好評放送中のテレビアニメ「ノルン＋ノネット」のエンディングテーマを含む、シングル「ゼロトケイ」を、2月10日(水)にリリースする織田かおりさん。

「ノルン＋ノネット」は、巨大な飛行船“ノルン”に乗って旅をする少年少女たちを描いた物語。原作となったゲームをもともとプレイしていたという織田さんが、ゲームの世界観を知る立場から見たエンディングの感想などを織り交ぜながら、インタビューに応えてくれました。

――エンディング曲「ゼロトケイ」はアニメの2話から放映されましたが、オンエアを見た時の感想は？

織田：曲としては満足できる仕上がりでした。ただ、アニメのエンディングと合わさった時にどう表現されるのかわからなかったので、オンエアを見た時に、安心しました。エンディングは、色を飛ばしたような映像に、白いクレジットの文字が乗った幻想的な雰囲気になっていて、「ゼロトケイ」のサウンドはそれにぴったり合ったサウンドに仕上がったと思っています。

――原作となったゲームもプレイされていたそうですね。

織田：ゲームの世界観を知っているファンの方でも改めて喜べるアニメ作品だと思うので、最後まで見てほしいです。

――歌詞について、作品を意識することはありましたか？

織田：「ノルン＋ノネット」全体の世界観を漏らすことなく表現している歌詞だと思いますし、映像やキャラクターと照らし合わせるだけでなく、日常生活ともリンクさせながら楽しんでもらいたいなと思います。

――ミュージッククリップでは「ゼロトケイ」がどのように表現されていますか？

織田：テーマは、ずばりお引越しです(笑)。アニメの中身とはちょっと変わってくるんですけど、「ゼロトケイ」というタイトルが意味するところって、時計にゼロなんてなくて、てっぺんまでいったらまた1に戻っていくという繰り返しの時間軸なんですね。その中で、今いる場所から次の場所へ移り変わっていくというストーリーになっています。

――2曲目の「Change」はどんなイメージで制作されましたか？

かっこよくてしびれる曲をもっと作りたいなと思い、普段はしていないボーカル加工も入れて、デジロックに仕上げていただきました。作編曲のmyuさんとエンジニアの坂さんと何度も意見を交わして、“織田かおりがやりたい音楽をやっちゃおうぜ！”をコンセプトに、好き勝手に楽しく作らせていただきました(笑)。イメージが明確であればあるほど欲が増していくんだと感じた曲でした。

――織田さんご自身も、この「Change」でチェンジしたことがあったと言えそうですね。

織田：“音”のことを言葉で伝えるのはすごく難しいんですけど、改めて伝えていきたいと感じました。

子供の頃から活動していると、いい塩梅のところで「はい、大丈夫です」って言うのを早くに覚えてしまったんですよね。でも、ソロ活動を重ねていると、「そうは言ってられんぞ、好きなものは好きだし、イヤなものはイヤだし」っていう自分でも知らなかった自我が芽生えてきました。周りの方々を見ていても、自我があるからこそ楽しんで制作活動を続けていらっしゃるんですよね。だから、今はすごく楽しいです。

――確かに、楽しんで制作されている様子が伝わる楽曲でした。一転して、3曲目の「with you…」は甘々な恋愛ソングに。

織田：ファーストアコースティックライブの時に、ソロ名義の曲がなくて、ギタリストの斉藤jake慎吾さんがプレゼントしてくれた曲なんですけど、カバーライブというコンセプトになってしまったので披露できず、このシングルでようやくお披露目できることになりました。恋愛ソングっていうと何故か失恋ソングを書きたくなっちゃうんですけど、この曲はハッピーな感じのほうがマッチするかなと思って。レコーディングでは声が甘くなりすぎて、スタッフさんから「くどいくどい！」と言われたので、「いいじゃん！たまには甘くても～」なんて言いながら、結果、濃厚すぎない仕上がりになりました(笑)。

――2月14日(日)のアコースティックライブはどんなライブになりそうですか？

高校生の時にジャズユニットを組んでいたこともあって、アコースティックな編成も好きなんです。今回は、2009年以来、久々に「ピアノと一緒に歌いたい」と自分からアコースティックライブの提案をしました。

BLUES ALLEY JAPANというライブハウス自体も思い出深くて、高校生の時に少し背伸びしていたことが、今ならナチュラルに表現できる気がしています。【取材・文＝麻布たぬ】