新作&おすすめアニメのすべてがわかる!「月刊ニュータイプ」公式サイト

rssボタン

乾杯の音頭はエクスプロージョン!「BONKLIVE2019~魔都SHINJUKU編~」レポート

2019年10月25日 12:33配信
乾杯の音頭はエクスプロージョン!「BONKLIVE2019~魔都SHINJUKU編~」レポート

「BONKLIVE2019~魔都SHINJUKU編~」より

脚本家の上江洲誠さんが主催・MCを務める、不定期で行われるアニメスタッフによるトークイベント「BONKLIVE(ボンクライブ)」。今回は2019年9月22日に新宿ロフトプラスワンで開催されました、本イベントのレポートをお送りします。

■「舞台 乱歩奇譚」シリーズ完結!

まずは今年8月に完結編が上演された「舞台 乱歩奇譚」三部作について、脚本・演出の鈴木智晴さんとプロデューサーのウネバサミ一輝さんが振り返りました。

8月の舞台は円形状の特殊な劇場で行なわれましたが、鈴木さんは円形劇場の経験はあったので不安は無かったと語りました。ウネバサミさんは、座席が低くて見づらいとの意見を受けて急遽クッションを大量に用意したりと、公演が終わるまでずっと心配しっぱなしだったそうです。

主役の北園涼さんをはじめ若い役者さん達について、年々成長していくさまを実感したとお二人は語りました。アニメと違って舞台は生身の人間が芝居をするので、役者の今に合わせた「今の乱歩奇譚」を作ることを心がけたとのこと。アニメ版と違いコバヤシがハシバにお姉さんぶったりと、役者さん達の関係性から育った芝居になったそうです。

コバヤシ役の高橋李依さんについて、鈴木さんは「シンプルに天才だな」と評しました。演技をセリフよりも立ち方や表情から入っていく、声優ではなく俳優の発想をしているとのこと。千秋楽の日にも演技プランの相談をしてきたりと、ギリギリまで進化し続ける姿勢に驚いたそうです。

舞台版はアニメ版と展開が異なり、特にカガミ刑事のその後が気になる結末になりました。初め鈴木さんはアニメ版に沿った内容にしようとしていましたが、ウネバサミさんと上江洲さんの欲が出てきて、マインドコントロールや宗教等どんどんネタを入れていったそうです。結果として、みんなの満足できる結末にたどり着けて良かったと語りました。

■「ラディアン」2期は男女のもつれと大戦争!?

次に10月から第2シリーズが放送開始するアニメ「ラディアン」について、プロデューサーの藤田裕介さん、比嘉勇二さんが紹介しました。

アニメ「ラディアン」は、藤田さんがフランスの漫画「バンド・デシネ」である原作を知って立ち上げた企画。原作は日本漫画の表現をしつつも難解さがあり、そのフランス人作者ならではの感性が新しいと感じたそうです。原作は移民問題や人種差別を盛り込んでおり、これは海外の人々には身近な出来事です。アニメ化にあたっては表現を調整しつつも、原作のエッセンスは生かして制作されています。アニメ1期がドイツ・ワールドメディアフェスティバルのアニメーション部門で1位を受賞したのは、その辺りを避けずに描いたことも評価されたようです。

原作者のトニー・ヴァレントさんについて、自分の世界観や哲学がしっかりしている人だとお二人は語りました。漫画「ラディアン」は日本の漫画と違い、内容をチェックする編集者がいません。すべて作者一人で作り、出版社は原稿を受け取るだけという作り方です。これは漫画家というより画家、芸術家という扱いだからです。なので先の展開は作者しか知りません。日本でいうところの漫画「ファイブスター物語」のような作り方だと上江洲さんは説明しました。アニメ制作にあたっては、藤田さんが作者に直接確認の連絡を取っているそうです。

楽しい冒険活劇でありつつ重いテーマもあり、子供には難しい内容もあるようです。ですがその辺りは、「子供には今は分からなくても将来の気付きになってくれればいい」と藤田さんは語りました。日本にはない発想の元に制作された本作、2期の放送も楽しみです。

■「このすば!」2年ぶりでもブレないギャグ路線!

次は現在公開中の映画「この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」について、音楽の甲田雅人さん、音響制作の鑰山千代さん、プロデューサーの小倉理絵さんが振り返りました。

甲田さんはTVと映画の違いについて、TVは作った曲を音響監督さんたちが映像に合わせてくれるが、映画では映像を確認してそのシーンに合わせた新曲を作ると説明しました。

まずメインテーマ曲から作り、完成を目指します。この曲がクライマックスでかかるので、この曲の中にある要素を各シーンに散らせて、映画を初めから見てゆくと最後に集大成がドカンと来る計算です。ですが監督のチェックがなかなか通らずに苦労したそうです。曲の発注の仕方は人それぞれですが、金崎貴臣監督の場合は自分の中でイメージが決まっていて、甲田さんはそれを形にすることを求められます。TVアニメ1期1話のツルハシを振り下ろすシーンのように、映像と曲のテンポを合わせることにこだわりがあるそうです。

鑰山さんは音響制作として、TVアニメ1期からずっと声優さんたちのスケジュール調整をしています。「このすば!」はノリが独特で会話の掛け合いが命なので、抜き録りを避けています。今回の劇場版も、全キャストのスケジュールを押さえるために苦心しました。声優さんたちもこの作品の掛け合いの重要さを理解しており、皆さんの協力で集まることができたそうです。

TVアニメ2期が終わった時、この作品が好きで、なんとかこのコンテンツを続けたいと映画の制作を決めた小倉さん。それから2年、大変だったけど楽しかったと、皆さん感慨もひとしおの様子。長い付き合いになったキャラクターたちはもう我が子のようだと語りました。

最後に会場に来ることができなかった金崎監督からの、めぐみんのイラストとコメントが披露され盛り上がりました。

■最近どうよ?(ただしアニメとは関係ない)

そして最後は、岸誠二監督と上江洲さんの近況トーク。

アニメ「ケンガンアシュラ」片原鞘香役の平田真菜さんによるアニメ本編ばりの気合の入った呼び込みで登壇した岸さんは、フィットネス大会「NPCJビーフ佐々木クラシック2019」の「メンズアスリートモデル40歳以上」カテゴリーで入賞したと報告しました。体脂肪率3.0%の岸さんが上半身裸になってポーズをとると、暗黙の了解で筋肉撮影会が始まり、今回もTwitter上に筋肉写真が拡散しました。

それから、Netflixのドキュメンタリーに出演したこと、花守ゆみりさんと専門学校で講義したことを報告しました。お二人とも新規タイトルが動いているそうですが、まだ発表できないようです……。

■そして終幕。

次は来年予定で「空挺ドラゴンズ」原作者の桑原太矩さん、監督の吉平“Tady”直弘さんをお呼びしたいそうで、次回も楽しみです。

今後の開催予定は上江洲さんのTwitter(@uezux)で告知されますので、チェックしてみてください!

【取材・文=山田花名】