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2016年にアーティストデビュー3周年を迎える上坂すみれさんが、2ndアルバム「20世紀の逆襲」をリリースしました。
本作は、3rdシングル「パララックス・ビュー」以降のすべてのシングル表題曲を含めた全18曲を収録する豪華盤。中野サンプラザでの2デイズライブを2月に控え、アーティストとしてますます輝く上坂さんに、新アルバムについてのお話をうかがいました。
――今回は、「20世紀の逆襲」をタイトルにもつ曲が3曲も収録されていますね。
「20世紀の逆襲」という曲は3章構成になっています。それぞれにサブタイトルがあるのですが、私がネームニングしました。タイトルが完成したのは、レコーディング最終日の前夜です(笑)。第1章のタイトルは、「20世紀の逆襲 第一章~紅蓮の道~」。曲のテーマは希望です。メロディーはシリアス。その音楽にのせて、幼い子どもが希望をもって歩いている姿をイメージしながら歌いました。
――第2章のタイトルは、「20世紀の逆襲 第二章~蠱惑の牙~」ですね。
第2章のテーマは“欲望”です。直接的な言葉を使わずに、それをどう表現すればいいかと悩みました。閃いたきっかけは、歌詞の中にある「天使」「悪魔」というキーワード。そこに目を付け、「よし、“牙”だ!」と思いつき、「蠱惑の牙」としました。こちらの曲は、Aメロ・Bメロ・サビといった構成やメロディーの繋がりが複雑で、歌うのに苦労しました。おそらく、何かの作業中やドライブのBGMとしてはあまり向いていないかなと思います(笑)。
――そして、最終章である第3章のタイトルは「20世紀の逆襲 第二章~絶境の蝶~」です。
曲のテーマは“絶望”です。こちらのタイトルについては、スタッフさんから「絶」という文字を入れるように指示を受け、苦心の末に思いついたタイトルです。制限があるのって、難しいですね。アルバム最後曲でもありますが、あまりフィナーレっぽくない曲です。フェードアウトしながら余韻をもたせるのではなく、しっとりとラストを迎えるのでもなく、過酷な未来が待っていそうな終り方といいますか。物語でいうならば、少なくとも、大団円ではないのです。でも、そんなところが、セカンドアルバムとしてはぴったりだなと思います。堂々と完結するのではなく、これからも続いていく物語を感じられます。
――まだまだ続く上坂さんのアーティスト活動に通じる部分があるのかもしれないですね! その他の新曲についても教えてください。
「繋がれ人、酔い痴れ人。」は、私の歌う曲としては珍しく、ボカロっぽさを感じさせるエレクトロなサウンドです。いうなれば、21世紀っぽい曲だなと思います。この曲の特徴としては、歌詞がとても長いということ。松本隆さん作詞の昭和の名曲「木綿のハンカチーフ」について、歌詞が長すぎると筒美京平さんがおっしゃったという有名な逸話がありますが、「繋がれ人、酔い痴れ人。」をご覧になったら、卒倒するかもしれません。時を経て、機材の進化や環境の変化などがあって、現在は長い歌詞が許されるようになったのでしょう。この歌詞を見ると、20世紀とのそんな違いも感じられます。
――「全円スペクトル」はどんな曲でしょうか。
ドラムンベースの低音が響くサウンドですが、メロディーと歌詞に浮遊感のある一曲です。その不思議な組み合わせをぜひ楽しんでほしいなと思います。歌詞の中で印象的なのが、「グングルグルグル」「マンマルマルマル」というフレーズ。きっとライブなどでは、自然発生的に同志の皆さんが手を振り回して楽しんでくれるんじゃないかなと思います(笑)。タオルを振り回していただいてもよいのですが、ホコリが舞い散って、アレルギーの人が困らないか心配です。
――初回特典版には、新録した「テトリアシトリ」のMVも収録されていますね。
こちらの見どころは、冒頭から登場する“コンピューターばばあ”さんです。MVの企画会議に参加させていただいた時に、ぜひ登場させてほしいとお願いしました。コンピューターばばあというのは、私がぼんやりとイメージする架空の存在なのです。どんなキャラクターになるかワクワクしていたのですが、“ダフト・パンク”のようなコスチュームを着せて、イメージ通りに仕上げてくださいました。そんなコンピューターばばあと私が共演する「テトリアシトリ」収録の初回限定盤を、ぜひ手にとってくださればと思います。
――「20世紀の逆襲」を引っさげて、中野サンプラザでは2デイズライブが行われます!
取り壊すと言われ続けている中野サンプラザのステージに再び立つことができて、とてもうれしいです。私のライブは歌付きのイベントだと思っていただいた方が正確だと思うので、来ていただいた皆さんを巻き込みつつ、みんなで楽しめるといいなと思います。今回も、恒例のおみやげを配りに、客席の皆さんのところにも出没するはずです。客席が2階建ての中野サンプラザでは、私の姿が見えない時間ができるのですが、そんなときでも楽しんでもらえるよう、ゲストマジシャンやゲストアニマルなどを考えています。実現するかはわかりませんが、ご期待ください!