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JAM Projectドキュメンタリー映画公開記念インタビュー【後編】「去年歌えなかった分の100倍返しじゃ!」

2021年02月15日 10:00配信
「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」は2月26日(金)~3月11日(木)に公開

「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」は2月26日(金)~3月11日(木)に公開

(C)2021「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」FILM PARTNERS

影山ヒロノブさん、遠藤正明さん、きただにひろしさん、奥井雅美さん、福山芳樹さんというアニソン界のビッグアーティストが集うユニット・JAM Project。2000年の結成以来、これまで数々の挑戦を続けてきた彼らのドキュメンタリー映画「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」が2月26日(金)から3月11日(木)に公開されます。今回は、そんなアニソン界“初”の快挙をまたもや成し遂げた5人へのインタビューを2回にわたってお届け。後編は前回に続いて本作の見どころ、そして思い出のライブついて語ってもらいました。

――遠藤さんと福山さんの、映画の印象的なシーンを教えてください。

遠藤 ライブで行ったニューヨークで、公園を何気なく歩いてるところかな。普段、海外に行くと意外と分刻みでいろんな取材が入るので全然観光できないんですよ。でもニューヨークではこの映画のおかげでゆっくりできたんです。だから公園をこの5人で歩いてる姿は、意外と新鮮でした。

影山 リス園ね(笑)。

遠藤 セントラルパークです(笑)。

福山 僕は最初にオープニングとして流れる「SKILL」です。

――ライブ定番の代表曲「SKILL」から始まるのは驚きました。

福山 そこで「最初から「SKILL」なんて流れてどうするの?」と思っちゃったけど、途中から過去のライブで「SKILL」を歌っている映像がたくさん出てきて「すみませんでした!」となりました。「これだけの歴史があって今があるんだな」と感じられて、もう最初から感動しました。

きただに 本当に昔の映像もあって、「若っ!」ってなりましたね。

福山 「JAM Projectってどんな人たちですか?」と聞かれたら、あの「SKILL」のシーンを見せればわかってもらえるんじゃないかと思うくらいです。

――ライブと言えば、映画の中できただにさんが思い出深いライブとして、突発性難聴から復帰して行われた2018年の海外ツアーの韓国公演を挙げられていました。ほかのみなさんの思い深いライブを教えてください。

きただに みんなそれぞれあるでしょうが、UAEのアブダビのアニメフェスは特に覚えているんじゃないですか。日本人アーティストとして僕らとFLOWが行くことになって、宗教的なこともあってどうなるんだろうという不安もあったし、逆に楽しみもあったし……福ちゃんは2008年の東京NHKホール(福山さんが転倒して鎖骨を骨折した公演)でしょ?

福山 あの公演の映像をこないだ久々に観て、またちょっと痛みが……でも痛みと言えば2012年のくも膜下出血したときもだね。あのときは「もうしばらく歌えねえだろうな」「もしかしたらもうこういう仕事はできないのかな」と思っていたから、そこから復帰してJAMで歌った仙台の「みちのくアニソンフェス 2012~EASTERN GALE~」と神戸大学学園祭は「まだやっていける」と思えたからよく覚えている。

きただに あの大雨の。

福山 そうそう、土砂降りでぬかるみだった神戸大学。ファンの「お帰りなさい」って言葉が嬉しかった。でも入院している間にアニメタルUSAとのライブと、JAMでの南米ツアーに出られなかったのはいまだに悔しい。

きただに 突然のことだから仕方ないですよ。僕の場合はどう考えても仕事に支障が出る病気で、治るかどうかもわからなかったからすごく不安だったし……。

福山 僕も生きるか死ぬかだったからね。

――奇しくもふたりとも苦難を乗り越えた、“GET OVER”した公演ですね。

奥井 私は、楽しかったと言うと怒られるけど、出演できなかった福ちゃんの代わりに歌ったそのアニメタルUSAとのライブはよく覚えてます。

影山 あれは面白かったよね。福ちゃんは2日前に入院して出られなくなったけど、その前のリハではギターのクリス・インペリテリに楽しそうにコード教えてあげてて。

福山 インペリテリがコードを床に書いてたから、「ここはこうですよ」とか教えて。「俺、インペリテリにコードを教えてる」って少しドキドキしてたんですよ。

奥井 でもその頃から病魔が潜んでいたんだろうね。

福山 でもその頃はジムも行って、タバコもやめて3年目くらいで絶好調だったんですよ。その前週の韓国の麗水(ヨス)でのイベントとかも。

影山 涙の麗水か、あれも覚えてるなあ。俺は2009年に武道館で初めてやった時はすごく感動したな。それ以外で「これは最高だぜ」と思ったのは2015年に神戸ワールド記念ホールと横浜アリーナでやった15周年記念ライブ。会場の中央にステージがあってお客さんが360度入ってて。

奥井 影山さんがMCで「365度」って言い間違えたやつですね(笑)。

影山 あの景色はファンがあそこまで連れてきてくれたからこそ見れたものだった。しかもブラジルのファンも来てくれてたんだけど、その子が「YOUは何しに日本へ?」に出演してて、ほかにもアジア各国のファンの子も来てくれてインターナショナルな気持ちだったのもあるし。本当にみんなで15周年をお祝いしてもらえて嬉しかったです。

遠藤 聞いているとどれも懐かしい。だけど僕が一番思い出深い、というか鮮明に覚えてるのは先日の配信ライブ(2021年1月の日清食品 POWER STATION [REBOOT]でのライブ)ですね。

奥井 本当についこないだやん。

遠藤 またこのメンバーで集まって、あの大きさの会場でバンドを背負って歌えると思っていなかったので実現できてよかったです。配信でしたけど、年明けからああいうステージができてモチベーションが上がりました。

――あの配信ライブで行なわれた、20分近い「スーパーロボット大戦」楽曲の10曲メドレーは本当に心が揺さぶられました。それでは最後の質問です。映画ではJAM Projectがこれまでずっと挑戦し続けたユニットだと改めて感じましたが、今後はどんなことをしたいか教えてください。

影山 映画でも少し出てきますが、20周年ツアーを発表してチケットを売り出したあたりで、俺たちもスタッフも「もう、さんざっぱらやってきたよな」というムードが少しあったんです。なんかこう……。

奥井 マンネリ?

影山 そう、ずっとマンネリズムと戦って。曲を作っていても「みんなが思うJAMってこんなんだよな」とか自分で作った既成概念みたいなものに囚われちゃって。「ここまで一所懸命やってきたけど、これからどうしよう」みたいな気分もあったし、「みんな体力的にもしんどいし」という話もあったし。そんな中、コロナ禍で20周年のライブも全部なしになって。

――本当に残念でした。

影山 でも映画の最後のインタビューで、みんなが「もうやるしかないでしょ」と目を輝かせていたように見えて、僕はすごくポジティブな印象を受けました。少なくとも自分はもう、JAM Projectの未来に対してめっちゃポジティブです。それはマンネリの中で感じた「同じようなことばかりずっとやってきて……」という気持ちの裏返しで、「自分たちにしかできないスタイルを、もっと強烈に、ストロングな形で確立したい」という思いなんですよ。そして「それを作って、早くみんなの前で歌いたい」というアーティストとしての強烈な欲望が湧いています。もう「去年歌えなかった分の100倍返しじゃ!」みたいな。

きただに T〇S!

――(笑)。

影山 今はそれくらいの思いがあります。自分たちだから辿り着ける、未知の領域を開拓したいです。

きただに ここから新たなる進化へのスタートですよね。僕は、これだけ歌えない期間があったからこそ、改めてファンのありがたさに気付いたんです。みなさん、やっぱり「会いたい」「ライブ見たい」「飛びたい」と思って待っていてくれている。がんばる理由はそれだけで十分じゃないですか。そういう人たちのためにこれからもっといい曲を作って、いい歌を歌って挑戦し続けていきたいです。

奥井 長く続けていくとマンネリズムとの戦いもあるし、若い頃にたくさんあった目標や目指していたものが、いつか当たり前になっていることもあって。もしかしたらファンの中にも「またこういうライブやるでしょ」と思っていた人もいるかもしれないけど。でも2020年にコロナでライブができない状況になって、「ライブをすること、曲を作ることやCDを出せることは当たり前じゃない、奇跡的なことなんだな」「みんな50を過ぎてもこんな風に音楽をやらせてもらえているのは普通じゃないことだ」と考えるようになりました。これまでわかっていたつもりでもわかっていなかった。だからこれからはエネルギーも命も込めて曲を作りたいし、ファンのかたにもライブやツアーができるようになったら必ず見に来ていただきたいです。

遠藤 やっぱり、まずは今ここを乗り越えなきゃいけないですよね。映画を撮っていただいた時にはみんな前向きに乗り越えようとしていたし、それは今もそう。今後はどうなるかわからないから、もしかしたら誰かが倒れるかもしれない。でも僕らはたぶんこの繰り返しで、いろんな壁を乗り越え続けていくんでしょうね。

福山 全部乗り越えたあと、コロナが去ったあとにこの映画が、「このときはこうだったね」と笑って振り返れるような未来にしたいですね。「あのときはまだ乗り越えてる途中だったね」って。そして乗り越えたあとも、まだまだ未来はあるというのを実感できる未来にしたいです。

【取材・文:はるのおと】

『GET OVER -JAM Project THE MOVIE-』
2021年2月26日(金)~3月11日(木)まで2週間限定ロードショー
【CAST】
JAM Project:影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹
Guest Artist:ALI PROJECT/angela/GRANRODEO/FLOW/梶浦由記
【STAFF】
監督:大澤嘉工/製作:井上俊次、二宮清隆/企画:松村起代子、宇田川美雪/プロデューサー:高橋義人/撮影:脇屋弘太郎、西岡章/録音・音響デザイン:石寺健一/オンライン編集:波江野剛/ラインプロデューサー:安養寺紗季、原啓介/制作:東北新社/配給:東宝映像事業部

リンク:映画「GET OVER -JAM Project THE MOVIE-」公式サイト
     公式Twitter・@JAMProject_eiga