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30周年を迎えたその先の、新たなステージに向けての「旅立ち」―― 保志総一朗、声優活動30周年記念ミニアルバム発売記念インタビュー

2023年で声優デビューから30周年を迎えた保志総一朗さん。数々の作品で人気キャラクターを演じて声優としてのキャリアを積み重ねてきたなかで、個人名義での音楽活動も精力的に続けてきました。10月4日には5年ぶりの新譜となる声優活動30周年記念ミニアルバム「Restart journey」をリリース。この30年間を振り返っての思いやアルバムに収録された各楽曲の聴きどころ、そして今後の活動に向けての抱負をうかがってきました。



――まずは声優活動30周年を迎えての、率直な思いをお聞かせください。
保志 「そんなに時間がたっちゃったんだ」というのが正直なところですね。あっという間な感じもするし、それだけたくさんのキャラクターたちとの出会いと別れを繰り返してきたんだなと考えると、それが30周年の重みなのかなと感じたりもしていて。改めて振り返ると、本当にいろんなことをやってきて、密度の濃い30年だったなと実感しています。

――30周年記念ミニアルバム「Restart journey」には「旅立ち」をテーマにした全7曲が収録されています。
保志 今までの自分はいろんなことに追われながら必死に頑張ってきた部分があって、人生の節目という意味でもそれを切り替えるステージに来たのかなというか、今後はゆっくり楽しんでいけたらなという、そういう思いを込めての「旅立ち」ではありますね。

――1曲目の「Star journey」はまさに旅立ちにふさわしい、勢いのある楽曲ですね。
保志 この曲は岡島俊治さんという、新しく出会った作家さんにお願いしました。もともとゲームミュージックをよく手がけられている方なんですが、僕も岡島さんがかかわっていたゲームミュージックは昔から好きだったので、それを僕が歌ったらどうなるんだろう?という期待も込めてつくってもらったものです。ゲームミュージックのエッセンス+バリバリのロックサウンドに仕上げてもらいまして、ここに来てまた新しい自分の音楽を発見できるような楽曲になったので、すごく気に入っています。

――2曲目の「戦う者たち」は「おまえの喉はそんなもんじゃない!」というサビの歌詞が強く印象に残りました。
保志 こちらは昔からお世話になっていた俊龍さんに久しぶりにお願いしまして、歌詞に関しては「旅立ち」というテーマが作家さんみんなに共通してあったんですけど、俊龍さんはどちらかというと声優活動30周年のほうに焦点を当てて、僕の声優としてのイメージを思わせるようなストレートな歌詞にしてくださいました。メロディアスでかっこいい王道のメロディーと、なかなか聴かないような歌詞とのギャップがインパクトのあるものになっていて、さすが俊龍さんというか、ただの王道じゃないなという。そういう部分で聴く人にもびっくりしてもらえるような一曲になったと思います。

――酒井ミキオさんが作詞・作編曲された3曲目「Beautiful Life」はタイトルとは真逆というか、泥くさいイメージの楽曲ですよね。
保志 「美しい人生」のわりには、という(笑)。これはだいたいの楽曲のイメージを伝えたうえでミキオさんに全部お任せしたんですけど、やっぱり作品とかでいっしょにやってきたミキオさんだからこそわかることがあるんでしょうね。きっと迷いなく書いていただけたんだろうなという感じがひしひしと伝わってくる楽曲で、もともとこの曲があったんじゃないかと錯覚させるくらい、安心感がすごくて。2曲目まででもインパクトの強い楽曲が続いているのに、3曲目でミキオワールドに引き込まれていく感じでした。

――4曲目の「Soul of Rebellion」は今回のアルバムで唯一の既存曲です。
保志 これは3~4年前くらいに配信リリースしたもので、僕個人の楽曲としてはいちばん新しいものです。「シャイニング・シリーズ」のゲーム(「BLADE ARCUS Rebellion from Shining」)の主題歌ということで、僕が曲をつくって、ミキオさんにアレンジと歌詞をお願いしました。CDに収録するにあたって、最初はボーナストラックにしようか、どうしようかと悩んだんだけど、結果的にミキオさんの新曲と並べて聴くことによって、その対比もおもしろいのかなと思って。世界観のつながりがいいバランスになっていて、この流れで聴いてもらえるのが自分としては気に入っています。

――ちょうどアルバムの中間地点に収録される形になっていますね。
保志 ここまでの前半戦はあえて畳みかける感じで攻めてみました。

――ここからの後半戦はゆったりとした雰囲気になっていきますが、5曲目の「KOHAKU」は作詞がRUCCAさんで作編曲がElements Gardenの岩橋星実さんで。
保志 今までの僕だとElements Gardenさんには正統派のカッコいい系の楽曲を頼みがちだったんだけど、今回はそういう曲ばかり集まりそうになったので、「今まで僕がやったことのないようなものをつくってほしい」的な、ちょっとムチャぶりみたいな感じでお願いしてしまったんですね。RUCCAくんとは最近知り合ったんですが、お酒の席とかでしか会っていないので、こういうイメージになったみたい(笑)。僕的には個人の音楽活動だとガンガン攻める系の曲が多かったので、こういう楽曲をもってきてくれて、逆にうれしいなと思いました。自分ではなかなかつくらないようなものだし、いろんな作家さんに頼むことで自分が思いつかないようなものをもってきてもらえるということもありますからね。みんなも新たな僕の一面が見られて、うれしいんじゃないかなと思います。

――6曲目「風の旋律にのって」は保志さんが参加されている音楽ユニット「Isla・la」のメンバーによる楽曲です。
保志 Isla・laは僕が今年始めたユニットで、僕のアルバムではあるからユニットの曲というわけではないんだけど、この座組みで一曲やりたいなという思いがあったのと、これから保志総一朗としての個人の音楽活動ができていないときはIsla・laでやっていこうと考えていて、それを聴いてほしいという思いもありました。Isla・laとしてこういう音楽もあるんだよというのを、たぶん知らない方もいっぱいいると思うので。楽曲としてはちょっとした休憩気分というか、「KOHAKU」でも結構休憩しているんだけど(笑)、アルバムのなかでこういう曲もあるとうれしいよねって、自分でも思いました。

――ラストの「うたうたうたびびと」は作詞が近藤ナツコさん、作編曲がたかはしごうさんという、これまでも保志さんの楽曲を手がけられてきたコンビによる楽曲ですね。
保志 最近は僕の曲のアレンジをしてもらうことが多かったので、今回久しぶりにごうさんに曲もつくってもらって、お2人にお任せしたという感じでした。アルバムのエンディングにはなるんだけど、旅は終わりではなくて、また「Star journey」につながるという。おかげでこの「Restart journey」がすごくいいバランスになったと思います。

――今後の音楽活動で、また声優としての目標はありますか?
保志 保志総一朗としての音楽活動はいつも先のことがよくわかっていないので(笑)、そのぶん今後の活動はユニットでやっていきたいというのはありますね。「声優として」となると難しいのは、声優という職業はどちらかというと受け身ではあるじゃないですか。自分の意思とは全然違うところで作品やキャラクターとの巡り合わせがあったりして、そういう意味ではいつでも新たな出会いを求めている部分はあるので、これまで出会ってきたキャラクターたちを大事にしつつ、いつ、どんなキャラクターと出会えるかというのを楽しみにしています。ゆったりした旅路ではいきたいけど、だからといって隠居するわけでもなく、ずっと現役でやっていきたいなという思いは常にもっていますね。

【取材・文/仲上佳克】



■保志総一朗「Restart journey」
発売中
発売:キングレコード
価格:3190円(税込)
☆アニバーサリーミニアルバム「Restart journey」とミニブック「Log of my journey」のセットをキンクリ堂(https://kinkurido.jp/shop/g/gECB-1636/)にて限定販売中!

リンク:保志総一朗公式サイト
    保志総一朗公式X(Twitter)・@HoshiSoichiro
    保志総一朗☆Music Staff公式X(Twitter)・@HoshiMusicStaff

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