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現在放送中のアニメ「見える子ちゃん」。泉朝樹さんによるマンガを原作とした本作は、化け物が見えてしまう女子高生・みこが主人公のホラーコメディです。WebNewtypeではそのみこを演じる雨宮天さんとメインキャラクターのキャストによる対談を実施中。みこの同級生・二暮堂ユリアを演じる佐倉綾音さんとの対談の初回は、原作の印象やアニメの主題歌について語ってもらいました。
――まず原作の話をお聞かせください。雨宮さんは役が決まる前から元々読んでたんですよね。
雨宮 はい。昨年、自分の時間が増えたときにたまたま読んでいました。
佐倉 そうなんだ、すごい。私、マンガは好きだけどホラーが苦手なのでこういう作品はあまり手に取らないんですよ。でも『見える子ちゃん』はオーディションで1巻を読んだ段階で「面白い」と感じて、ユリア役が決まったあとに全巻読んだら大ハマりしてしまって。眠れない夜に布団で読んで、もちろん怖くてページをめくるのを戸惑うこともあったものの、一気に読みました。
雨宮 私もホラーはすごく苦手ですけど、これはコメディ要素も強いじゃないですか。そのおかげで読みやすいし、ほかにも感動的な要素とか、いろんな面白さがあるのがいいですよね。
佐倉 私はちゃんとメインストーリーがあるところが好きかな。アニメだと3話に出てきたゴッドマザーの話のようなサブストーリーを進めながら謎が出てきて、同時にメインストーリーもちゃんと動いていて。どう終わるのかとても気になっていますし、名作になる予感がします。
――ホラー系が苦手でも読み進めてしまいますよね。
佐倉 泉朝樹先生って絵はもちろん、マンガならではの表現がとてもお上手なんですよね。話の構成やコマ割り、セリフ運びが魅力的で、自然と目が追ってしまうし物語に引き込まれました。
――勘違いコント的な部分とか、本当に毎回上手で。
佐倉 まだ先の話数ですが、7話なんかはユリアが全力でたくさん勘違いして、それに対してみこは全力で戸惑っていて。お互いに別のベクトルで全力なところが面白かったです。
雨宮 全然わかり合えてないですよね。噛み合わなすぎる(笑)。
――ハナも含めて。
佐倉 そうなんですよ、全員噛み合ってない。あの3人が一緒にいるのが謎で楽しい。
雨宮 みんな根がいい子だから一緒にいるんでしょうね。自分とは違う感じの子も、その子はその子として肯定する力がある、よさをわかってあげられる子たちなので。
――ハナとみこなんて対極的な性格なのに、どうやって仲よくなったんでしょうね?
雨宮 言われてみれば確かに。でも確か苗字が近い、のかな?
佐倉 四谷(よつやみこ)と百合川(ゆりかわハナ)だよね。
雨宮 それで席順が近くて、みたいなところから始まったのかもしれません。
佐倉 確かにありそう!
――続いて主題歌の話を伺います。どちらも雨宮さん演じるみこが歌っていますが、佐倉さんはどのように聞かれましたか?
佐倉 そもそも昨今のアニメで、同じキャラクターがオープニングとエンディングの両方を歌うのって珍しいですよね。そしてオープニングテーマは、天ちゃんから聞いてはいたけど思った以上に明るいなと。
雨宮 そうなんですよ、『見える子ちゃん』なのに滅茶苦茶明るいという。
佐倉 たまたまこの曲を聴いた人を騙そうとしてるのかな、かわいい萌えアニメだって。歌詞とかも「わぱぱ」とかかわいい感じだし。
雨宮 パッと聴きでは。でもよく聴くと様子がおかしい(笑)。
佐倉 この明るい歌をみことして歌うのは大変だったでしょ?
雨宮 本当に大変でした! 映像がないからみこがどういう表情でこれを歌っているか全然想像ができなくって。歌詞はみこが化け物に対して恐怖を抱いてるという内容なので、感情としては恐怖なんだろうけど、でも曲は明るいので明るく歌わないと成立しないし……色々と相談させてもらい、基本的にはみこなりに明るく歌って、要所で恐怖感を出しました。
――恐怖感を出しているのは台詞の部分とかですよね。
雨宮 まさにそうです。ほかにも恐怖感を出すにはあえてリズムや音程を少し崩したりするのもいいかなと思ってやったんですけど、「少しリズムに合わせていきましょう」という指示があったりして、これは難しいなと。
――アーティストとして数々の曲を歌われてきた雨宮さんが歌ってきた中でも……。
雨宮 はい、かなり大変な曲でした。エンディングも含めて。
佐倉 そのエンディングも歌詞の様子がおかしいけど……大丈夫なのかしら? A4の紙が4枚あって、こんなの見たことないってくらい歌詞が多い。
雨宮 もう、呪いの手紙みたいになってる(笑)。
佐倉 これはCDの歌詞カードの文字が小さくなりそうだ。
雨宮 こちらは化け物とのデュエットで、しかも化け物の気持ちをみこが歌っているという謎の状況で。みこが化け物になりきって歌うのもおかしいし、みことして怖がりながら歌うのもおかしい内容なので、最終的には無感情っぽく歌いました。
佐倉 化け物パートは誰が歌ってるの?
雨宮 謎の方が化け物ラップをやってくれました。
佐倉 怖い(笑)。でもやっぱり上手だよね。みこ役が歌唱力のある人でよかった。
雨宮 もう、泣きたくなるぐらい難しかったんですよ。
佐倉 これは泣いていいやつだよ。
雨宮 みこの普段の声でやってるようなキーの歌だったらまだしも、音域の幅も広いし曲も難しいし。本当に大変でした。
佐倉 その不憫な感じが、みこっぽい(笑)。
――エンディングテーマはラスサビの高揚感が好きです。「この曲でそんなことするんだ」という驚きがあって。
雨宮 メロディーラインが変わってお洒落な感じで上にいくところですよね。あのおかげで不思議にいい曲に感じられます。
――では最後に4話の見どころ教えてください。
雨宮 4話でとあるキャラクターの話が一段落するんですけど。とにかくドキッとしました。そこは原作から泣いたし、Vチェックでも泣きました。
佐倉 あはは。
雨宮 本番でも泣きそうになって。あの人は原作と違ってアニメだと最初から目立っているので、なおさら印象的でした。
――ホラーと感動の融合という、『見える子ちゃん』ならではの話ですよね。
雨宮 『見える子ちゃん』らしくて面白いなと思います。あと4話は私が好きな弟の恭介もいっぱいで出てきて、かわいいところをたくさん見せてくれます。だから私的にはすごく好きな話が詰まってる回ですね。
【取材・文:はるのおと】