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TVアニメ「プランダラ」ED主題歌アーティストインタビュー「『Reason of Life』はみんなでバトンをつないでいくような、女の子たちの曲」

いよいよシリアスな展開を迎えた後半戦のTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeのリレーインタビューでは、本編のドラマを優しく包み込むエンディングテーマを担当する陽菜役 本泉莉奈さん、リィン役 小澤亜李さん、ナナ役 伊藤静さんにお話を伺いました。「Reason of Life」に込めた想いとは?

――「プランダラ」という作品にここまで関わってこられた皆さんの感想をお聞かせください。

本泉 ここまであっという間だったし、第2クールからが本番というか、物語の核に迫るような深い掘り下げ回が続いていて、「いよいよ」というエモい気持ちになっています。

小澤 本ちゃん(本泉)と同じく、ここまであっという間で「過去編」では学生生活をしながら青春を送っている感じではあったんですけど、同時にシリーズ全体のなかで大事なシーンをやっているところだなと重要さを噛みしめていました。

伊藤 第2クールでナナはまた新しい側面を見せました。第1クールでナナがリヒトーとともに旅をしてきた理由がわかる、胸が熱くなる展開でしたね。私たちはすでに最終回まで収録を終えているので、この先の展開を「早く見てほしい」という気持ちもあるし、「最終回がもうすぐ迫ってくる、終わらないでほしい」という気持ちもありますね。

――ED主題歌「Reason of Life」の第一印象をお聞かせください。

第2クールED「Reason of Life」6月17日(水)発売
第2クールED「Reason of Life」6月17日(水)発売(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


本泉 元気が出るなって曲でした。私なりの解釈ですけど、ビタミンみたいな感じがありました。

小澤 きれいな曲だなというのが第一印象だったんですけど、同時に「プランダラ」に出てくる「女性たちの歌」だとも思いました。「プランダラ」の女の子たちって、みんなの弱いところを支えるシーンが多いなという印象があるので。温かい歌になるといいなと思っていました。

伊藤 最初は元気だけど、ちょっとせつなげなところもあったりして。希望のある未来を見つめていく、聴いていても元気が出ますし、頑張ろうと思える曲です。

――レコーディングはいかがでしたか。3人の歌いわけもあったと思いますが、どんな順番でレコーディングを行ったのでしょうか。

伊藤 リィン(小澤)が最初で、私が次、陽菜(本泉)が最後にレコーディングしました。

小澤 リィンは元気なキャラクターなので、この曲の雰囲気に声を合わせていくのが難しかったです。本当は裏声で歌ったら柔らかく聴こえるところも、ガツンと聴かせた方がいいと思ったので声をオン(地声)にして、リィンの真っすぐさや力強さを出せたらと思って。曲全体に「いっしょだよ!」みたいな明るさを出せればいいなと考えながらレコーディングしていきました。

伊藤 亜李ちゃんの歌声がすごくリィンなんですよ(笑)。本編でのリィンも好きだったんですけど、このレコーディングでより好きになりました。リィンかわいい!

小澤 うれしいです! 

本泉 すごくわかります! めっちゃリィンでした。

伊藤 そうそう。思った以上にリィンで、リィンといっしょに歌っている感じがあって、すごく楽しかった覚えがあります。リィンは元気だし、(自分のあとにレコーディングする)陽菜は癒し、優しい感じで歌うだろうなと思っていたので、雰囲気を変えたいなと思って。ナナは過去に事件があるキャラクターなので、せつなさをにじませつつも、のびやかに。開放されていく感じで歌いました。

本泉 その感じめっちゃ伝わりました。

伊藤 ナナにとってはキーの高い曲だったんですが、Aメロ、Bメロにはナナとしての情感を込めつつ歌って、最終的には2人(陽菜とリィン)に手を引いてもらっているイメージになるといいなと思っていました。レコーディングはすごく楽しかったのですが、同時に3人揃って歌いたいなとも思いました。

本泉 私はレコーディングを始める前に、お2人の歌声を聴かせていただいたんです。2人の歌声がリィンとナナさんの声そのものだったので、とてもイメージが湧きやすかったですね。ありがたかったです。(伊藤)静さんがおっしゃったとおり、3人それぞれめざす方向が違う曲になるんだろうなと思って、歌う時は、スタッフさんと話し合いながら方向性を決めました。

――本泉さんは第1クールのEDも担当されましたが、今回の「Reason of Life」はどのような気持ちで歌われましたか?

本泉 第1クールのED「Countless Days」は「寄り添う気持ち」を歌っていたのですが、今回の曲「Reason of Life」も同じイメージがあって。「Countless Days」のときはリヒトーさんの手を取って「無理をしないで」「みんないるよ」という想いを込めていたんです。「Reason of Life」は「手を引っ張っていく」ようなイメージがありました。Dメロに「So, Life is beautiful」という歌詞があって、そこは扉が開くような明るいイメージがあるんですが、私としてはすごく深い部分だなと感じていて。リヒトーさんの人生の重い部分や哀しい部分を全部抱えたうえで「人生は美しい」と言っているのだと思ったら、泣きそうになりました。みんなで生きていこうという気持ちが伝わるなと。そこが特に印象深いところです。

伊藤 2人で声を合わせて歌うところは、そこを意識しつつ歌っています。ソロバージョンも録っているので、それぞれの歌い方を聴いてほしいなと思っています。

本泉 第2クールからの本編の流れやキャラクターの関係性も「女子が強い」印象があったので、そのあたりも表現できたらなと思いながら、歌わせていただきました。

――完成した楽曲を聴いていかがでしたか?

本泉 完成した音源を聴かせていただくと、キャラクターたちがバトンをつないでいる感じがありました。

小澤 各々のキャラクターによって、歌詞のどこを立てるかが違うんだなと感じました。ソロバージョンを聴いたら、きっと雰囲気がみんな違うんだろうなと思いました。

伊藤 ソロバージョン、早く聴いてみたいね。

――エンディング映像をご覧になった感想をお聞かせください。

「プランダラ」エンディング映像より
「プランダラ」エンディング映像より(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


<「プランダラ」エンディング映像より>

本泉 みんな前を向いていますよね。曲に合っているなと思っていました。

小澤 曲がさわやかなので、学校生活を送っている「過去編」ではすっきりとさわやかな気分を味わえるエンディングだったと思いますが、戦いが激しくなる第2クールの後半では、同じエンディング曲に違う印象を受けたり、いろいろな感情を味わっていただけているのではないかなと思っています。

「プランダラ」エンディング映像より
「プランダラ」エンディング映像より(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


伊藤 いろいろ起きたあとに、このエンディングを見ると浄化されるみたいな。

本泉 それはありますね。

伊藤 (「Reason of Life」は)いろいろあるけど「みんな大丈夫!」って曲なので。

小澤 そうですね。きっと元気が出ると思います。

――放送では陽菜やリィンたちは過去から帰ってきました。陽菜、リィンのお2人から改めて「過去編」の印象をお聞かせください。

本泉 「Reason of Life」が流れる「過去編」は、舞台が変わるんですが、みんなそれぞれ思っている感情が変化していくのがいいなと思っています。ペレとリィンも……。

小澤 あーっ!

第16話よりペレとリィン
第16話よりペレとリィン(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


本泉 本当にドキドキが止まらないですよね。リィンの口にニンジンとかを突っ込むシーンがあったんですが、あれもペレなりの励まし方というか(笑)。どこからあの野菜が出てくるんだ? って疑問もあるんですけど、甘くない2人の関係に、皆さんもニヤニヤが止まらなかったと思います。

小澤 いやあ、ニヤニヤしたでしょうね。

本泉 ペレの伏線がいいですよね。リィンはよかったねと思います。

小澤 「プランダラ」は戦いの話なので、リィンだけ恋愛の話ばかりで申し訳ないですけど(笑)、リィンを通じて「人への想いの違い」みたいなものが描かれていて。リィンを見て、キュンとするところを楽しんでいただきたいです。

本泉 離人が自分のカウントを決めた時に、そこで走っていった離人を追いかける陽菜と、追いかけられないリィンの対照的なところが、愛と恋の違いみたいな感じだなと思いました。収録のときは、すごく辛いシーンだったんですが、今見たらまた違う目線で見ることができました。

――ナナは幼い姿で「過去編」に登場しました。役づくりや、収録の思い出などについてお聞かせください。

第18話よりナナ
第18話よりナナ(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


伊藤 最初、「ナナが小さくなったら中の人が変わるんじゃないか?」っていう疑惑が出ていたんです。私が小さい子を担当することがあまりないので、実際に収録してみて「こりゃだめだな」となったら別のキャストの人にお願いしよう、ということをスタッフさんは打ち合わせしていたらしいんです(笑)。

本泉・小澤 えーっ!

伊藤 失礼だろって話なんですけど(笑)。まあ、私が演じる小さい子には需要がないので。

本泉・小澤 もったない! すっごくかわいいのに!

伊藤 この世界での正体を明かし、ジェイルとの関係性をつくる、すごく大事なシーンでもあったので、原作を読み込んで、私なりにこの世界観をかみ砕いて理解して、めっちゃ緊張しながら収録に臨みました。実は、このアフレコをしていた時期、私、体調不良で声が出なくて、何回か収録をお休みさせてもらっていたんです。声の調子はよくなっていたんですけど、まだ高い声を出すのはきついかなという不安が残る時期でした。でも、実際に収録をしてみたら、無理なく自然に子ナナ(幼いナナ)の声を出すことができました。今までのナナがあったので、声をつくるというわけではなく、子ナナもその時点で壮絶な人生を背負っているので、子ナナのことを考えながら収録に臨みました。収録そのものはすごく楽しかったです。皆さん、子ナナの声を聴いて、私だってわかったかな(笑)?。

小澤 声だけを聴いたら、伊藤さんだとわからないくらいで。でも、ナナさんを感じさせるところがあって、すごいなと思いました。

伊藤 うれしい!

本泉 収録のときに、陽菜の出番がなかったので私は(中島)ヨシキさんと取材を受けていたんです。だから幼いナナさんの声を聴くことができなかったんですね。だから、実際に映像を拝見して、すごい! と思いました。

伊藤 ありがとう! そのことばだけで1ヵ月生きていけるわ。

本泉 未来のナナさんにつながる、ナナさんだったなと思って。感動しました。過去編のナナさんを知ると、第11話で言った300年後のナナさんのセリフも、感慨深くなっちゃいますよね。

伊藤 私も第11話はオンエアを見て、グッと来ました(笑)。

一同 来ちゃいますよねえ。

小澤 このあと、ナナさんのことをみんな好きになっちゃいますよ。300年待ってたんだなって。

――視聴者の皆さんに向けて、今後の展開で楽しみにしてほしいところをお聞かせください。

本泉 第1クールからつながって第2クールでガラッと雰囲気も変わり、登場するキャラクターも変わる。それにあわせてキャラクターの気持ちも「変化」していくので。その「変化」を皆さんに伝えられるといいなと思って、収録に臨ませていただきました。「変化」や「キャラクターがめざしているもの」をそれぞれ感じてもらえればうれしいです。原作をご存じの方は含みのあるセリフもたくさんあると思いますので、そういうところも楽しんでもらえればと思っています。

小澤 ここからクライマックスにかけて、さらにキャラクターの辛いシーンや困難が待っているんですが、私たちも全身全霊で臨んでいるので、みんながどのように乗り越えていくのかオンエアが楽しみです。皆さんも、ぜひ楽しんでもらえればうれしいです。

伊藤 「過去編」になってから、子ナナとして登場しているのですが、みんなの学校生活には全然出てきていないんです。だから、(Aクラスの)みんなのことを全然知らないんです。

本泉・小澤 たしかに……。

伊藤 なので、私自身もオンエアを楽しみにしていて、オンエアを見てリヒトーが撃墜王になって仮面をつけていく過程を確認しました。アフレコはかなり前に終わってしまっていしたので、視聴者の皆さんと変わらない気持ちで、オンエアを毎回楽しんでいます。今後の展開を何も知らない気持ちで最終回まで見ていきたいと思います。

【取材・文:志田英邦】

■TVアニメ「プランダラ」

放送:TOKYO MX…毎週水曜25:05~
   テレビ愛知…毎週水曜26:35~
   KBS京都…毎週水曜25:05~
   サンテレビ…毎週水曜25:30~
   BS11…毎週木曜23:00~
   AT-X…毎週金曜23:00~ ※リピート放送あり
配信:dアニメストア…毎週水曜23:00~
   ※他配信プラットフォームでも順次配信

スタッフ:原作…水無月すう(月刊少年エース連載)/監督…神戸洋行/副監督…西片康人/シリーズ構成…鈴木雅詞/キャラクターデザイン…高品有桂、福地友樹、福田裕樹/音響監督…えびなやすのり/音楽…松本淳一/音楽制作…日本コロムビア/オープニングテーマ…「孤高の光 Lonely dark」伊藤美来/エンディングテーマ…「Reason of Life」陽菜(CV:本泉莉奈)、リィン(CV:小澤亜李)、ナナ(CV:伊藤 静)/アニメーション制作…GEEKTOYS/製作…プランダラ製作委員会
キャスト:キャスト:リヒトー=バッハ…中島ヨシキ/陽菜…本泉莉奈/ジェイル=マードック…梅原裕一郎/リィン=メイ…小澤亜李/ペレ…市川蒼/ナナ…伊藤静/園原水花…悠木碧/道安武虎…日野聡/坂井時風…石川界人/シュメルマン…関俊彦/アレク…東地宏樹/フィレンダ…三石琴乃

リンク:TVアニメ「プランダラ」公式サイト
    公式Twitter・@plundereranime
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