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オリジナルTVアニメ「刀使ノ巫女」のメインキャスト6人が大集合。奥深い設定が話題となっている剣術に関してはもちろん、キャラクターや自身が好きな食べ物など、豊富な話題で盛り上がった座談会の第2弾をお送りします。
――各キャラクターを演じるうえで、気を付けていることを教えてください。
本渡:「可奈美はまだ13歳の中学生」だということを、常に自覚しながら演じることを心がけています。音響監督の飯田(里樹)さんからも「姫和は考えたうえで行動を起こす子ですが、可奈美はもっと直情的で」と言われました。そういう意味で、あまり考えすぎないようにしています。
大西:姫和は難しいことを説明する役どころでもあるので、私自身がしっかり理解していなければ、といつも気を引き締めています。また、復讐心に駆られている子でもあるので、ポジティブで明るい可奈美に引きずられないようにしています(笑)。
松田:かわいい女の子だということを意識せずに演じることです。また、彼女は何かとだるい、面倒だと口にしますので、その言い方にもバリエーションを持たせるようにしています。語尾を上げるのと下げるのとでは、どちらがより面倒くさそうかな、とか(笑)。
和氣:“お姉さん”な役をあまり演じたことがありませんので、まずは私自身がしっかり落ち着かなくては、といつも思っています。沙耶香ちゃんに対しては、可奈美ちゃんに対して以上に“お姉さん”でありたいですね。ふわっとした雰囲気がある子ですが、同時にしっかりしているところもあるので、そんなまっすぐさを伝えられればいいなと。
木野:沙耶香はいつも淡々としていますが、今まで人と深く関わったことがないからそうなってしまうだけで、悪気があってそうしているわけではないんです。そんな彼女が、少しずつ変わっていく姿をどう表現していくかに気をつかっています。
鈴木:エレンは“カタコト感”ですね。アフレコ前の読み合わせのときは、日本語そのものが覚束ない感じで「オサフネー、ジョガクエーン」というような感じで演じていたのですが、もうちょっと流暢にしましょうということになり、今は語尾から感じ取れる程度になっています。余談ですが、本作のスマートフォンアプリ「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火」では、他のキャラクターたちとの差別化という意味もあり、まさにそんな演じ方になっています。媒体ごとに異なる顔を見せるエレンをお楽しみいただければと思います。
――可奈美たちが見せる、実在の剣術に基づいた動きや戦い方への感想を教えてください。まず可奈美ですが、柳生新陰流の兵法を記した「兵法家伝書」には、相手の動きを観察し、心を読むのが肝要だと記されているそうです。
本渡:そういえば、第1話の沙耶香との試合でも、まずは相手をよく見ていましたね。
松田:彼女の性格かと思っていましたが、そういう流派なんですね。
本渡:可奈美は猪突猛進というイメージもありますが、そんな彼女でも、冷静に相手を見て対処する……可奈美が、いかに深い思い入れを持って剣術と向き合っているかがよくわかりました。
――姫和は鹿島新當流ですね。彼女が第1話でエレンとの試合で見せた、両手を広げるような所作は、実際の鹿島新當流の演武でも見られるようです。
本渡:これで油断させている……のでしょうか?
大西:そうかもしれませんね。姫和はちょっと内側を向いたところがある子ですが、これは心がよほど強くないとできなさそうですね。
松田:特徴的な動きを見たら、それがその流派の特徴なのかもと思うと、より楽しめそうですね!
――舞衣は北辰一刀流です。現代の剣道にも色濃く受け継がれている剣術で、剣の切っ先をゆらゆらと動かす「鶺鴒の構え」が特徴のひとつです。
和氣:そうなんですね! 短い間ではありますが、幼いころに少し剣道を習っていましたので、やっていてよかったです。
松田:そもそも、モデルとなった鳥の鶺鴒は、なぜ尾を揺らしているんですかね!? なんだか、どんどん気になることが増えていきます(笑)。
――沙耶香は小野派一刀流。第1話で可奈美に見せた構えもやはり現代の剣道に残っているもので、そういうところから「一刀流の使い手なのか」と推測されたのかもしれません。
木野:公式サイトの沙耶香のキャラクター紹介にも書かれていますが、小野派一刀流には切り落としという奥義があるそうですね! 第1話では可奈美に遅れを取ってしまいましたけれど、これと、最速の剣と言われる彼女のスピードが合わされば……。
――薫は薩摩藩士も使ったという薬丸自顕流ですね。初太刀を文字通り必殺の一撃とする流派だそうです。
松田:あまりにも分かりやすいですよね(笑)。面倒くさがりの薫も、一回だけ「猿叫」と呼ぶにふさわしい裂帛の叫びを見せましたが、次はあるのか、ないのか? そんなところも楽しみにしてほしいです!
――エレンのタイ捨流は、体術や目つぶしも取り入れた、実践的な剣術だそうです。
松田:同じように刀を持っている相手に、体術をしかけるというのも怖いですよね。
鈴木:本作の世界なら、体を固くする“金剛身”がありますから、実在した使い手の人たちよりはしかけやすいとは思いますが、エレンは刀で斬るより蹴っている方が多いかもしれませんね。アフレコのときも「(戦いのときは)体育会系のような、気合いを入れた掛け声でお願いします」とディレクションをいただきました。
――第5話までで、印象に残っているシーンを教えてください。
本渡:第4話で、半分は使命感から、だけどもう半分は私怨から紫を斬るという姫和に可奈美が「重たそうだから、少し私が持つよ」というシーンです! こんな返しかたをされたら、誰だってほれちゃいますよ!
大西:それだよね! 私もそこが一番印象に残ってます。逃亡劇を始めたばかりのころの可奈美と姫和の会話は全然かみ合わないのですが、第4話でのエレンたちの対峙で見せたように、戦いになると途端に息が合うんですよね。そんな対比もおもしろいです。
鈴木:私は、時折見られるコミカルなシーンも好きです! 大きな胸が大好きなねねとか! 姫和の胸を見て「ねー…↓」とげんなりするのはどうなのっ、て(笑)。
松田:第5話で薫が「お前のペットにオレのペットが世話になった」というシーンが好きです。薫みたいな面倒くさがりの子が戦うには、何か強い理由がいるはずだと思っていましたので、台本でこのひと言を見てうれしくなりました。ここに彼女が戦う理由が凝縮されているようで。
和氣:私は、第2話で舞衣が手作りのクッキーを渡して可奈美と姫和を見送ってしまうところです。結果として、自分の親友が追われる日々が続いてしまうわけですから、すごい決断だったんだろうなと。彼女の芯の強さがかいま見られたひと幕でした。
木野:舞衣と知り合って、少しずつ心を開いていく沙耶香が大好きです! ああ、こういう守ってあげたくなる子だったんだなと。彼女にとって重要なシーンがこれから描かれますので、ぜひ見届けてあげてください。
――第2話では、姫和がチョコミントのアイスをおいしそうに食べる姿が描かれましたが、みなさんの好きな食べ物はなんですか?
松田:はい!(挙手しながら) 私は山かけまぐろです! ごはんがなくてもいいくらいで、これだけを毎日でも食べられるレベルで好きです!
本渡:私は辛いものですね。唐辛子、タバスコ、デスソース、北極ラーメン……なんでも好きです。最近の悩みは、食べ過ぎて大抵のものは辛く感じなくなってしまってきたことですね……。
木野:私は……お砂糖です! 甘いものというよりお砂糖そのものが大好きで、角砂糖は食べようと思えば何個でも食べられます。小さいころに角砂糖を食べ過ぎて、母にしかられた思い出があるくらいです。
鈴木:食べものではないですが、私はブラックのコーヒーですね。お砂糖はこれから木野さんに差し上げようと思います(笑)。
和氣:私は牡蠣です。たまにオイスターバーに行って、安い順にかたっぱしから食べていったりするくらいです!
大西:私は食にはそれほどこだわりはないのですが……最近気になるのはパクチーでしょうか。タイ料理をいただくときは、大抵増量してもらいます。
松田:とろみ、辛み、甘み、苦み……生牡蠣は生みで、パクチーはパクみ? まるでみんなの流派みたいですね(笑)。
――それでは、最後にひと言ずつメッセージをお願いします。
本渡:第1話から逃亡劇が始まると初めて知ったときは私も驚きましたが、衝撃的な物語がテンポよく描かれていきます。みんなそれぞれに刀使として何をなしとげたいのかという思いがありますので、それを応援しながら見てもらえればうれしいです!
大西:姫和たちメインキャラクターだけではなく、折神紫に仕える獅童真希や此花寿々花など、敵対する側にも彼女たちの思いがしっかりと描かれます。2クール作品ですので、まだ全体の1/4が終わっただけです! 今後もお楽しみいただければ。
松田:放送が始まる前からお話していたことでもあるのですが、みんなが修める剣術の流派がどのようなものかが分かると、作品の見え方が変わってより楽しんでいただけると思います。公式サイトにも各流派の解説がありますので、ぜひご覧ください!
和氣:私は、相反していたり敵対していたりするようなキャラクターと少しずつ仲よくなっていく展開が好きですので、姫和が少しずつ可奈美に心を開いてくれたり、沙耶香ちゃんが舞衣に懐いてきてくれているのがうれしいです。イベントにも力を入れている作品ですので、ぜひ遊びにいらしてください。
木野:作品に携わっている方たちの熱量がとても伝わってくる現場です。私も沙耶香ちゃんのお芝居を通して、その熱意を少しでもみなさんにお届けできればと思っています。心の成長の積み重ねで彼女がどう変わっていくか、見守ってあげてください。
鈴木:テンポがよく、とても勢いがある作品です。刀や流派に詳しい方はもちろん、そうでない方も、私たちキャストやスタッフのみなさんの思いで楽しんでいただけると思います。スマートフォンアプリ「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火」にも可奈美やエレンら、アニメのメインキャラクターたちが登場しますので、アニメともども、応援よろしくお願いします!
【撮影:石田潤 ヘアメイク:福田まい、花嶋まき、尾関真衣(admix B.G)】
取材・文:勝田周