今期、もっとも注目を集めているアニメのひとつ「オーバーロード」。そのエンディング曲「L.L.L.」を手がけたユニット・MYTH & ROID(ミスアンドロイド)にインタビュー。ユニットを率いるTom-H@ckさん、ボーカルのMayuさんに加え、作詞家のhotaruさんも同席してくれました。
エンディングで、主人公のアインズ・ウール・ゴウンを慕う美女アルベドの映像に乗せて流れる「L.L.L.」。アルベドと楽曲の関連性とは…!?
――MYTH & ROIDとはどんなユニットですか? コンテンポラリー・クリエイティブ・ユニットということですが。
Tom-H@ck:クリエイティブ集団として、基本的に楽曲やアートワークなどの全体的なプロデュースを僕がやってます。Mayuちゃんはボーカルだけど、今後は作詞作曲もやっていきたいと。「L.L.L.」は作曲が僕で、作詞がhotaru。hotaruはもともと僕の幼なじみで、英語の翻訳をしていたところを僕が音楽業界に引き込んだんです(笑)。
――「オーバーロード」でエンディング曲を担当することになった経緯は?
Tom-H@ck:最初にOxTのオープニング曲だけが決まっていたんですが、「オーバーロード」の原作を読んだ時に、この作品ならMYTH & ROIDという花を咲かせることができるんじゃないかと。KADOKAWAの音楽プロデューサーに「頑張りますから!」とお願いして、エンディング曲を担当させてもらうことになりました。
――Mayuさんもレコーディング前に原作を?
Mayu:読みました! もともと私はアニメや漫画が好きなほうで。
Tom-H@ck:数年前に初めて出会った頃から、マジでアニオタだった(笑)。その頃、高校生くらいだったし。アニメイトとかに通ってたんだよね(笑)。
Mayu:キングブレードを持って、ひとりでアニメ紅白に行ってました(笑)。特に「テニスの王子様」と「Fate/Zero」が好きで、私からこの2大作品を抜いたら、生きている意味やアイデンティティを失うレベルです(笑)。
――じゃあ、アニソンもたくさん聴かれているんですね。ちなみに、「L.L.L.」というタイトルの意味は?
hotaru:「Leashed=鎖でつながれた」「Luminous=輝く」「Love=愛」という3つの英単語の略です。強く輝かしい愛を持っているんだけども、それはある意味、鎖で繋がれているというか。
――そのタイトルはアルベドと関連がありますか? アニメのエンディングでは、曲はアルベドの絵に乗せて流れますが。
Tom-H@ck:エンディングはアルベドを表現できる曲にしたい、と最初から決めていたんです。というのも、アルベドの持つ狂気によって、Mayuちゃんにカリスマ性を持たせられると感じたので。実は、Mayuちゃんの歌声をどんな楽曲に落とし込めるのか、ずっと模索していたんですよ。
Mayu:私、狂気的ですか!?(笑) 正直、それを最初に聞いた時、私のマニュアルにはないって思ったんですけど…(笑)。でも歌っているうちに、愛と忠義を尽くす故に狂気的になってしまうアルベドの存在が、すっと自分の中に落とし込まれた感覚になりました。自分にとって、歌は“行為”ではなく“自分”そのものなんです。だから、曲によって声を使い分けることができる。それも自分の長所だと思っていて。
Tom-H@ck:アルベドの狂気を見事に表現してくれたのは嬉しかった。メジャーデビューに向けて、人間的にも技術的にも成長した生々しい部分が、歌声に現れている気もするし。完成した時に「すごいの録れたね」ってみんなが言ってくれたし、僕も今まで聴いたことがない歌になりました。
――歌詞で、特に気に入っている箇所は?
Tom-H@ck:この歌詞、すごく気に入っていて。愛情が強すぎて、いつになくhotaruに口出ししちゃったくらい。いちばん好きなのは「Don't you give me your love and passion?」という歌い出し。
hotaru:日本語訳だと「あなたは私に愛と情熱をくださるのでしょう?」。
Tom-H@ck:ゾクゾクするような歌詞だった。英語の部分をどんなふうに解釈してほしいのか伝えたいので、日本語訳を公開する機会も今度つくろうと思ってます。他にも、かなりギリギリなことを言ってるんですよ、「私への愛を貫かないと殺す」とか(笑)。
――アルベドが言いそうな言葉ですね(笑)。Tom-H@ckさんは、同じ作品のタイアップで、オープニング(OxT)とエンディングの両方に関わっています。曲をつくるときに意識の違いはあるものですか?
Tom-H@ck:やっぱりありますよ。同じことは絶対やっちゃいけないって。オーイシ(マサヨシ)さんとMayuちゃんはまったく違うタイプのボーカルなので、おのずとイメージの違う楽曲になっていったし。オープニングはキャッチーで受け取りやすい感じ。エンディングは、キャッチーさよりも攻撃的で、振りかざしている感じを意識しましたね。
――カップリング曲「The first ending」はどんな仕上がりに?
hotaru:歌詞は「はじまり」について綴っています。オリジナルとしては、MYTH & ROIDとして最初の曲なので。
Mayu:歌の最後に入る「始まりの終わり」っていうフレーズがすごくお気に入りです! 「L.L.L.」とは同一人物と思えないほど歌い方が違うので、あわせて聴いていただきたいです。
――今後もアニソンに携わりたい、という気持ちはありますか?
Mayu:「L.L.L.」がアルベドの狂気的な愛あってこその楽曲だったように、作品があると楽曲の世界観が変わって、MYTH & ROIDのいろんな表情を見ていただけるのかなと。また機会があれば、みなさんに聴いてもらえる曲を歌いたいです。
hotaru:「L.L.L.」はネットで空耳がハヤっているので、そんな感じで楽しんでいただいても(笑)。歌詞の意味を見た時に驚きがあると思うので、曲だけでなく歌詞も見て二度楽しんでいただけたら。
Tom-H@ck:MYTH & ROIDはまだ始動したばかりですけど、みんなが聴いたことがない楽曲や、見たことがない映像を提示していきたいと気合いが入っているので、楽しみにしていてください!【インタビュー:麻布たぬ】
■MYTH & ROID 1stシングル「L.L.L.」
発売日:8月26日(水)
価格 :税別1200円
収録曲:M1.L.L.L.(TVアニメ「オーバーロード」エンディングテーマ)
M2.The first ending
M3.L.L.L.(inrtrumental)
M4.The first ending(inrtrumental)
リンク:
MYTH & ROID公式サイト