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2017年にデビュー5周年を迎えた春奈るなさんが6月21日(水)に3枚目となるフルアルバム「LUNARIUM」をリリースします。2012年のデビュー以来、ライブに音源リリースにと第一線を走り続けてきた春奈さんの普遍的な一面と新しい一面、どちらもがギュッと詰まった、上質な夢を見せてくれる一枚。集大成とも呼べるすばらしいアルバムを完成させた春奈さんに、アルバム録り下ろし曲を中心に、デビューからの気持ちの変化などを含めてお話をうかがいました。
――2年半ぶりとなる3rdアルバム「LUNARIUM」。まずタイトルがすばらしいですね。春奈さんの集大成的な位置づけになるのかなと感じました。
春奈:ありがとうございます! このアルバムを制作している時はデビューからの5年をふりかえる事も多かったんです。それでアルバム名に自分の名前を入れたいなって思って。タイトルはアクアリウムやプラネタリウムの“リウム”を自分の名前と掛け合わせて「LUNARIUM」という造語にしました。この一枚を水槽やシアター(劇場)に見立てて、その中で春奈るなが表現する、というイメージで、タイトルからすごくこだわらせていただきました。
――シングル曲もたっぷり入っていますが、アルバム曲も名曲揃いです。特に3曲目の「MONSTER」はとてもかっこいいですね。作詞・作曲・編曲の重永亮介さんは藍井エイルさんの楽曲を数多く手がけた方ですね。
春奈:今までこういうポップでありながらもロックな楽曲ってなかったので、また新しい春奈るなを表現できるのかな、というワクワク感がすごくありましたね。
――5曲目「美しきセンティメント」、6曲目「NAKED HEART」、7曲目「PURPLE LOVE(Solo Version)」と作詞・大塚利恵さん&作曲・津波幸平さんのタッグ曲が続きます。
春奈:このお二人にはプレデビュー曲でもある「微熱の月」という楽曲から書いていただいていて、曲ごとにぜんぜん違う世界観を見せてくださるので、私も驚きと刺激を受けて「じゃあ私もこんな表現でがんばってみよう」という気持ちになります。
――長い付き合いであって、守りに入らず新しい一面を開拓してくれるコンビなんですね。6曲目となる「NAKED HEART」はアップテンポのグルーヴ感に溢れた曲ですね。
春奈:この曲はだいぶ大人っぽいですよね。ライブで人気の曲「狂想リフレイン」(※オリジナルアルバム「OVERSKY」収録曲)と対になる曲で、「狂想〜」に続く曲がほしいと思って生まれました。もともとずいぶん前からあった曲で。メロディーがすごくよくて「LUNARIUM」に入れたいなと思って、大塚さんの歌詞で仕上げていただきました。
――9曲目「Fly Me to the Moon」は80年代風アイドルポップという、春奈さんらしい一面に溢れた曲です。
春奈:そうですね。「ステラブリーズ」にも80年代的なコード進行が使われているんですが、この曲もすごくしっくり来ました。歌詞の内容はカフェの店員さんに恋をするというお話なんですけど、私的にはそういう恋のお話は妄想の中でしか有り得ないと思っているので(一同笑)、女の子の気持ちを探しながら歌うのがすごくたのしかったです。
――10曲目の「純真クライシス」はドラムがカッコいい尖った楽曲ですね。
春奈:ライブでみんなと掛け合いするような曲が春奈るなの楽曲には少なかったので、ライブ映えする楽曲として制作しました。お客さんとコール&レスポンスをたのしみたいなって。「PURPLE LOVE」にもそういう思いが入ってます。
――ライブ中のお客さんのリアクションはやっぱりパワーをもらえたりしますか?
春奈:すごいもらえます! ペンライトを振ってくれている姿だったりとか、声を出してくれたり、曲に合わせて持つ物を変えたり。「ラムネセカイ」(※「Starter」EP収録曲)という楽曲ではラムネの空き瓶を持ち出して振ってくれる人とかいて(笑)、そういう変化を探したり、応援してくれている人がこんなにいるんだ!って再確認してます。
――お客さんのことを結構見てるんですね。
春奈:すっごい見ますね。私がいろんなライブに通っていた頃、目が合うだけですごくうれしかったんです。だから私もひとりひとり目が合うように心がけて歌ってます。伝えている人が目の前にいるんだ、って意識しながら歌いたいという気持ちがあって。みんなの顔が見えてるとたのしくライブができますね。
――バラードとなる12曲目「REASON」はどんなお気持ちで歌ったのでしょうか。
春奈:久々のバラードですね。バラードを歌うのはすごく好きで、スローテンポだったりいい意味での音数の少なさが、伝えたいことを鮮明にしてくれる気がして。この曲は歌詞が壮大なので、包み込む優しさといったものを大事にして歌いました。
――このアルバムを通して、春奈さんのお気に入りのポイントはありますか?
春奈:好きな曲の流れがあって「Ripple Effect」から「美しきセンティメント」に繋がる流れです。「Ripple〜」は海の上のお話、「美しき〜」は深海のお話で、水面から深海に潜っていくその瞬間を感じることができて、自分で聞きながらも「この流れ、いい〜!」ってなっちゃう場所ですね。
――アルバムの初回生産限定盤にはハワイで撮り下ろした48ページの豪華フォトブックが付いてくるそうですが、どんな内容になっているのでしょうか。
春奈:「Kawaii kon」というイベントで4月にハワイに行かせていただいた時に撮った写真が詰まってます。だいたい春奈るなとハワイってなかなか結びつかないじゃないですか。アキバじゃなくてハワイですよ(笑)! ライブは屋内だったので、撮影ではビーチで水着になったりココナッツジュースを飲んだり、ハワイを感じる時間を過ごしましたね。新しい春奈るなを感じていただけるんじゃないかと思います!
――デビューから5年を経て、歌と向き合う気持ちが変わったという実感はありますか?
春奈:歌に対しての思いだったり、誰に向かって歌うべきなのか、というのが鮮明になりました。デビュー当時は厨二的な自己満足とかかっこよくいたいという気持ちがどこかにあったんですけど、いろんなお客さんに会ったりライブを重ねるたびに、「私は目の前のこの人たちに音楽を伝えたいんだな」という気持ちが芽生えて。この5年ですごく変わったと思いますね。
――ありがとうございます。改めて「LUNARIUM」を作り終えて、どんなお気持ちですか?
春奈:すごくいいものができたなって単純に思います。いろんな世界観を持った楽曲が収録されていて、自分の伝えたい事を詰めこむことができた一枚になったと思うので、いろんな人に聴いていただきたいです。できればヘッドホンとか、音のいい環境で聴いてほしいですね。このアルバムを通して、今年も全力で”るな充”してほしいなって思います!
【取材・文=細川洋平】