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「アニスタ」開催直前連載企画【第一回】 和田丈嗣(WIT STUDIO)×大塚学(MAPPA)

2018年12月25日 12:16配信
「アニスタ」開催直前連載企画【第一回】 和田丈嗣(WIT STUDIO)×大塚学(MAPPA)

「進撃の巨人」、「曇天に笑う〈外伝〉」、「甲鉄城のカバネリ」のステージを開催するほか、1月27日の夜には関係者を招いたトークショーも行なう

(C) animation studio meeting 2019

開催が直前に迫った、気鋭のスタジオ4社が開催する新イベント「アニメーションスタジオミーティング」(以下、「アニスタ」)。

すべてのアニメファンと制作の現場をつなぐ3日間のお祭りを多くの人に知ってもらうために、WebNewtypeでは、参加する4社のメインスタッフに毎週インタビューしました。

第一回目は、NT12月号に掲載されたWIT STUDIO代表取締役・和田丈嗣さんと、MAPPA代表取締役・大塚学さんの対談を再掲します。

このイベントを主催するWIT STUDIOと、それにいちばん最初に手を上げたMAPPAの思いとは?

──「進撃の巨人」のWIT STUDIOと「ユーリ!!! on ICE」のMAPPAに横のつながりがあることに驚く読者も多いかと。こうしてごいっしょされるようになったきっかけは何だったのでしょう?

和田 以前、CloverWorksの福島祐一プロデューサーが「アニメーションプロデューサー座談会」というトークイベントを何度か企画されていたのですが、その3回目でお互い、登壇者として知り合ったんです。

大塚 今年5月のイベントですから、知り合ってから実はまだそんなに時間はたっていないんですよね。

和田 そうですね。もちろん、お名前は以前から存じていましたが。今回のイベント立ち上げへの参加オファーは、僕のほうからです。福島さんがやっていたイベントが第3回でいったん終わることになったとき、「次のイベントは和田さんがやってください」とあおられたんですよね。この野郎、やってやろうじゃねえか!と(笑)。そこから大塚さんに最初に声をかけたんですが、それは何となく今のアニメ業界で思っていること、やろうとしてることが近いと感じていたからです。お互いのスタジオは創業時期も近いですし。

大塚 そうなんですよね。MAPPAの創立が'11年で、WITさんが'12年創業。そんなこともあって、こちらも和田さんやWIT STUDIOのお仕事にはずっと注目していました。そんな方と福島さんのおかげでいい形で知り合えて、声をかけていただけただけでもありがたかったですし、内容も制作会社が中心になったイベントということで、とてもいい試みだと思ったんです。ぜひ協力させてください、と。

和田 福島さんのやっていたイベントを見ていて、制作スタジオだけで完結している点がいいなと感じたんです。おかげで制作現場のことがしっかりお客さんに伝わるような内容になっていた。その趣旨を受け継ごうと思ったんですよね。アニメーションの業界が変わってきたことを、スタジオ主導でちゃんとアピールしたいな、と。

──開催地は手もとの資料だと、秋葉原とつくば市をご予定されている。

和田 そうです。つくば市でやるのも、WITに茨城スタジオがあるからです。今、地方都市にスタジオを構えるアニメスタジオは増えています。今後、イベントに参加していただくスタジオが増えたら、関連した土地にも展開していくことになると思います。

大塚 ゆくゆくは弊社のスタジオがある仙台でも開催したいですね。

──開催日程は1月末から2月頭。

和田 夏冬のコミックマーケットやAnimeJapan、マチ★アソビなどほかのアニメ関連イベントとの兼ね合いと、自分のこだわりとして、リクルートに焦点を当ててイベントを開催する日を設けさせていただきたかったからです。アニメ業界で働くことについては、今、いろいろな情報が飛び交っています。そのなかには、正しいものもありますが、間違っているものもとても多い。このイベントでは業界の実情をお伝えしたい。1月や2月のタイミングで実情を知ったうえで、4月からの求人募集に向けて動いてもらいたいなと考えています。

──具体的なイベントの内容は、どのようなものを考えているのでしょう?

和田 リクルートという観点だと、制作プロデューサーの座談会、あとは各社の制作進行のエース……入社3年目くらいで、仕事にも慣れて活躍しつつ、将来どのようなキャリアをめざすのか悩みはじめるころの制作進行さんたちの座談会を検討しています。そうすることで、スタジオのいいところも悪いところも、皆さんに知ってもらえるのかな、と。ひと言で言えば、会社説明会の拡大版です。複数開催日があるなかの、1日はそれに特化した日にしたい。

──つくばの会場は映画館で、これは上映会を?

和田 はい。上映会とスタッフトークです。地元にできたアニメスタジオがどんな作品をつくっていて、どういう人がかかわっているのか。それを知っていただける機会になれば。秋葉原で開催するイベントも、基本は各社の作品にかかわった監督やアニメーター、スタッフ陣を前面に出したイベントを想定しています。基本的には制作会社のやるイベントであることは、ゲストの人選でも示しておきたい。アニメの仕事がよくわからないと感じている人が、遊びにきたら何かがわかる、業界の入り口になるような気軽な場にしたいんです。おもしろいので、この業界。

──その「おもしろさ」の一端を、この場でも語っていただいてもよろしいですか?

大塚 やっぱり単純な話として、「つくる」というところではないですかね。作品へのかかわり方はさまざまですが、つくったものを世の中に出して、それに対してどういう結果が出るのかも見る。そうした一連の流れは、ひとつひとつの経験を次にどう生かすかを考えることも含めて、おもしろいものです。あとは自分ひとりではなく、多くの人とコミュニケーションをすることで目標を実現する、集団で何かを成し遂げることのおもしろさですかね。

和田 わかります。「スタッフ推し」のイベントにしたいのは、それが理由なんです。アニメをつくる過程はものすごい数の「人」で成り立っていて、ひとりひとりが本当におもしろい。そんな人たちが集まって、話している雰囲気を味わうことで、アニメ業界の日常が見えると思うんです。アニメ業界という「場」のおもしろさがある。それから、もう少し話を広げると、アニメビジネス全体のなかで、アニメスタジオの可能性が広がっているんですね。大本となるアニメづくりありきの話ではあるのですが、宣伝や商品展開も、全部アニメスタジオから始められるような時代になっている。その変化を見せられたらいいなと思っています。

──要は「SHIROBAKO」で描かれたようなアニメスタジオの姿とは、少し違ってきている?

和田 その視点はなかった(笑)。でも、そうですね。僕たちもMAPPAさんも、あの作品で描かれたようなアニメスタジオの姿とはちょっと違うものを見ながら仕事をしている気がします。ただ、違うものを見ているのは共通なのですが、各社のプロデューサーごとに、見ている先がまた違うんですよ。その違いを浮き上がらせるのも、このイベントの狙いですね。たとえばアニメーションの企画がどうできるかであるとか、そういうところの内側をお見せすると、伝わるのかな、と。

──企画に関連したイベントはおもしろそうですね。たとえばNTの誌上でアンケートを集めて、各スタジオにアニメ化してほしい原作を聞いてみるというのはどうでしょう?

和田 あはは。そういう企画から、逆にちょっとずつスタジオのイメージがつくのかもしれませんね。

大塚 渋い作品ばかりが来そうですね、うちは(笑)。

和田 甲冑が大量に出てくるようなね(笑)。

──どちらのスタジオもハイカロリーな作品どんとこいな感じですよね。

和田 決して狙ってそういう作品ばかり手がけているわけじゃないんですけどね(笑)。

大塚 そこはちょっとアピールしたいですね。いろいろな作品をやりたい。

和田 気持ちはわかります。だからWITも「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」にかかわらせていただいたりして、キッズ向けの作品に参入したりしているんです。本線となるような企画がありつつ、いろいろな作風を手がけたい。

大塚 企画に幅があると、いろいろなタイプのクリエイターが会社に集まってくるんですよね。これはとても大事なんです。

和田 今、企画の方向性が、動画配信会社さん主導の世界のファンに向けたものと、パッケージメーカーさん主導の主に日本国内のファンに向けたものとの両極に分かれている印象があるんです。最近はそこに、ゲーム会社さん主導の企画も加わってきて、さらに状況は混沌としてきて、各アニメスタジオでそこへの対応にも重なるところもあれば、違う部分もある。その混沌のなかで、どう行動してスタジオの選択肢を増やしていくか。そこもまた、今、アニメ業界で働くことのおもしろさでもあって、イベントを通じてお伝えしたいもののひとつでもありますね。

──将来的な目標はどこに?

和田 理想を言えば、細々でいいから毎年やりたいですね。継続性をもちたいから、まずはミニマムスタートで始めようとしているんです。そして、できれば海外にイベントのパッケージをもっていきたい。僕も大塚さんも海外のイベントに出演することが多いんですが、その際に「アニスタミーティング」と銘打って、タイトルと企画をもっていけたらいい。「アニスタミーティングin L.A.」とか(笑)。

大塚 僕としてもまずは継続かなと思っています。でもゆくゆくは、このイベントに参加した制作会社で組んで、何かアニメの企画を動かせたらいいですね。作品を送り出すことで、業界でのイベントの存在感を強くしたい。

和田 一本のゲームを原作に、各社で別々の作品をつくったりとか? それはいいかもしれませんね!!

「アニスタ」の開催の意義を感じてもらえたでしょうか。

現在、イベントのチケットはWIT STUDIOのアプリ「WITアプリ」で発売中。

各スタジオのファンや、アニメ業界を志す皆さんは、今すぐ申し込みを!

●わだ・じょうじ/Production I.Gでプロデューサーとして活躍したのち、WIT STUDIOを設立。現在も同社の代表取締役社長を務める。代表作に「進撃の巨人」「甲鉄城のカバネリ」「魔法使いの嫁」など

●おおつか・まなぶ/STUDIO4℃を経て、'16年よりMAPPA代表取締役に就任。アニメーションプロデューサーとしての仕事も継続中。主なタイトルに「坂道のアポロン」「ユーリ!!! on ICE」「BANANA FISH」など

(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

(C)河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「賭ケグルイ××」製作委員会

(C)ゾンビランドサガ製作委員会  

どろろ(C)手塚プロダクション/ツインエンジン

(C)ANOHANA PROJECT 

(C)KOKOSAKE PROJECT

(C)BNEI/PROJECT SideM 

(C)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会

(C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社・約束のネバーランド製作委員会

(C)TYPE-MOON / FGO7 ANIME PROJECT

【取材・文:前田久】

■「アニメーションスタジオミーティング2019」

【開催日・会場】

2019年1月27日(日) 茨城つくば【前夜上映祭】

MOVIXつくば(茨城県つくば市研究学園5-19 イーアスつくば3F)

2019年1月27日(日) 東京阿佐ヶ谷【アニスタ番外編】

阿佐ヶ谷ロフトA(東京都杉並区阿佐谷南1-36-16-B1)

2019年2月9日(土) 東京秋葉原【リクルートデー】

2019年2月10日(日) 東京秋葉原【ミーティングデー】

東京秋葉原メイン会場:秋葉原エンタス(東京都千代田区外神田1-2-7 オノデン本館5F) 

東京秋葉原サブ会場:ベルサール秋葉原(東京都千代田区外神田3-12-8住友不動産秋葉原ビルB1)

リンク:「アニメーションスタジオミーティング2019」公式サイト

    「WITアプリ」

    (~1月8日までゴールド会員先行、1月12日より一般販売開始)