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現在、好評放送中のTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」。その放送を記念して、スタッフ&キャストによるリレー連載をお届けします。
第4弾は、OPテーマを担当するダンス&ヴォーカルユニット・MADKIDの5人が登場。ヴォーカル担当のYOU-TA、KAZUKI、SHIN、そしてラッパーのLIN、YUKIは、初のアニメタイアップ「RISE」にどんな思いを込めたのか。楽曲制作の裏側に迫ります。
――実際にOP映像をご覧になってどんな感想をお持ちになりましたか? 自己紹介とあわせて教えていただけましたら。
YOU-TA リーダー、メインヴォーカルのYOU-TAです。僕らの楽曲が映像作品に使われる経験は初めてだったので、OP映像を見たときは鳥肌が立ちました。映像もカッコよかったですし、何より映像から自分たちの声が聞こえてくるというのが感動的でした。
KAZUKI ヴォーカルのKAZUKIです。僕も映像を見た瞬間、「ホントに自分たちの曲が流れてる!」ってテンションが上がりました(笑)。楽曲と映像の疾走感がリンクしているのも最高にカッコよかったです。
LIN ラッパーのLINです。自分たちの曲が流れていますけど、正直、今でも実感があまりなくて……。もともとアニメが好きなので、自分たちがアニメのOPテーマを飾っているのが不思議なんです。他人事みたいですけど、ただただ「すごいなぁ」と。
SHIN ヴォーカルのSHINです。放送が始まるまでまったく実感がなかったんですけど、やっと放送がはじまって「すごいことになったな」と。みんなが言っているように、単純に自分たちの曲が、声が、TVから流れていることが嬉しかったです。「感動した」のひと言に尽きますね。
YUKI ラッパーのYUKIです。僕もアニメが好きなので、自分たちの曲がこういった形で聴いてもらえることが嬉しかったです。曲と映像のリンクも面白かったですが、「こういう映像でくるんだ」という、自分には想像できなかった視覚的な演出が新鮮でした。
――「盾の勇者」をご覧になって、どんなところに魅力を感じましたか?
LIN 「異世召喚作品」ってたくさんあるので、ほかの作品とどう差別化されるのかなと思ったんですけど、まさかここまで何も持たない主人公だったとは……という感じですね。あまり見ないタイプの主人公だったので、新しいなという印象を受けました。
KAZUKI 実は僕らの活動初期と重なる部分があって、そこに共感しました。活動を始めたばかりの頃って、お客さんもほとんどいない、ライブを作るのも僕たちのみという環境だったんです。でも、そこから応援してくれる方、関わってくれる方がどんどん増えていって。自分たちとすごく重なって見えますね。
SHIN タイトルが「成り上がり」ですし、物語でもどんどん逆境を跳ね返していきますよね。見ていて力をもらえますし、自分たちももっと頑張ろうという強い意志をもらいました。メッセージ性の強い作品だなと思います。
YOU-TA どん底に突き落とされて、マイナスからのスタートして、まわりは胸クソの悪い人ばかり(笑)。でも、そこから這い上がろうとする。僕が大好きなタイプの作品です。作品そのものに感情移入しましたし、KAZUKIが言ったように何もない状態から始まった自分たちと重なる部分もあって。自分と照らし合わせて見ています。
YUKI 「異世界召喚作品」はあまり見たことがなかったので、新鮮な気持ちで見ています。異世界に召喚されて「ここは異世界か!」ってすぐに理解するところも面白いですし、主人公が「守ること」に特化しているのも珍しくてワクワクしました。今、かなりのめり込んでいます。
――楽曲を制作する上で、製作サイドからリクエストなどはあったのでしょうか?
YOU-TA ロックテイストで、というリクエストがありました。
YUKI あとは、作品に寄せつつも完全に作品そのものをテーマにしなくていいので、「成り上がり」というテーマを表すような歌詞にしてほしい、と。
――楽曲制作は5人全員でやられているんですか?
YOU-TA そうですね。基本は全員で制作していくスタイルなんですけど、この曲に関してはLINとYUKIが中心になってくれました。
LIN 作品を読んだときに、自分たちの境遇と似ているところがあったので、湧き出るものをそのまま書いてみたら曲と作品が自然とリンクしたのか、アニメの制作チームの方に「こんなに寄せてもらっていいんですか?」と言ってもらえたんです。
YUKI 今思うと、もともとアニソンが好きなこともあって、最初はちょっとだけ構えすぎたところがあったかもしれないですね。思った以上にアニメに寄せてしまったかな、と。ただ、みんなで制作していく中で自分たちらしさをしっかり入れることができました。
――レコーディングはどうでしたか?
YOU-TA 歌っていて単純に楽しかったですし、MADKIDの曲の中でもベストを更新できたかな、と。ロックテイストって今までやったことのないテイストだったんです。にも関わらず、MADKIDっぽさがしっかり出たクオリティの高い仕上がりになりました。
KAZUKI 初めてのロックテイストだったので、僕はかなり苦戦してしまって(笑)。ただ、作品のイメージと曲の力強さに後押しされて、結果的に納得のいく出来になりました。
SHIN 僕は気持ちが込めやすかったですね。テクニカルな部分はあるんですけど、僕らと重なる部分、成り上がっていくイメージを歌詞でも表現してくれているので、すんなり入り込むことができました。
YOU-TA あと難しかったと言えば、海外配信で使われている英詞バージョンですね。「盾の勇者」がグローバルに展開していく作品なので、「RISE」にも英詞バージョンがあるんです。発音したことのない単語が多かったですし、譜割りももとの歌詞より変則的になるので大変でした。特にKAZUKIが苦戦してたよね?
KAZUKI 全部が英詞っていうのは初めての経験だったからね。ただ、気合いは十分だったので、なんとかそれで乗り切れました。
――すでに放送も始まり、MADKIDのライブでも「RISE」を披露されています。ファンの方の反応や皆さん自身の手応えはいかがですか?
YOU-TA ファンの方の反応はすさまじくいいですね! ホントに嬉しい限りです。それと同じくらい嬉しかったのが、アニメを見て僕たちのファンになってくれた方がリリースイベントに来てくれたことです。今までの僕らにはなかったアプローチだったので、アニメタイアップの力というものを実感しました。
KAZUKI 個人的な手応えでいうと、ダンスへのこだわりがそのまま形になったことですね。ダンスを完璧に揃えようという意識が今回は特に強くて、MVのテストショットのときからパフォーマンスに手応えがあったんです。映像を見たときは「こんなに揃えられるんだ」ってちょっとした達成感がありました。
LIN 「RISE」はキー(の高さ)も攻めていますし、ラップも三連符がずっと続く部分があってビートに対するアプローチが難しいんです。今回はそれが自分たちにできるのかという挑戦でもあったので、レコーディングでもライブでもそれを乗り越えられて、スキルアップを実感することができました。
SHIN ファンの方に一緒に盛り上がってもらえる曲、パフォーマンスを目指していたので、ライブでの盛り上がりを感じたときは、いい曲に仕上がってよかった、俺たちすごいって思いました(笑)。あとはアニメタイアップということで、僕らに注目してくれる方がたくさん増えたのが単純に嬉しかったです。
YUKI 今回もいい反応はいっぱいあったんですけど、いつもと違ったのは具体的な感想がたくさんきたことなんですよね。「この部分がカッコいい」とか「生音は違う」とか。ちゃんと聴いてくれているんだというのが伝わってきましたし、僕らのこだわりも届いたんだなって嬉しくなりました。
KAZUKI あと海外の方の反応も多いよね。いろんな言語でメッセージをいただくんです。
YOU-TA WebNewtypeで(田村淳一郎)プロデューサーさんのインタビューを読ませてもらって、吹き替えは今は日本語と英語しかないけれど、そのほかの言語も検討したいと話していたのが印象的だったんです。ぜひやってもらいたいですし、なんなら僕らも韓国語とかほかの言語で歌いたいくらいですね。いろんな国の方が見てくれているなら、僕らもその期待に応えたいという思いがありますから。
――では最後に、今後のMADKIDの野望と「盾の勇者」のファンの方へのメッセージをお願いします!
YOU-TA 今まで僕らのようなダンス・ヴォーカルとアニメってなかなか交わることがなかったと思うんです。せっかくこうして交差できたのなら「盾の勇者」のファンの方にも、ぜひ僕らの音楽に興味を持ってほしいですし、ライブにも来てほしいですね。いつも応援してくれる方、アニメファンの方、そして世界中の音楽好きが僕らのライブを見にきてくれる、そんな野望を叶えたいです。
KAZUKI 毎週「RISE」を聴いてくれて、「RISE」を好きになってくれて、ありがとうございます。ぜひ、僕たちのライブに遊びにきてください。野望は……海外でもイベントやライブを開催したいですね。僕たちもここから成り上がってやるぞという気持ちでいます。
LIN ライブに来てほしいという気持ちはみんなと一緒ですけど、それに加えて自分はアニメが好きなので、アニメの話がしたいという方にも遊びにきてほしいですね(笑)。一緒に語りましょう。日本、世界に限らず、MADKIDの音楽を聴いてくれる方の数を増やしていくのが、ずっと変わらない野望です。
SHIN まず野望は、MADKIDのこのメンバーで何か賞を獲れるように頑張りたいです。やっぱり音楽活動をしているからには、自分たちの名前を残していきたい。個人的にそういう目標があります。これから先も「盾の勇者」とMADKIDを愛していただけたら嬉しいです。
YUKI MADKIDはインディーズの頃もメジャーデビューしてからも、全力で音楽をやり、パフォーマンスレベルを上げていくという気持ちに変わりはないので、これからもガンガン成長して成り上がっていくつもりです。もしかするとアニメで僕らを知った方の中には、ダンス・ヴォーカルのライブはハードルが高いと思う方もいるかもしれませんが、そういう壁なんて関係なく盛り上がれる曲ばかりなので、ぜひ遊びに来てください。
【取材・文:岩倉大輔】