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いよいよ2019年1月から放送開始となる、マナリア魔法学院で学ぶ2人の少女の日々を描く『マナリアフレンズ』。主人公であるマナリア王国の王女・アンを演じる日笠陽子さんと、その親友であり、竜の国の王女でもあるグレアを演じる福原綾香さんに、それぞれのキャラクターや作品の魅力をうかがいました。
――まずはお2人が演じるキャラクターについて教えてください。
日笠:アンはマナリア王国の王女様で、マナリア魔法学院でひとりの生徒として学生生活を送っています。ですが、持ち前の才能や、幼いころから受けた英才教育による努力の賜物などがあって、他の生徒たちとは魔力の大きさがケタ違いなんです。自分のそんなところが他の子たちに壁を作られる原因になってしまっているのではないかと、孤独を感じてしまっています。ですが、グレアの出会いでそのさみしさが癒されるに至りました。とにかく明るく、グレアが大好きな女の子です!
福原:グレアも、アンと同じく王女様です。彼女は竜と人のハーフということもあってツノやシッポがあって、そうした竜族の血を引く者ならではの身体的特徴が、人を怖がらせているのではないかとコンプレックスに感じています。周りの子たちはそんな彼女のことをきれいとか美しいと思っていてくれるのですが、自分自身で線を引いてしまっているところがあって…それに気づかせてくれたのがアンです。
日笠:グレアは、からかったりしてイジると怒ったり照れたりするのがかわいいよね! 一見クールそうに見えるから、よけいにそう感じるのかも。シッポとかさわりたくなっちゃう。
福原:アンは誰からも好かれる明るい優等生タイプの子だと思いますけれど、グレアに対しては結構ワガママですよね。
日笠:わかる(笑)。ワガママを言っていて、グレアに甘えてるなと私も思うもの。きっと、そうさせてくれる人が周りにいなかったんじゃないかな。あれが素なのかも。
福原:きっと、アンもそれは自覚しながら甘えていると思いますが、そんなところがいかにも心を開いてくれているようで、甘えられるこちらからもとてもかわいらしく見えるんです。普段きちんとした子が、自分にだけワガママなところを見せてくれる……いいですよね!(笑)
――ご自身と演じるキャラを比べて、似ているところはありますか?
日笠:「結構、お互いに似ているんじゃないかな?」と感じています。私は、学生のころから率先して「遊びにいこうよ」と動くタイプでしたし、学級委員をしたこともありました。学級委員って、生徒会の役員ほどビシッとしている必要はないんですよね。ただ、お祭り騒ぎの火付け役であればいいのかなって。そんなところはちょっとアンに似ているかな。
福原:私もグレアと同じように、「輪の中心にはいないけど、何かに巻き込まれるのはそんなにイヤではない」タイプです。日笠さんのような方が周りにいてくださったら「これをやっておくね、あれもやっておく?」というような感じでこまごまとしたことをしながら嬉々としてついていくと思います(笑)。
日笠:私と、そしてたぶんアンもすごく大雑把なんだけど、福原ちゃんとグレアはいつも落ち着いているよね。私はいつもあまり深く考えずに思い立ったら即行動しちゃうけど、2人はその時にまず何をすべきかを考えてから動く印象があります。自分にないものを持っているとわかるからこそ、私もアンも、福原ちゃんとグレアを好きになるんですよ。
福原:めっちゃほめてもらってる……!
――それぞれのキャラを演じるうえで、大切にしていることを教えてください。
日笠:アンはとにかくグレアが大好き! 私としては、ゲーム(『神撃のバハムート』)のときよりも、アニメのアンの方がその気持ちが強いのではと感じています。だから、グレアのことが大好きな気持ちも、大好きなグレアだからこそワガママを言ってしまう姿も、思いっきり素直に演じようと心がけています。いつもは王女としてしっかり振る舞っている女の子が、無邪気になれる瞬間をうまく切り取ってお見せできればと。
福原:グレアは、アンの前だと特にそうなのですが、何かとはずかしがるシーンも多いんです。しかも、制作スタッフのみなさんの表情へのこだわりがすごくて、あれはきっと、かなり気合いを入れて描いていると思います(笑)。そういうときの「ちょっとはずかしいけれど、アンのことは好きだしなぁ」という繊細な間合いがとても丁寧に描かれていますので、彼女はじらいの気持ちをさまざまな色で見せられたらいいなと思っています。
――マナリア魔法学院の制服は人間用に作られているように見えますので、もしかしたら制服を着るのも最初ははずかしかったかもしれませんね。
福原:そういえばそうですね! 翼を出すために背中が開いてるし……。
日笠:でも、ミランダ先生やアンが着せようとするコスチュームの方がはずかしいんじゃない?
福原:それはありますね! それに比べれば制服は「まだはずかしくないな」と思っていそう。あれ? グレアは徐々に慣らされしまっている……!?
日笠:「500万円」と言われたあとに「10万円」と言われたら「あ、安い!」と思ってしまうようなものかもね(笑)。
――物語は2人が通うマナリア魔法学院が主な舞台となるかと思いますが、お気に入りの場所を教えてください。
日笠:魔法学院というだけあって、アンの自室、生徒会室、談話室、図書館……とどこにいっても書物がたくさんあるんです。特定の場所というよりは「山のような書物に囲まれているアン」というイメージが印象に残っています。
福原:グレアはピアノが小道具として効果的に使われるシーンも多いので、音楽塔のサロンが印象に残っていますね。思えば、アンとの出会いもここでしたしね。
――もし、お2人が魔法学院に通うことになったとしたら、どんなことをしたいですか?
福原:もちろん、魔法は学んでみたいですけれど……魔法ってどんなものなのでしょうね?
日笠:作品によって定義がさまざまだったりして幅が広いから、意外にピンとこないよね。
福原:肩こりを治す魔法があるなら覚えたいですね……。「治癒魔法」と言えばそれっぽいですかね?
日笠:あ、いいなその魔法! もし神様にひとつお願いをかなえてもらえるならそれだなって! 二度と肩こりにならない体にしてもらう! 私はいつも肩を回すだけですごい音がするので、もしアンが激務に疲れて肩が凝っているシーンがあったらこの音を録って使っていただきたいくらいです(笑)。
――アンは近衛騎士のオーウェンが護衛としていつもそばにひかえています。もしお2人がこの世界で護衛や従者をつけるなら、どのような存在がいいですか?
日笠:オーウェンはちょっとイヤかな……。「いくらなんでも、どこにでもついてきすぎ!」と思ってしまったりしますので(笑)。
福原:でも、剣のウデも確かですし、たまに助言したりもしてくれるじゃないですか。そういうところはいいのかも。
日笠:なるほどね。とりあえず、ウデっぷしは強い人がいいかな……。
福原:力は正義ですしね……。
日笠:あと、私としては変身とかしてほしい! 普段はネコの姿だけど、突然の雨に困っているときは傘に変身してくれる……そういうマスコットタイプの使い魔といいますか。それと声は水樹奈々さんでお願いします!
福原:声まで……!? いいですね、そこまで決めるの! それなら、私は狼が好きなので、普段は狼の姿をしているのがいいですね。映画『ブラックパンサー』の吹き替えを観たら、ブラックパンサーの声を当てられている田村真さんのお声が本当にすばらしかったので、声優は田村さんにお願いしたいです!
――アニメ序盤の見どころを教えてください。
日笠:オーウェンの視点で描かれるパートがあって、私はそこが好きです。彼は「本当に任務というだけでそこまでできるの!?」というくらい使命に忠実なんですよね。まだ若い彼がそこまでできる理由が丁寧に描かれていて「姫と騎士」という構図にキュンとしてしまいました。私の中では、彼は言ってしまえばギャグキャラに近い認識だったのですが、イケメンに描かれていて印象が変わりました。なんだか悔しいです(笑)。
福原:第2話は、視聴者のみなさんの心をつかみにいくお話といいますか…グレアがちょっとえっちなところを…いえ、えっちなわけではないのですが……とにかく、そんな感じのお話ですので、どういう絵が付くのか私も楽しみです! "水着回"ならぬ“●●回”です。これが丁寧に描かれるアニメって、なかなかないですよね?
日笠:うんうん、ないない!
――その“●●回”を楽しみに待っています。それでは、放送開始に向けて、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
日笠:『マナリアフレンズ』、大変お待たせいたしました! ついにご覧いただけることになりまして、私も放送開始を楽しみにしています。アンとグレアの物語というだけでは終わらず、他の子たちからの目線や感情も描かれていて、いろいろな角度から楽しめる作品になっています。よろしくお願いします。
福原:キャラクターの関係性を見せるための余白がしっかり取られていて、オトナの見せ方をしている作品だと思います。「ここの沈黙はどう解釈すればいいかな?」というような行間を読ませる作りになっていますので、さまざまな読み取り方をしていただいて、私たちといっしょに楽しんでいただければと思います。
【取材・文:勝田周】