にあるキャラクターなので、何気なく発したことばの裏にも、いったいどんな意味が込められているのか。そういうことを考えながら、役づくりをしていました。たとえばゴウに「どう思う?」と聞くときでも、一見、普通の会話のように見えるけれども、ゴウの答えによっては彼がチェイサーに向いているのかどうかを考えながら、話しているんだろうなと。なので、ツルギは立派な人ではあるんですけど、同時に底の知れなさがある人だなと思っていましたね。
――ある種、「プロジェクト・ミュウ」の引き締め役のような、厳しさを持ち合わせているキャラクターのようにも感じました。
神谷 そうですね。ゴウたちに対しては、ちょっとしたミスがポケモンたちや、あるいは自分たち自身を傷つける可能性がある。そういう厳しさを教える立場の人間ですね。その一方で、自分のポケモンたちに対しては、信頼できる仲間としていっしょに戦う姿勢でいます。それはこの作品の世界観において共通認識になっていることだと思うのですが、ツルギもまた、そういう気持ちをしっかりもっている人物だと思います。ポケモンに対して「行け!」と号令をかけるときも、決して命令ではなく、同じ気持ちで戦っている。そういうニュアンスを求められたことは、すごく覚えています。
――神谷さんからご覧になって、主人公であるゴウの魅力はどこにあると思いますか?
神谷 無鉄砲な人ではありますよね(笑)。自分の目的に対して素直で、純粋でもある。であるがゆえに、ポケモンたちも心を開いて、同じ立場で戦ってくれるし、貢献もしてくれる。そういうキャラクターなんだと思います。「ポケモン」の世界では彼のような思いをもっている人たちのほうがより強く、より優れたトレーナーになっていくんだと思うんですが、そういう意味でゴウには、優れたトレーナーになる才能しかなくて(笑)。ポケモンのことを誰よりも愛してるがゆえに、ツルギには思いつかない瞬間的な閃きにたどり着いたりするんだろうな、と。むしろツルギは、ゴウからそういうところを学んでいたのかもしれないと思います。
――いよいよツルギたち、「プロジェクト・ミュウ」はミュウが発したと思われるサイコエネルギーを追って、テーブルマウンテンに乗り込むことになります。収録にあたっての心境をうかがえますか?
神谷 僕は初代のゲーム「ポケットモンスター」を遊んでいたので、ミュウにはやっぱり思い入れがあるんです。当時、誰も入手したことがない幻のポケモンがいるというウワサは聞いていて。もし自分が小学生だったら、きっとミュウを持っている人に「どうやって手に入れたの?」って、話を聞きに行ったんじゃないかな、って(笑)。大人ながらにワクワクした記憶があるので、今回、ミュウに会えるかもしれないテーブルマウンテンに向かう、ツルギやゴウたちの気持ちがわかるなと。彼らチェイサーの心境とゲーム好きとしての自分の気持ちを、重ねていたところはありますね。
――なるほど。では、放送を楽しみにしているファンの方に向けてメッセージをお願いできますか?
神谷 「プロジェクト・ミュウ」というプロジェクト名の通り、ミュウにたどり着いたら物語が終わってしまうなと思いながら、ツルギという役を演じ始めたのですが、やっぱりそういう目的で始まったからには、ミュウに絶対に会いたい。そういう思いで、僕も参加していました。ついにそのクライマックスのエピソードが前後編でお届けできることになりました。どんな結末を迎えることになるのか、最後までご覧いただけるとうれしいです。
【取材・文:宮昌太朗】