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「ミルクボーイ」駒場孝×「ほわころくらぶ」著者クリエイター対談――愛を持ってアウトプットを!

2020年12月10日 12:00配信
「ミルクボーイ」駒場孝×「ほわころくらぶ」著者クリエイター対談――愛を持ってアウトプットを!

「ほわころくらぶ」ぬいぐるみでハイポーズ

11月26日(木)に発売されたコミックス「もっとほわころくらぶ いつもいっしょだよ」の発売を記念して、お笑いコンビ「ミルクボーイ」の駒場孝さんと、「ほわころくらぶ」の著者・えちがわのりゆきさんとの対談が実現。実はテレビやラジオで「『ほわころくらぶ』が大好き」と明言している駒場さん。そのお話は、「『ほわころくらぶ』がかわいい」だけにとどまらず、深いお話まで伺える対談となりました。お笑いとマンガ、それぞれ分野は違いますが、同じクリエイター同士のお話をぜひお楽しみください。

アウトプットに品がある、2人の意外な共通点

――えちがわさんは、過去の記憶や日常のなにげない出来事が漫画に反映されている印象ですが、アイデアが出てこないということはありますか?

えちがわ 何かひとつきっかけを見つけると、アイデアがパッと広がるんですが、そのひとつが見つからないときはよくあって、編集担当さんに相談することがあります。なにかテーマを与えられたほうが、やりやすいときはありますね。その場合は自由さもなくなっちゃうんですけど…。駒場さんは、漫才のネタの主軸となるところはどうやって選びますか?

駒場 僕らは2人でネタを作っているので、えちがわさんとは違うかもしれませんが…。たとえば「コーンフレーク」のネタは、’19年の5月くらいにできたんです(編集部補足:「コーンフレーク」のネタは、’19年M-1の決勝時に披露したもの)。僕と内海と後輩で楽屋にいたときに、後輩が「僕、今ダイエットしてます」って言うんですよ。どんなダイエットなん?って聞いたら、コーンフレークだけを食べて生活していると言っていて、めっちゃおもろいなと。そのときは2人で「へぇ~」って聞いていたんですが、その頃、新ネタライブが近づいていてネタ考えなあかんと話していたときに、「そういえばあいつ、変なこと言うてたな」となって。コーンフレークってそもそも変やんな、なんでやろう…ってそこから始まりました。コーンフレークのあるあるを言い合っていたら、すぐにいろいろ出てきました。ご飯でもないしパンでもないし、でもずっと生き残ってるし…みたいな。

僕らは大学時代からずっと、テーマを設定したネタのかたちで10年以上やってるんですけど、何度も、もうないでってなっていて。「行く行かへん」「やるやらへん」とか動詞から始まって、田舎、都会みたいな名詞、その後いよいよ物の名前でいくかとなって、最初にできたのが「蕎麦」でした(編集部補足:ミルクボーイさんの現在の漫才スタイルの原点ともいえるネタ)。蕎麦や、蕎麦じゃない、絶対蕎麦やのに蕎麦じゃない、みたいな。僕の好きな食べ物がわからへんって設定でおもろかったんですけど、自分の好きな食べ物がわからんって意味わからへんなとなって(笑)。

’18年くらいに、誰かが忘れている設定じゃないと変やなとなって、おかんが入ってきて、そこからめっちゃ伝わるようになりました。ネタを作るときは、もうないやろって何度も繰り返しながら、絞り続けてる感じですね。今は、ちょっと日陰っぽいやつを選んでいます。たとえば滋賀県とか(笑)、堂々とおるけど意味わからんっていう、絶妙なやつをずっと探してますね。よく、僕らの漫才は傷つけないって言われるんですけど、ネタ的には傷つけてると思います(笑)。コーンフレークも、ケロッグさんがおもしろがってくれましたが、社長が腹立ててもおかしくないですし。

えちがわ 人を傷つけないっていうのは、(ミルクボーイの)お2人が持っている品だと思うんですよ。何にでも、人間性ってにじみ出るので。駒場さんと何度かメールのやりとりをさせていただいていますが、偶然僕たちは生い立ちがちょっと似ているところがあったりして、いろいろ聞いていると、家族や周りの方にすごく大切にされたんだなぁと。だからこそ(の品)だと思うんです。

駒場 ほわころちゃんも上品ですもんね。変なことしてますけど(笑)。僕もほわほわしてるんですかね…。

――品のよさ…、お2人の共通点ですね。

えちがわ ミルクボーイさんのネタは、全部絶妙なネタ選びですよね。そんなにわからなくてもちゃんと笑えるっていうところが芸というか、すごいと思います。

駒場 ただ、若い子たちの前だと伝わらない場合があります。オーバーオールのネタがあって、マリオとかビッグボーイみたいなオーバーオールってなんやねんっていう話なんですけど、今はおしゃれなオーバーオールがあるので…。でも、なんやねんこれっていうのはテーマとして探すようにしています。

えちがわ 僕の場合は、必ず自分が好きなものをテーマにしています。駒場さんたちにもそういうのがあるのかなと思って。愛情があるからこそ、誰かに投げかけたときに下品にならないのかなと思います。

駒場 それで言うと、コーンフレークも2人でパッケージの裏にある成分を細かなところまで見たりしましたね。生産者さんの顔も、「生産者の顔が浮かばへん」って呼び捨てにしないとか。“さん”付けしているあたり、逆に皮肉っていていやらしいんですけど、ちゃんとリスペクトがあるように聞こえるかなって。そういうのはあるかもしれないです。ストレートに悪いことは言わないっていう。

――職業は違っても、愛を持ってアウトプットするスタンスは同じだと思いました。

駒場 世の中を変わった目で見てるんやと思います。えちがわさんは良い意味でめっちゃ変わってるというか、目の付けどころがおもしろいです。

えちがわ 僕、もともと自分をふつうでおもしろくないと思っていて…(笑)。そうやって言っていただけて恐縮です。ありがとうございます。

この対談の様子は、発売中の「ニュータイプ 2021年1月号」でも掲載中です。また別の角度から語り合っている対談をお楽しみいただけます。

【文:脇知佳、カメラマン:楠本夏彦】