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水島裕さんがプロデュースする公演「笑う朗読」。2015年に上演された第4弾から約2年の時を経て、5月19日(金)から21日(日)まで、品川プリンスホテル クラブeXにて公演されます。
本公演には、前回2015年9月の「笑う朗読 vol.4」に出演した大塚明夫さんや寿美菜子さん、斉藤こず恵さん、潘めぐみさん、そして水島さんをはじめ、野沢雅子さん、井上喜久子さん、井上ほの花さん、春名風花さん、悠木碧さん、小野賢章さん、島崎信長さん、関智一さん、瀬名快伸さん、西亮一さん、山寺宏一さんと豪華なメンツが共演します。
今回は、水島さん、大塚さん、小野さんによる対談を実現。台本完成前ということでしたが、演じる役柄やその内容について、「笑い」にふさわしい楽しげな雰囲気が伝わるものとなりました。
――まず、水島さんにお伺いします。「笑う朗読」を始めようと思ったきっかけを教えていただけますか。
水島:これまで、何度かプロデュース公演をやらせてもらっていて、朗読とかお芝居をいろいろ観ていると、大事なテーマや気持ちを揺さぶられるものは多いのですが、大笑いできる朗読ってないなと感じたんですね。だったら笑うためだけの、笑うことに特化した朗読があってもいいんじゃないかなと思ったのが、きっかけでした。
――今回の「笑う朗読」では4作品が朗読されますが、その内容についてお聞かせいただけますか。
水島:メインになるのは、全キャストが出演して、野沢雅子さんが少女時代から晩年までを全てひとりで演じる「MACO~ぼくの姉貴~」です。それから、前回の公演でも大好評だった小林由美子さんブログ原案の「おかわり自由日記」を寿さんに読んでもらいます。そして、井上喜久子さん・ほの花さん母娘の共演作と、それから、さだまさしさんの書き下ろしの脚本もあります。
――キャストの方には水島さん自ら、現場でお声掛けされたとお聞きしました。
大塚:ずるいんですよね、事務所通さず直接くるから(笑)。
水島:そこはホントすみません(笑)。僕としては、本人が楽しいと思ってくれるかどうか、やってくれる気持ちになってくれるかどうかが一番大事だったので、まず、ご本人に確認しました。簡単に言うと「ナンパ」です。
――大塚さんは前回にも出演されていますが、またお話が来た時はどんな心境でしたか
大塚:「やりましょう!!!」と。
――即答で?
大塚:そうですね(笑)。
――前回公演の感想を教えてください。
大塚:楽しかったですよ。そんなに力まずでしたが、笑ってもらえなかったらどうしようと思いながらやっていた記憶がありますね。
――小野さんは、どういった経緯で参加されることになったのでしょうか。
小野:前回の公演を見せてもらったのが、きっかけです。
水島:そうそう、のど飴差し入れしてくれたよね。
大塚:よく差し入れ覚えてるね。すごいな。
水島:だって、差し入れに値札が貼ってあったから(笑)。
小野:すみません……(笑)。
大塚:「明夫、手ぶらで来やがった」とか思われてそうだな……(笑)。
水島:いやいや、だって明夫ちゃん一緒に出演してたじゃない(笑)。
小野:今回のお話をいただいのは、2016年11月に行なわれた、水島さんや山寺さんが主宰している演劇ユニット「ラフィングライブ」公演の楽屋ででした。
水島:楽屋が一緒なので口説きやすいんですよ(笑)。
大塚:「No」と言えないように設定をしてね(笑)。
水島:とんでもございません(笑)。
小野:(笑)。
――本公演のメインとなる「MACO~ぼくの姉貴~」について教えて下さい。
水島:マコさん(野沢さんの愛称)が、小学校時代から壮年までの人生を4つくらいに分けて、オンタイムの年齢の相手と演じるというのが見どころだと思います。
――オンタイムというと、リアルな年代の方が演じる、ということでしょうか。
水島:はい、小学生時代を演じる時の共演は本当の小学生、という風にですね。青春時代は賢章くん、信長くん、めぐちゃん(潘さん)とか悠木碧ちゃんとか。はるかぜちゃん(春名風花さん)とか、寿ちゃんもですね。そして晩年時代が、喜久子さん、関さん、大塚さんといった風に、オンタイムの世代のキャストと同じ舞台で、マコさんが一人で人生を演じ分けるというのが今回一番やりたかったことなんです。
――それで、いろんな年代の方がいらっしゃるのですね。
水島:そうなんです。
――ということは、大塚さんと小野さんの絡みはないのでしょうか。
水島:マコさんの話ではありません。ただ、他の話ではあるかもしれません。そこは楽しみにしていてくださいませ。ただ、今回、マコさんの話で賢章くんが演じるのは、とてもトリッキーな役なので、楽しみにしています(笑)。
――トリッキーな役どころ、というお話はすでにお聞きになっていたんですか?
水島:さっきチラッとしました(笑)。
小野:本当にさっき……(笑)。
――野沢さんだけが一人で全年代を演じるというのは面白い企画ですよね。
水島:ありがとうございます。それをできるのが、マコさんなんですよね。そして、声優だからできることだなとも思います。そういう意味では、今回のメンバーは、マコさんのために集まってくれたと言っても過言じゃないですね。
大塚:そうですね。大塚明夫のおしめを替えた方ですからね。
――え!?
水島:ホントだよ。マコさん、明夫ちゃんのおしめを替えたんですから(笑)。お父様の周夫さんとの繋がりでね。
大塚:マコさんが、うちの親父がいた劇団の後輩だったんです。それで、親父が赤子の僕を事務所に連れて行ってた時かなにかに、おむつを替えてくれたっておっしゃるんですけど、当然僕は覚えていないっていう。赤子ですからね(笑)。
――野沢さんには、どのようにお声掛けされたのでしょう。
水島:基本、皆さんにお声掛けする時には「『笑う朗読』やるんだけど出てほしいなー、だめー?」って声かけさせていただいているんですが、マコさんには、「マコさん、こんなことやりたいんだけどどうでしょうか?」って声をかけたら「裕がやりたいなら、いいわよ」って、、、大感謝!
大塚:「ワクワクすっぞ」っておっしゃってたそうです(笑)。
(一同大笑い)
――どんな舞台になるのか、楽しみですね。その舞台で野沢さんと共演されることへの感想を聞かせていただけますか。
大塚:僕、吹き替えでマコさんのお父さん役をやったことがあるんですよ。
――それは野沢さんが、おいくつくらいの役だったんでしょうか?
大塚:子どもの役でしたね。今回はどうなるのか、楽しみだな。
――小野さんがお話をいただいた時には、野沢さんが出演されることはお聞きになっていたんですか?
小野:そうですね。内容は聞いていなかったですけど、野沢さんが出演されることは聞いていました。
――小野さんが野沢さんと共演されるのは今回が初とのことですが。
小野:僕はやっぱり、小さい頃から見ていた作品の印象がすごく強いので、楽しみですね。まだお会いしたことがないので、今からすごく楽しみにしています。
大塚:いつも手を抜かずに全力な方ですからね。
――さだまさしさんの脚本は、どんな内容になるのでしょうか。
水島:さだまさしさん書きおろしのストーリーは、大塚さんと山寺さん、僕と関君というWキャストになります。
大塚:え、Wキャストなんですか? 初めて聞いたな。
水島:そうそう(笑)。
――元々、水島さんはさださんと親交があったのでしょうか。
水島:お付き合いは、もう30数年になります。今回の話は、初めて僕のために書き下ろしで書いてくれます。
――大塚さんは山寺さんと2人芝居をされるとのことですが、どんな芝居にしたいという思いはありますか?
大塚:山ちゃんがたつように僕が持っていけばいいんじゃないかなと思いましたね。
水島:いやいや、そこは両方立ってもらわないと。
大塚:そうすることが両方立つことかな、と。
水島:なるほど。
――井上喜久子さん・ほの花さん母娘のストーリーも楽しみですね。
大塚:ほの花の舞台お披露目になるのかな。
水島:ほの花ちゃんが「母親の年齢を越えちゃった」というのがキーポイントですね(笑)。
小野:17歳を……(笑)。
――前回の「笑う朗読」はどんなファン層の方が多かったのでしょうか。役者を目指している方などでしょうか。
大塚:若い方も多かったですね。やっぱり寿とかが出ていたので。若い人を引っ張れるのはいいよね(笑)。
水島:僕が聞いた中では「大塚さんが素敵」っていう感想が多かったですよ。
大塚:本当ですか? 嬉しいですね。
――前回の公演では寿さんと親子役だったとのことですが。
大塚:そうですね、何の不自然さもなかったですよ(笑)? 30歳くらい離れてるからね。まあ水島さんはもっと離れてるけどね(笑)?
水島:そんなに変わらないし(笑)。
大塚:いやいや、レベル60越えてらっしゃいますからね。
水島:レベルか、その言い方いいな(笑)。
小野:美菜子ちゃん、僕より2つくらい年下ですからね。
大塚:親子でも何の不思議もない(笑)。最近そういうことが増えてきたので、もう現場で歳は聞かないことにしてます(笑)。
――今回ですと、春名さん、ほの花さんといったキャストの方はまだ10代と、若いキャストさんも出演されますね。
大塚:僕が最初に会った時には、まだ子ども子どもしてたもんなぁ。
――春名さんも、現場でお声掛けされたんでしょうか。
水島:たまたま僕が組んでやってた作家の朗読劇を観に行ったら、そこに出演していて、さらに笑う朗読を観に来てくれたんです。みんな本当に繋がり、縁ですね。僕の好きな人ばっかりに出てもらっています。
――今回の会場は円形の会場ですが、どんなステージになりそうでしょうか。
水島:映像が使えるので、GReeeeNのCGなんかも手掛けている榎戸理人さんに頼んでいて、面白いものができるんじゃないかなと思います。ちなみに、チラシも彼のデザインです。
――前回よりも会場の規模が大きくなりましたね。
大塚:狭いところでやって、「チケットが取れなかった」という思いがちょっとずつ広がって、来てくれる人が増えたんじゃないかな。
水島:前回終わった時に、明夫ちゃんが「これくらいのキャパだからいいのかもしれないな」と言っていたのがすごく印象的で。芝居は、キャパも含めて劇場を選びますから。100人のキャパから400人のキャパになった時に、100人の時の熱気に負けないものを作らなきゃいけないなと思っています。
――最後に楽しみにしている皆さんに、メッセージをお願いします。
大塚:チケットももうかなり売れているらしくて、嬉しい限りですね。一生懸命やるので、楽しみにしていてください。
小野:本当に色んな世代の方がいらして、僕だったり信長くんだったりという同年代もいて。本当に楽しみな舞台です。その中で自分のできることをどう見せられるか、どんなことができるのか、これから台本と睨めっこしながら考えたいと思います。
水島:まずは、賢章くんと大塚さんがどんな爪痕を残してくれるのか、本当に楽しみです。舞台は、上がったら本当にスクエアな勝負です。どんなに素敵な演技が出来るか勝負するところですから、賢章くんがあの役をどうやって演じるのか楽しみです。そして、これだけのメンバーがマコさんのために気持ち良く集まってくれて、なおかつスケジュールが合うという縁もあって実現したことですから、スタッフを含め、本当に感謝しています。それが形になるのがいまから楽しみです。
――ありがとうございました!
プロフェッショナルな声優陣が集まって、楽しい空間を演出してくれる「笑う朗読」。2017年5月19日(金)から21日(日)まで、品川プリンスホテル クラブeXで公演されます。チケットは6500円(前売・当日共/全席指定)、チケットぴあ他各プレイガイドで発売中。【取材・文=内田希】
※島崎信長さんの「崎」は、正しい表記は「立ち崎」ですが、機種依存文字のため「崎」表記しています