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【第13回「声優アワード」受賞者インタビュー】助演男優賞 古谷徹さん

2019年04月10日 12:00配信
【第13回「声優アワード」受賞者インタビュー】助演男優賞 古谷徹さん

第13回「声優アワード」で助演男優賞を受賞した古谷徹さん

2019年3月9日、2018年度に最も活躍した声優を称える第13回「声優アワード」の受賞者が発表されました。本稿では、助演男優賞を受賞した古谷徹さんへのオフィシャルインタビューをお届けします。

──まず声優アワード・助演男優賞を受賞した現在のお気持ちをお聞かせください。

古谷 3年前にデビュー50周年を迎えましたが、こうしてあらためて「助演男優賞」という役者としての評価をいただいたのは非常にうれしいです。なにせ僕がいろいろな作品で主役を演じた時代には、声優アワードはありませんでしたから。もし30年前なら、「主演男優賞も狙えたのに」って思ってます(笑)。

──円熟期を迎えた今、新たな展開にもつながる受賞という印象を受けました。

古谷 サラリーマンなら定年退職の年齢ですし、魅力的なキャラクターと出会える機会も以前ほど多くはありません。その中で劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」の安室透が、ブレイクしたことは大きかったと感じています。

──安室透のブレイクによって、古谷さんにはどんな変化がありましたか?

古谷 僕はこれまでヒーロー役をやらせていただくことが多く、ファンの方も比較的男性が多かったんです。ところが安室を演じたことで、女性ファンの方がとても増えました。ただ、安室のファンになるのは理解できるんですが、そこから僕のファンにもなってくださったのは大変な驚きでした。今は人生最大のモテ期ですね(笑)。

──(笑)。安室ファンを指す「安室の女」は大きなムーブメントになりましたね。

古谷 実はファンの中には、幼少期に「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面が初恋だったと言ってくれる方が多いんです。小さいころは、声優の名前なんて意識しないじゃないですか? それが大人になって「私はずっと古谷徹のファンだったんだ!」と気づかれるみたいで。さらにファンのお子さんの中に、もう「安室の女」がいるんですよ(笑)。

──幅広い世代に声が刻まれているのは、長く活躍されている古谷さんらしいエピソードですね。

古谷 これは声優ならではの特徴でしょう。それこそ「名探偵コナン」ファンの小さいお子さんたちが大きくなったときに、またヒーローを演じることも夢ではありませんからね。

──非常に濃い近年だったと思いますが、その中で印象に残ったキャラクターを教えてください。

古谷 まず「ONE PIECE」のサボ。彼も比較的最近出会った役ですが、本当に多くのファンが応援してくださっています。原作自体が息の長い作品ですから、「いつサボが活躍するのか?」と、待ち望んでくださっている方も多いみたいで。今年は活躍すると思いますので、それも楽しみですね。

──「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイも古谷さんの代表的な役ですが、あらためて演じる機会がありました。

古谷 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」で、再びアムロを演じさせていただきました。幼少期はさすがに大変でしたが、15歳の演技は、自分としても自信があります。大きな違いといえば、40年前、自分が25歳のときに演じたアムロは純粋で真っ白でした。あれから僕もキャリアを重ねて、経験を重ねてきましたから、新鮮な気持ちというわけにはいきません。もし新たな映像展開があるのなら、真っ白な気持ちを取り戻すことが挑戦になるでしょう。

──古谷さんの長い声優キャリアの中で、もっとも印象に残っていることをお聞かせください。

古谷 3年前に声優生活50周年を迎えて、日本全国47都道府県、そして海外3カ国含めて、50カ所でイベントを行いました。そのイベントの中で、あるファンの方が「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の台本……、しかも僕が実際に収録で使っていた台本を持ってきてくださったんです。どこで失くしてしまったのか、見当もつかなかったのですが、その方は「これは古谷さんの手元にあるべきものなので、お返しします」と言ってくださって。これは本当に感動しましたし、印象に残った出来事ですね。

──今後のアニメ業界、声優業界に臨むことをお聞かせください。

古谷 これは「クローズアップ現代+」でも取り上げた話題なのですが、中国アニメのパワーは驚異ですね。今、中国は政府がアニメ産業に本腰を入れて、アニメーターや声優の育成にも力を入れているんです。日本のアニメ産業も、もっと頑張ってほしいというのが正直な気持ちです。若い声優たちも世界にどんどん飛び出して、日本のアニメをアピールして欲しいですね。僕はもう20か国以上は行っていますが、アニメや声優を通して、日本という国を好きになってもらうことは本当に大切なことだと感じました。こうした活動が日本の未来や自分たちの子孫にとって、きっと良い影響を与えるだろうと信じています。

──最後に全世代の古谷さんファンのみなさまへ、メッセージをお願いします。

古谷 こうして助演男優賞を受賞することができたのも、自分が演じたキャラクターを熱く支持してくださったみなさんのおかげです。多くの応援のメッセージが、すべて自分のモチベーションにつながっています。心から感謝をお伝えするとともに、今後とも応援をよろしくお願い致します。

●ふるや・とおる/7月31日生まれ。神奈川県出身。青二プロダクション所属。主な出演作に「機動戦士ガンダム」シリーズ(アムロ・レイ)、「ONE PIECE」(サボ)、「名探偵コナン」(安室透)、「巨人の星」(星飛雄馬)など

撮影=田上富實子 取材・文=河合宏之

■第13回「声優アワード」受賞者、受賞作品(敬称略)

●主演男優賞:内田雄馬

●主演女優賞:三瓶由布子

●助演男優賞:古谷徹、三宅健太

●助演女優賞:芹澤優、東山奈央

●新人男優賞:天﨑滉平、石井マーク、落合福嗣、仲村宗悟

●新人女優賞:石見舞菜香、楠木ともり、林鼓子、本泉莉奈、本渡楓

●歌唱賞:ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-

●パーソナリティ賞:諏訪部順一

●功労賞:緒方賢一、京田尚子

●シナジー賞:ポプテピピック

●富山敬賞:山口勝平

●高橋和枝賞:かないみか

●キッズファミリー賞:TARAKO

●特別賞:ちびまる子ちゃん

●外国映画・ドラマ賞:森川智之、甲斐田裕子

●ゲーム賞:東山奈央

●インフルエンサー賞:南條愛乃

●MVS(Most Valuable Seiyu):神谷浩史

※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました。

リンク:「声優アワード」公式サイト