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3rdEP「I'm ready!」発売記念・前田佳織里インタビュー 「今の自分は何にでもなれるし、どんな可能性もある」


「ウマ娘 プリティーダービー」(ナイスネイチャ)、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(桜坂しずく)など数々のアニメで活躍する声優の前田佳織里さんが、3枚目のEP「I'm ready!」を2025年3月19日(水)にリリースします。9か月ぶりにリリースするこのEPにかける彼女の思いとは? 月刊ニュータイプ4月号で行なったインタビューに掲載しきれなかったお話をお届けします!

「キュンアピ」は、前田佳織里史上屈指のかわいい曲


「I'm ready!」初回限定盤ジャケット


――「I'm ready!」は前田さんにとって3枚目のEPとなります。アーティスト活動を開始して約2年になりますが、自分自身にどんな変化を感じていますか?
前田 ファーストEPをリリースすることになったときは自分のことを受け入れてもらえるのかなと不安でしたし、アーティスト活動で表現したいことって何だろうと悩んでいたんですよ。でも、活動を続けていくうちに、考えすぎないで、まずは今を一生懸命生きることが大切だなと感じるようになって。もちろん、あのころ悩んでいたことはそのときにしか得られない貴重な経験だったと思うんですが、今の自分は何にでもなれるし、これからどんな可能性もあるんだと思うようになったんです。「これをやってみたい」と試行錯誤しつつ、活動の幅を広げていきたいなと。アーティスト活動は自由ですし、自分の表現をストレートに追求できる貴重な場所なので。まずは心に感じたやりたいことをやってみる、それを今後は大切にしていきたいなと考えています。

――迷いを振り切って、積極的に楽しむようになったんですね。
前田 やっぱり、人生楽しまないと損ですから! 直感的に楽しんじゃっていいかなと思っています。

――そのポジティブさはEPに収録されている「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」EDテーマ「キュンアピ」からも感じられますね。楽曲もさることながらMVも楽しい映像になっていました。
前田 「キュンアピ」は、前田佳織里史上一番のかわいいを打ち出した曲なんですが、MVをつくるにあたって、監督が私のことをすごく調べてくださって。私のコミカルなところを引き出したいとおっしゃってくれたんです。おもしろい顔や変顔っぽいこともやって、クスッと笑えるような映像にしてくださいました。撮影のときは「前田さんこれをちょっとやってみてください」と、ワンカットにいろいろなパターンを撮ってくださって。とても楽しい撮影になりました。



――MVの見どころは?
前田 振付ですね。めちゃめちゃすてきな振付をつけてくださって。キャッチーさとかわいらしさを両立した作品になっています。私といっしょに踊ってくれた“キュンアピガール”が2人いるんですが、撮影中もずっと笑顔でいてくれて。すごく楽しい映像になったなと思っています。

常に「遊び心」をもっていたい


「I'm ready!」通常盤ジャケット


――3曲目の「My “I”」はデジタルサウンドがインパクト抜群ですね。
前田 最初に聴いたときに、心をわしづかみにされた曲です。ピアノやシンセのフレーズが印象的でかわいいけれど、歌詞はかなり深いものになっているんですよ。

――この楽曲の歌詞を前田さんはどんな解釈をしたのでしょうか?
前田 この活動をしていると、自分にはいろいろな一面があると感じるんです。じゃあ、自分らしさって何だろうと思うことがあって。自分がやりたいものや、自分がなりたいものを見つけるのがすごく難しい。そういうものって他人と比べるものでもないから、自分で考えるしかない……。「My “I”」という楽曲は軽快なメロディのなかに、そういう深い歌詞があって。心に迫るものになっているなと感じています。

――4曲目の「ヤババ!」はアイドルの王道的なメロディとリズムが印象的です。
前田 かわいらしいメロディの王道だなと思いました。これまで私が歌ってきた楽曲にはあまりないパターンだったのですが、歌っていると楽しいし、「ヤババ、ヤババ」って歌詞もインパクトがあります。私生活のなかで「ヤバイ」と思っているときに、この楽曲を思い出して元気になってもらえるといいなと思います。

――歌詞のなかに“得意技「忘れてしまおう」”とありますが、前田さんは「忘れてしまう」ことが得意だったりしますか?
前田 ある意味でそうかもしれません(笑)。私、失敗してしまったときにめちゃめちゃ反省するんですよ。めちゃめちゃ考えて、次は絶対に失敗しないようにかなり念入りに反省するんですね。でも、そのまま考えていると、ぐるぐると延々考え続けてしまうので、その反省の時間を決めていて。反省して気が済んだら、もうそこで失敗を思い返すことはないようにしているんです。それだけ考えたからもういいや!って。だから、歌詞のとおり、私の得意技は「忘れてしまおう」ですね(笑)。

――「ショータイムは終わらない」はロックテイストな楽曲ですね。
前田 この曲、すごく好きなんです。「ショータイムは終わらない」という歌詞が何度も出てきてすごく印象的で。この曲の歌詞の内容は、私がステージで感じていることをうまく表現してくださっているんですよ。

――ステージにいる前田さんの思いを表わした歌なんですね。
前田 そうなんです。ライブって楽しいだけじゃないんですよね。ライブにたどり着くまでに準備をしたり、練習をしたり、それまでの積み重ねがすごく大事なんです。しかもライブ以外のお仕事をしながらも並行してその準備もしなくてはいけないので、本当に体力との闘いになってしまう。でも、そうやって体がギリギリになって、限界を超えてボロボロになっていくのも、私は好きなんですよ(笑)。

――すごいですね。自分を追い込むのが好き?
前田 そうですね。ハードルが高いほど、ゴールで高く飛べるというか。準備がキツかったときほど、ライブが楽しくなる感じがあるんです。高校生のときにバンド活動をしていたことがきっかけで、このエンタテインメントの世界を志したんですけど、そのときからずっとライブにとり憑かれているなって思うんです。「バースト寸前の心でも/カウントダウンは止まらない」「転んで落ちそうなスリル味わって」という歌詞があるんですけど、どこに向かっているのかわからないけどそれが楽しいっていう感じ。まさに私が感じているライブのドキドキするところを歌詞にしてもらえたなと思っています。

――そしてこのEP最後の収録曲は「Progress」。前田さんが作詞を担当されている楽曲ですね。
前田 今回、あらためて作詞をするということで、ふだんから五感をとがらせて、気になったことをメモしたり、何気なく聴いていた楽曲の歌詞に改めて注目してみたり、いろんなイメージを膨らませていたんです。そのなかで、自分を見つめていって……「Progress」の歌詞を自分の軌跡をたどるものにしようと思ったんです。

――前田さんの人生を歌詞で表現したんですね。
前田 「空を見渡せば/誰かが通った/夢へと続くような飛行機雲」という歌詞は、私が上京するときの気持ちを思い出して書いたんです。福岡で空を見上げて、飛行機を見ていると、このまま遠くに行けるのかな、でも怖いなって思っていたんですよね。そういう私の引き出しを開けながら歌詞を書いていきました。

――4月にワンマンライブを予定されているなど、前田さんはこれから大きな挑戦に向かいます。今後やってみたいことはどんなことですか?
前田 「遊び心」を常にもっていろいろなことに挑戦していきたいと思っています。これからやってみたいことは大都市だけでなく、あちこちでライブをしてみたいですね。いろいろな場所にいらっしゃるファンの皆さんにお会いできるような活動をしていきたいと思っています。普通のプロセスがあるじゃないですか。そういうプロセスに縛られずに、いろいろな活動をしていきたいと思っています!

【取材・文:志田英邦】

■前田佳織里 3rd EP「I'm ready!」
発売日:2025年3月19日(水)
発売元:DMM music/Astro Voice
価格:初回限定盤[CD+Blu-ray]4850円(税込)/通常盤[CD]2980円(税込)

【収録曲】
1.Awakening Overture
(作曲・編曲:田中隼人)
2.キュンアピ
(作詞・作曲・編曲:田仲圭太)
※TVアニメ「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」エンディングテーマ
3.My “I”
(作詞:田仲圭太/作曲・編曲:田仲圭太、齊藤美咲)
4.ヤババ!
(作詞・作曲・編曲:田仲圭太)
5.ショータイムは終わらない
(作詞・作曲・編曲:田中隼人)
6.Progress
(作詞:前田佳織里、田仲圭太/作曲・編曲:田仲圭太)

リンク:前田佳織里公式サイト
    前田佳織里公式X(Twitter)・@kaor1n_n
    前田佳織里スタッフ公式X(Twitter)・@maedakaoristaff
    前田佳織里Instagram・@maedakaori_official

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