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肉にかける本気度の高さにお腹いっぱい。EXILE SHOKICHI初の著書「肉主義」に込めた思いを語る(後編)

EXILE、EXILE THE SECONDのメンバーとして活躍するEXILE SHOKICHIさんは、実は肉マニアだった! 肉の店を500店以上食べ歩き、北海道ボールパークFビレッジでミート(肉)ファストフード店「Yagien Ballpark」をプロデュース、肉牛「八将牛」を生産者として育てるなど、食肉の世界にどっぷりと漬かっていたのです。

そんなEXILE SHOKICHIさんに肉の魅力をたっぷりと語っていただきました。後編はSHOKICHIさんがどうやって体形を維持しているか、そしてアニメやマンガへの思いをうかがいます。


発売記念サイン本お渡し会にて


――SHOKICHIさんが執筆された「肉主義」を読んでいると、食事へのこだわりをすごく感じます。先日、「肉主義」のお渡し会を実施したときの記者会見で「夕食を食べるためだけに、関西まで行くことも珍しくない」とおっしゃっていました。それだけ食にこだわっていらっしゃるのに、SHOKICHIさんの肉体は実に締まっていて美しい。この肉体美を維持するためにはどのような鍛錬をされているのでしょうか。
SHOKICHI 結構ギリギリの戦いですね。

――戦いなんですね。
SHOKICHI アウトなんじゃないか(笑)。負けているんじゃないかって戦いです。

――食べたら、鍛えるという戦い。
SHOKICHI 常に常に。イタチごっこですね。食とジムのイタチごっこです。食に妥協しないように、肉体も妥協したくない。すべてを取りに行きます!

――食と肉体、どうやって両立させているのでしょうか。
SHOKICHI たとえば、肉を食べた後に時間があったらジムに行きます。もしジムに行く時間がなければ、早起きして。早起きするということは今晩はワインを飲んでいる場合じゃないな、じゃあ、別の仕事を早めに片づけて……というようにタイムスケジュールを熾烈に詰め込んでいるんです。

――そのうえアーティスト活動もあるわけですよね。
SHOKICHI そうです。僕は自分自身がステージに立つだけでなく、プロデュースや作曲もやっているので、時間の管理がものすごく大事なんです。ジムで体をつくるだけでなく、肉の情報や音楽、演出、エンタメのあらゆることをインプットするための時間も大事で。だから、「月刊ニュータイプ」もすごく読み込みますよ。

――そうなんですか、ありがとうございます。
SHOKICHI 実は昨日の夜、アニメ「推しの子」を見ていたんです。そうしたら、おもしろくて。先が知りたくなって、我慢できずに今出ている単行本を全部読んでしまいました。そうしたら、朝の6時になっていましたね。

――「推しの子」オールナイト!
SHOKICHI いや、実は、LIL LEAGUE(from EXILE TRIBE)の全国ツアーの演出打ち合わせがあるので、自分の脳みそを切り替えるために「ミニオンズ」シリーズも3作見たんです。結局、寝る時間を削ってましたね。

――アニメもマンガもご覧になるんですね。
SHOKICHI やっぱり自分を感動させてくれるものに出会うと、それが次につながる力になりますよね。音楽も演出も焼肉もただの仕事にしたくないので。自分が味わった感動を、どうやって自分の表現にしていくか。それが大事だなと思います。たぶん、アニメやマンガを見たり読んだりするのは、人と会ってエネルギーをもらう感覚に近いんですよ。新鮮なワクワクドキドキをもらって、自分の楽曲やパフォーマンスにつなげていきたい。音楽だけをやっていては味わえない驚きや喜びがあるんです。何百と楽曲をつくってきているので、そういう新しい刺激がないと、過去の自分をなぞるようなものをつくっちゃうと思うんですよね。アニメもマンガも自分の活動につながるものを日々いただいていると思っています。本当にありがたい存在です。

――「推しの子」以外に記憶に残っている作品はありますか?
SHOKICHI 「EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2023 ~Twilight Cinema~」で(橘)ケンチさんがタイプライターを叩いているシーンがあったんです。あれは裏では衣装替えをしている時間だったんですけど、あそこの演出を考えるときに、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」みたいなシーンを入れたいなって思ったんです。

――「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のイメージだったんですね。
SHOKICHI そうです。それで古いタイプライターを探して。抒情的なシーンをつくったんですよね。ライブのときは映像の演出や、テキストのチョイスをさせてもらっているんですけど、そういうときにアニメやマンガからのインプットがすごく役立っていますね。特にアニメは最近、本当にすごいじゃないですか。映像のクオリティが本当に高い。昔はマンガをずっと読んでいたんですけど、最近はアニメもすごいですね。アニメからもマンガからも両方刺激を受けています。


発売記念サイン本お渡し会にて


――SHOKICHIさんの初の著書「肉主義」はとてもボリューム盛りだくさんな内容ですが、おそらく……SHOKICHIさんにとっては奥深い肉の世界における序の口的な内容にとどまっているのではないかと思うのですが……。
SHOKICHI 「肉の魅力をすごくわかりやすくまとめた本」と言いますか、「第一章」と言いますか、「はじめに」と言いますか。そんな感じです。プロの編集の方々にたくさんアドバイスをいただいて、たくさんの方に楽しんでいただけるように内容を決めていったので、まずは多くの方に「焼肉のおもしろさ」を知ってもらえたらと思いますね。

――焼肉店を構成する五つのエレメントとして「管理」「カット」「タレ」「雰囲気」「焼き」をあげていらっしゃいますが(本書P46)、おそらくこの要素だけでもまだまだ語りたいことがあるのでは……。
SHOKICHI まさしくそうですね! ほかにも「包丁」について語りたいんですよ。肉を「カット」するときの繊細さ、奥深さ。「焼き」には「鉄板」の質、種類も大事なんです。僕は「鉄板」のつくり手側ともつながっているので、そのあたりも語りたいですねえ。あと「炭」ですね。泣ける話があるんですよ。

――「炭」で泣く?
SHOKICHI 泣けます! 感動する話があるんですよ。「備長炭」の世界はすごく奥深くて、「備長炭」のつくり手の人たちは、ただひたすら「炭」のことだけを考えて生きていらっしゃる。「備長炭」のもととなる木、木のもとになる土、彼らは土の勉強から始めるんですよ。ハンパな覚悟じゃできない世界だと思います。「備長炭」ってまだまだ勘違いされていることも多いので、そこもぜひお話ししたい。世間のステレオタイプとの戦いです。

――世間のステレオタイプとの戦い! それで言うと今SDGsが叫ばれるようになり、肉牛を食べる文化にも注目が集まっているところでもありますね。
SHOKICHI そういう議論においては、牛を食べる、食べないという話ではないと僕は思っていて。まず牛を健康に育てて、食べるときは隅々までしっかりいただくこと。そういう環境をつくることが最初に大切だと思っています。それができるのは、僕たち消費者の力だと思うんです。僕たちが、そうやって願うことで、お店も、生産者も変わっていく。僕らの考え方こそが大切だなと思います。

――そういった肉への啓蒙も含めて、いずれSHOKICHIさんのさらなる「肉論」を聞きたいなと思いますね。
SHOKICHI どこかのタイミングでまた本をつくることができたらいいですね。そうすることで、みんなが元気になって、おもしろい世の中になればいいなと思っています。


EXILE SHOKICHI「肉主義」


【撮影:後藤利江/取材・文:志田英邦】

■EXILE SHOKICHI 肉主義(ニクイズム)
著:EXILE SHOKICHI
発売日:2023年4月26日(水)
ISBN:9784046061881
定価:1870円(税込)
発行:株式会社KADOKAWA

リンク:EXILE SHOKICHI 肉イズム公式Twitter・@niku_izm
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