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4月より好評放送中のTVアニメ「ヒナまつり」。WebNewtypeでは、その魅力に迫るインタビューを実施中。第7回ではヒナ役の田中貴子さん、新田義史役の中島ヨシキさん、アンズ役の村川梨衣さんにご登場いただき、第6話を見ての感想やアフレコ現場の雰囲気などをお聞きしました。
――アニメは第6話まで放送を終えました。まずはアニメをご覧になっての感想をお聞かせください。
田中:(第6話の)Aパートで初めて新田の実家に行くって聞いて、ヒナが珍しくすごい頑張るんです。新田に言われて娘じゃない体をやってる姿がすごく可愛くて。でも、一番印象に残っているのはエビチリのシーンです。アニメを見たら回想シーンで銃弾がヒュンヒュン飛んでいて、「あっそういう感じになるんだ!」と、シュールな感じがすごい面白かったです。あと、新田の実家の背景がめちゃめちゃ綺麗に描かれていて、本当にこういうお家ありそうだなぁと……。新田のお母さんがしているネックレスが、かなり高そうな感じなのも気になりました……。
中島:すごいところ見てる(笑)。
田中:すごい高そうなものをつけていて、もしかしてお父さんの形見なのかもしれないと思ってしまいました(笑)。Bパートの林夫婦の奥さんも似たようなネックレスつけていて、「アレ?」みたいな。もしかして新田のお父さんが実は林家の……。
中島:違います!
一同:(笑)。
田中:いろいろ想像しちゃいました。
――中島さんはいかがですか?
中島:絵が綺麗! すごく動く! 数多くのアニメーションがある中で、コメディアニメにも関わらずトップクラスの作画っていうのが、まず笑いどころの一つだと思うんです。放送は折り返し地点まで来ましたけど、絵が一ミリも崩れることがないっていうところに、スタッフさんの愛情とかパワーをすごく感じますね。あと原作の読者の方も、アニメで知ってくださった方も評価がすごく高いのは嬉しいことだなって思います。でも、思った以上にヒナがクズ野郎で……。
田中:えっ!
中島:冷静に見てみるとヒナは本当に酷いやつだなって(笑)。それが受け入れられているのが不思議なんですけど、そこがフィクションならではの面白さだなと思います。
――田中さんは、周りから寄せられる声などありますか?
田中:「全然、印象と違うね~」とは、すごい言われるんですよ。徳島で開催された「マチ★アソビ」に行ったとき、「『ヒナまつり』見ました!」「本人と真逆なんですね」ってすごく声をかけられました。ヒナはあんなに無感情なしゃべり方なのに、「可愛い!」って言ってくださって、ヒナを受け入れてくれるんだなって。日本中のみなさん、心が広いなあと思いました。
――そして、天使のようなアンズを演じる村川さんはいかがですか?
村川:アンズは尊いの権化です。純粋で真っ直ぐで優しくて…あ、天使がいるってなります。原作からご存知の方はアンズが“天使”であることはご存知なわけですし、アニメからご覧いただいてる方も“天使だな”って感じていると思います。なので、演じる身としては、「その通り!」っていう感じです(笑)。
――そんな正反対なキャラも登場する「ヒナまつり」ですが、もしご自身が誰かを引き取らないといけないとなった場合、どなたを……。
中島:お断りでしょう!
田中:ぜひヒナを!
中島:いやいや、僕、新田さんほどお金と余裕がないので。朝起きて250万の領収書がそこにあったら、ねえ? 逆に僕が新田さんに引き取られたいぐらいです(笑)。
――瞳なら引き取ってもよさそうですが。
中島:あー、でも瞳を引きとった場合、雇われる可能性が。
田中:可能性高いですね。
中島:社長のほうが偉いので、キツイ生活になりそうです。
――田中さんは?
田中:組長。
中島:引き取るか!? それは遺産目当てでしょ!
田中:遺産目当てとかじゃないですよ。あんなにも、「いや~ヒナちゃんヒナちゃん」みたいな感じで愛してくれるっていうのは、ヒナとしてじゃなくても、組長が家にいたら心強いなあと。
村川:心強い……かな?
田中:普通に考えると、やっぱりアンズですかね。大好きですけど……ヒナはないかなー。私がイクラ嫌いなので、食生活が合わないんですよね。朝起きてイクラ丼だったら、すごいケンカになりそう。やっぱり食が合わないと夫婦はダメになるって言う話を聞いたことがあるので、友達も一緒かなと。
中島:やめときましょ。引き取るの。
――みなさんノリノリですが、アフレコではアドリブを入れられたりするんですか?
中島:実は、アドリブってほとんどないんですよ。台本や原作がおもしろいので、それをいかに再現するかっていうのがスタッフさんの共通認識だと思うので。あえて「これをやってやろう!」って持ち込んでいった人は少ないと思います。
村川:なので必要に応じてって感じです。我々はキチンと演じて、逆にスタッフさんから足してくれって言われたら足すぐらいの感じでやっていましたね。
中島:例えば第3話の、ヒナがホームレスになって「おめぐみを~」って言っている後の新田とアンズがキャッキャウフフしながら歩いていくシーンは台本ではアドリブって書いてあるんですけど、原作に書いてあるセリフまんま読んでいるんですよ。
田中:ほかにも、ささいな言葉をハッキリ言ってくださいってよく言われて。「ヒャッハー」って言葉も「『ヒャッハー』ってしっかり2回言ってください」とか。「ウキャキャキャキャキャキャー」っていうのもしっかり文字数も全部同じで「ウキャキャキャキャキャキャー」ってしっかり言ってくださいとか。
中島:台本に「奇声」とか書いてあるわけじゃなくて「ウキャキャキャキャキャキャー」って書いてあるんですよね(笑)。まんま書いてあるんで、このまま読めば面白いですよね。でもたぶん一番アドリブを入れてたのはこの人ですよ。
田中:えっ、そうですかね?
中島:うん。
田中:あっ、6話のエビチリのとこで、音響スタッフさんから「ここ適当にアドリブを入れてください」って言われて「エビチリ、チリチリ……」って入れたりとか。
中島:1話で新田がヒナにドライヤーを掛けてる時に「あーー」って言ってるんですけど、冷静に考えたらちょっと意味がわかんないですよね。風が前から当たっていたらわかるんですけど、後ろから当たってて、「あーー」となるのは……。アニメにも採用されていましたけど、なぜ言葉を発してるのかがそもそも意味がわからないし。2話のあっち向いてホイでも「あ゛~~~」とかヒナがやっていたからアンズも「う゛ぁっ」ってやらざるを得なくなってましたし、(スタッフさんから)「アンズもいいですか?」って言われてたし(笑)。
田中:アレ? 私によって……??
中島:作品が動いてるなあって。
田中:世界を動かしている……。
村川:そこまでは言ってない。世界までじゃないから!
田中:「ヒナまつり」を動かしている……。
中島:いい方向に行ってることもある“かも”しれない。
田中:“かも”ですね。かも。……いい方向に行ってるとは言い切れない?
中島:いや……いい方向に……。
田中:ありがとうございます!
中島:現場からは以上です。
――アフレコ現場の雰囲気もこんな感じですか?
中島:こんな感じです(笑)。
【取材・文:佐藤京一】