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現在放送中のアニメ「見える子ちゃん」。泉朝樹さんによるマンガを原作とした本作は、化け物が見えてしまう女子高生・みこが主人公のホラーコメディです。WebNewtypeではその四谷みこを演じる雨宮天さんとメインキャラクターのキャストによる対談を実施中。みこの親友・百合川ハナ役の本渡楓さんとの対談は、アフレコ現場の様子や主題歌の話題で、キャラクター同様の仲睦まじい会話が繰り広げられました。
――前回は雨宮さんがホラーを苦手という話でしたが……。
雨宮 私は全然無理です。逆に、ホラーが好きな人って珍しくないですか?
――確か小川優樹監督も苦手なんですよね。
雨宮 絶対夢に見てますよ(笑)。
本渡 私はホラーがとても好きなので原作もすごく楽しく読んでますよ。
雨宮 お化け屋敷とかは大丈夫? だって自分から怖いところに歩いていくんだよ?
本渡 大好きです。そのスリリングなのが楽しいんですよ。
――ではそんな本渡さんは原作を読んでどう感じましたか?
本渡 感情が迷子になりました。ホラーコメディというジャンルですが、ホラーとコメディのバランスが絶妙で。怖さに関しては化け物の絵面がリアルで、しかも「この化け物はどんな風に亡くなったんだろう」と想像してしまうくらい個性豊か。一方でコマの間合いとかが本当に上手くて面白く、悲鳴をあげ、笑いながら読んでいます。
雨宮 わかります。怖い時はちゃんと怖いけど、コメディの楽しさがあるから読みやすくって。しかも「見える子ちゃん」ってヒューマンドラマ的な感動要素もあるじゃないですか。私は結構泣かされています(笑)。
――ちなみにホラー作品なのでお伺いしたいのですがアフレコ現場は大丈夫ですか? 心霊現象的な意味で。
本渡 今まで2、3回ぐらい機材トラブルがありましたよね? 突然映像が止まったり。エンジニアさん側はちゃんと原因とかわかっているんでしょうけど、収録ブースの中にいて何もわからない人間としては「ギャー!」って感じです。
雨宮 今日の収録でもありましたよね。何も言われずにAパートから突然Bパートに入って。あれ、コントロールルームからの指示が聞こえなくなる不具合があったんじゃないのかなって。その後は直りましたけど、なんか不調が多いような気がする。
本渡 収録が始まる前にお祓いしたはずなんですけどね。
――アニメを始める前にお祓いすることってあるんですね。
本渡 私は初めてでした。
雨宮 ヒット祈願みたいなことをする作品はたまにありますけど、「見える子ちゃん」の場合はそういうことじゃないですからね。
――(笑)。ところで本作のメインキャラクターは3人と少ないですが、二暮堂ユリア役の佐倉綾音さんを含めて収録の雰囲気はいかがですか?
雨宮 和やかにやってます。
本渡 原作の話をしたりして。
雨宮 「(みこの弟の)恭介かわいいよねー」とか話して。
本渡 天さん、本当に恭介が好きですよね。アフレコ中も、恭介とみこがかけあってる時にふと天さんを見るとニヤニヤしていて。かわいいなーと。
雨宮 バレてた(笑)。でも私に弟がいるせいかもしれないですが、恭介は本当にかわいいんですよ。あと気付いてないだけで、ハナとの会話シーンでもニヤニヤしてますよ。
本渡 ありがとうございます!
――続いて雨宮さんがみことして歌っているオープニングテーマとエンディングテーマの話を聞かせてください。本渡さんの印象はいかがですか?
本渡 どちらもいい意味で予想していたのと違いました。怖い雰囲気になるのかなと予想していたら普通に楽しいポップで、でも怖いとかやめてとか不穏な歌詞があって。そもそもみこちゃんがどちらも歌うんだというのも驚きでしたし。
雨宮 オープニングテーマはみこ目線で。エンディングテーマは化け物目線をなぜかみこが歌っているという。エンディングは完全に謎の世界線ですよ(笑)。
本渡 どちらも「見える子ちゃん」のコメディっぽいところを大切にしてるのかもしれませんね。あとアフレコ現場で、みことしてどんな風に歌えばいいか相談されていたのを見ていましたけど、確かにこれは歌うのが難しいなと思いました。
――どういった部分に難しさを感じましたか?
雨宮 ローテンションなみこと、明るい曲調のギャップをどう埋めたらいいか悩みました。みこだから明るく歌うわけにはいかないし、でも怯えてばかりだと曲として成立しないし。だから「やめて」とか「怖い」とかそういったポイントポイントで、特にみこらしさを出すようにしました。
本渡 そういった台詞の部分は、まんまモノローグのみこちゃんで私はふふっとなりました。そのほかの部分も、みこちゃんは歌うとこんな感じなのかなと。
雨宮 こんなことを言うのもあれですけど、正直ハナとのデュエットだったらまだイメージしやすかったです。ハナも盛り上げてくれそうだし、みこが楽しそうに歌う姿も想像できるし。
本渡 わー、楽しそう!
――エンディングテーマはどうでしたか?
本渡 悲鳴から始まって怖い曲かなと思ったら、こっちもこっちでコールアンドレスポンスできそうなくらい愉快な曲で意外でした。そして聴いているとみこ以外にも何かいるぞ……と思って歌詞を見るとほとんどカタカナだし。
――A4用紙4枚にもわたる長大な歌詞です。
本渡 こんな歌詞は初めて見ました。
雨宮 カタカナが並び過ぎて、途中から頭の中に入ってこなくなって何回も間違えて歌っちゃったんです。何を歌ってるのかわからなくなって。だからわかりづらいところは漢字とひらがなに直して歌いました。
――こちらは化け物とのデュエットといった感がありますね。
雨宮 こんなに人数の多いデュエットあるんでしょうか(笑)。
本渡 化け物パートは誰が歌ったんですか?
雨宮 私もどなたか知らないんです。
本渡 そうなんですか。でもこの歌は化け物もいてこそ完成というか、みこが歌っている裏で化け物がコーラスで怖がらせたがっていて、その喜びみたいなものも感じられて、化け物なりのハッピーソングなんだなと感じられました。
雨宮 独特な視点だ(笑)。
――では最後に第2話の見どころを教えてください。
雨宮 第2話はみこの性格がよくわかる内容になっていると思います。保健室、ロッカー、最後の猫の件とみこが怖がりながらも勇気ややさしさを見せているので。そういったところに注目してほしいです。
本渡 私はハナのためにみこががんばってくれる、ロッカーのシーンがすごく好きです。あとそのシーンや保健室のけしからんやつもそうですけど、この作品は台本に書いてある化け物の台詞が面白いんですよ。「ヴ……」とか。
――そう言えば、化け物の声ってどなたが担当されているんでしょうか?
本渡 私はご一緒したことがないのでわからないのですが、あとで音声を聞かせていただくと、ギチ、ミチチ……みたいな軋み感がすごく怖いんです。もう加工なしでもいけるんじゃないかなと思うくらい。絵面の怖さに全然負けてなくて、本当にすごいです。
雨宮 私は化け物役のみなさんとご一緒したことがありますが、生物としては枯れ果てているのに、じっとりとしてるというか。しかも化け物それぞれの個性に合わせて、いろんな恨みが籠もっているのがわかって「声優さんってすごい!」と改めて思わされました(笑)。本渡ちゃんもやってたよね?
本渡 ちょっとだけですけど。
雨宮 それも聞いててすごかったです。私は化け物役をふられなくてよかったです。
――でも今後、何かの作品で化け物をすることになったら……。
雨宮 今回のみなさんの演技を参考にさせていただきたいですね。
【取材・文:はるのおと】