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「何かの間違いかなと思いました」林原めぐみさんがベストジーニスト賞を受賞!

今年で音楽活動30周年を迎え、声優としてだけなくアーティストとしても活躍を続けている林原めぐみさんが、“最もジーンズが似合う有名人”を決定する「第38回ベストジーニスト2021」に選出されることになり、11月25日に品川インターシティホールで授賞式が行なわれました。

林原めぐみさんが受賞したのは主催者である日本ジーンズ協議会「ベストジーニスト選考委員会」(加盟社7社の代表と日本ジーンズ協議会専務理事で構成)によって選考された、協議会選出部門。ジーンズが似合う人というだけでなく、キーメッセージとなる「Keep on your Jeans Spirits」(壮大な夢を追い、希望を絶対に失わない不屈の精神)のもとに活躍しているかが選考基準となる同部門ですが、林原さんは世代や国境を越えて世界に親しまれる日本のアニメーションとともに声優アーティストとして前例のない道を切り開いてきた姿が評価され今回の受賞につながりました。

授賞式では同じく同部門を受賞したお笑いタレントの東野幸治さんと一緒にステージに登壇。賞状と盾を手渡された林原さんは「どんなにデニムが好きだったとしても、決して私に舞い下りることのない賞だと思っておりましたので、とても高揚しているし、本当に本当に本当にうれしいです。どうもありがとうございました」とうれしそうに笑顔でコメントをしてくれました。

また一般選出部門で受賞したタレントの永瀬廉さんや女優の新木優子さんら受賞者と並んでのトークセッションや記者会見では、授賞式に着てきたデニムジーンズのコーディネートについて「継ぎ接ぎになってるんですけど、お直しなどで、丈が長いからといって切られた裾で出来上がっているデニムとなります。デニムが好きで今回の賞を楽しみにしている人の中に、もしかしたらこの上を履いてる人がいるかもしれないなと、そんな風に思って今日着てきました」と解説。実はこのジーンズは『ポケットモンスター』のニャース役の犬山イヌコさんや音響監督の三間雅文さんとおそろいのジーンズらしく、「声優界に同じもの履いてる人もいるよっていうこともあって、いろんな思いを込めてこれにしてみました」と同じ声優界のジーンズ仲間についても語ってくれました。

ファンからは自他共に認めるデニム好きということが知られている林原さんですが、受賞の一報を聞いたときは「何かの間違いかなと思いました(笑)」といった状態だったとのこと。その後「どういう意味?」とスタッフにLINEで返信したらしく「納得するまで時間がかかりました」と当時の驚きを振り返ってくれました。また自前のデニムについて何着持っているか質問された林原さんは数えたことはないが「そうとうあると思います」と回答。気軽にふだん使いしているようで「役によってイメージでデニムではないものを選ぶときもありますけど、ラフでアフレコしやすいという意味では仕事先にデニムを着ていくことは多いですね」と語る林原さんが、今後どんなシーンでデニムのコーディネートを見せてくれてるのか、とても楽しみです。

今回は授賞式を終えたばかりの林原さんに受賞の喜びや大好きなデニムの魅力、さらには自身の誕生日となる3月30日に発売された30周年記念ベストアルバム「VINTAGE DENIM」などについて語ってもらいました。

――改めて受賞しての喜びの声をお聞かせいただければと思います。
林原 昨今の声優ブームでみんなが表に出ていくっていうことになった時代と、私が古くからやってきた地味なデニム愛、さらには30年という時間と関わってきたたくさんのキャラたちがいい感じに重なったことが、こういった賞につながったのかなって思っています。今後声優を仕事にしてる人たちがこの賞に関わっていくそのきっかけに私がなれたとしたらうれしいですね。

――林原さんがデニムの魅力に気付いたのは?
林原 もう思い出せないぐらい昔の話になります。一番最初はスタンダードデニムではなく、デニムなんだけどすごいパッチワークが付いているとか、スカートの真ん中がバッサリ切れててその向こう側にバンダナ生地みたいなのが縫い付けてあるとか、ちょっと人と変わってるというかあんまり他の人が持ってない「なにそれ? どこの?」みたいなものが好きだったこともありましたので、そういうのが入り口だったような気がしています。

――林原さんのデニムスタイルがファンに強く認識されたのは、やはり2015年にさいたまスーパーアリーナで開催された「KING SUPER LIVE 2015」のステージでの出で立ちだと思います。
林原 あのときはそんなに深く考えてなくて。後輩たちが広げてきたアリーナでの公演に私が煌びやかな感じでドドーンと出てってもなぁみたいな気持ちとか、私が歌っている意味を考えたら作品を伝えたい気持ちと歌詞、歌、声「だけ」があればいいかなって思ったこともあって、自分をアピールするより、私の歌った「Give a reason」といった曲を聴いてくれる観客の皆さんの心に浮かぶ映像の方を大切にしたかったんですね。そこで自分というものをできる限り削っていった結果、ふだんのナチュラルな状況に近いTシャツ&ジーパン姿でのステージということになりました。

――あの林原さんのステージはすごいインパクトがありました。
林原 そうらしいんですよ(笑)。なんだか分からないんですけどみんなの中では革新的な出来事だったみたいで、(水樹)奈々ちゃんが「あのメグさんが!」って言ってシングルのジャケットでデニム着たり、宮野(真守)君もPVでデニム着たりと、結果的に周囲に与えた影響はかなり大きかったようです。あれから「メグさんと言えばデニムだよね」「あれかっこ良かったよね」なんて言ってもらえて、「いやそんなつもりでやったんじゃないんだけどな」って思ったりもしてたんですが、自分を消そうと思ったら逆に存在が前に出てしまったのであれば、じゃあそれに応えていこうかなという気持ちにもなっていきまして。「KING SUPER LIVE 2018」では「次はどんなデニムでメグさんは来るんだろう?」っていう期待に応えつつ、でも第一回目のまんまではいかんということで別のインパクトを追求した結果、背中出してみたりヒール履いてみたりとデニムというところは継承しつつもいろいろしてみた感じです。

――そんな誰もが楽しめる懐の深さ、さらには年を重ねる毎に味わいや深みを増していくといったデニムと同じ魅力が、今春発売された林原さんの30周年記念ベストアルバム「VINTAGE DENIM」には詰まっているように思えます。
林原 「デニムをひと言で言うとなんでしょう?」って言われたら、私は「無問」だと思ってるんですね。これって自分で作った言葉ではあるんですけれども、国も問わない、年齢も問わない、性別も体型も問わない、ドレスもあったり着物もあったりビジネスもフォーマルもあったりと時間・場所・人を問わずっていうものがデニムだなって感じていて。それが私のやっている声優の仕事である子供を演じたりおばちゃんを演じたりいろんなキャラクターを渡り歩く自分に重ねるとすごくしっくりくるところがあったんです。さらに私が大事にしている声優像の一角として職人気質というのがあるんですが、そこも私とデニムの世界とのつながりを感じる部分だなっていうことを、今回改めて感じることが出来ました。今の世の中すぐ人のことを「劣化劣化」と言うけれど、年を重ねることでその中に味わいが生まれたり、見方や考え方が変わったり、おもしろいこともいっぱいある。どうしたって、みんな避けられないことなので。その過程を楽しむ背中っていうのを、このアルバムを通してファンの皆さんに見せられたらいいなって思っています。私の上にはそういう先輩たちがたくさんいますので、その存在を励みにしながら、これからもゆるゆるいきたいと思いますね。

――林原さんオススメのデニムとの付き合い方は?
林原 デニムはね、手厳しいんです。ちょっと体型変わるとチャックが上がらなくなるので。もしダイエットしたいという女子や男子がいたら、履いてみたいデニムだけど「入るけどね」っていうぐらいのものを一本買ってみるのはいいかもしれないですね。どんなトレーナーよりも手厳しいので。私もひとりのトレーナーに対する気持ちで今後もデニムと付き合っていきたいと思います(笑)。そう言いながらも気楽に楽しめるのもデニムの魅力だったりしますので、ホントに手厳しい顔と柔らかい顔と、アルバムに収録されている「DENIM」という歌通りじゃないですけど、いったりきたりするところを楽しんでいけたらいいなと思っています。

【撮影・文:すわみさお】

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