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日本、そしてアジア4か国で配信され愛され続けるアプリゲーム「モンスターストライク」を原作としたアニメシリーズがYouTubeにて好評配信中。その最新エピソードとなる「ソロモン 叡智の魔術王」は2019年新春に開催されたイベント「超獣神祭」で登場したソロモンを主人公に、彼女が困難を乗り越えながら王女として成長していく姿を描いた作品です。フル3DCGで表現された迫力あるバトルシーンなど見どころ満載の本作。3月からの放送再開を前に、ソロモン役の内田真礼さんに役を演じてみての思い、作品に参加しての感想などをうかがいました。
――ソロモン役に決まったときは、どんなお気持ちでしたか?
内田 素直に「やったー!」という気持ちでした(笑)。ただ、そのときはアニメということでお話をいただいたので「ゲームの声も当てられるということなのかな?」とワクワクしていました。ゲームでソロモンが登場する「超・獣神祭」が1月1日に始まったときは私もガチャを引きました。バッチリ、ソロモンが出てくれたのでうれしかったです(笑)。
――今年の1月1日は、内田さんは武道館でライブをされていたかと思いますが……。
内田 年が明けた瞬間、寝る前にやりました。「ライブがあるけれども、1回やっておくか」って(笑)。「モンスト」に出させていただいたことで本当にたくさんの反響をいただきました。元旦の1時くらいに「ゲットしました」という報告が来たりとか、逆に「全然出ない」という文句が私のところに来たりとか(笑)。私に言われても困っちゃいますけど、そのくらい「ソロモンが欲しい」とみんなに思ってもらえたというのはうれしいことですね。
――ソロモンはキャラクターデザインもすごくかわいいですよね。
内田 私も「超・獣神祭」のPVを見たときに感動しましたね。「このPV、高まるなあ~」と思って。私も「モンスト」を遊んでいたので「ストライクショット!」と言えたのもうれしかったですし、新しいものが始まるんだというワクワク感もあって、かなりテンションが上がりました。お正月ということもありましたし(笑)。
――アニメではソロモンがフル3DCGで動きます。
内田 想像以上にヌルヌル動いていて、本当にびっくりしました。天使のカシエルと悪魔のフォルネウスが飛んだりしているところも「どういうふうになるんだろう?」と思っていたんですけど、すごくきれいに描かれていましたね。実は収録のときには、モーションアクターの方の声が入っていたんです。つまり、モーションアクターの方の動きに合わせて絵を動かしていって、さらに声を当てていってということをしているんだなって。このアニメができるまでに何段階もいろんな人の手が加わっているというのがわかって、気合いの入った作品だなと思いました。
――戦闘シーンとかも、かなり激しく動いていますよね。
内田 すごく迫力がありますよね。絵の色味とかも私は好きで、この世界に入り込めるぐらい素敵だなと思ったので、そこは皆さんにも楽しんでもらえる部分かなと思います。
――アニメでソロモンを演じてみて、いかがでしたか?
内田 アニメのソロモンは……いやあ、大変でしたねえ~(笑)。ソロモンがぶつかる壁は常に高くて「なんで?」と思うようなこともあったけど、彼女自身はまっすぐに、気持ちがぶれずに突き進んでいくから、演じていて気持ちのいい子だなと思いました。カシエル、フォルネウスと3人で行動しているときのかわいさもそうですし、相棒であるレビィとのやりとりでも、レビィがちょっと暗い影をもっているのに対してソロモンは太陽感があるというか、国を引っぱっていく大きさみたいなものを感じて、見ていてすごく清々しかったです。ただ、特に後半は大変で、最後に向かっていくにつれてバトルシーンは「喉がどこかに飛んでいっちゃうんじゃないか?」というくらい激しくなっていって。
――物理的にも大変だったし、精神的にもつらかった?
内田 周りの環境が変わっていく中で、心がやられてしまいそうなことも多かったですね。思い返せば、1話が幸せの極みだったような気がしています(笑)。話数が進むにつれて町の人たちが出なくなったりするというのもあって、私自身も孤独な戦いになっていったんですよね。ソロモンも「どうやって王として進んでいくのか」「本当になれるのか?」みたいなことがあったと思うんですけど、まったく考える暇を与えられないまま、いろんなことに巻き込まれて、かなり険しい道のりを行くことになってしまって。でも、全編通して見てみると、高い壁を乗り越えて成長できたんじゃないかと思います。私の中の印象も、ちょっと変わりましたね。背中が大きく見えたような気がしましたよ(笑)。最初は魔法もちゃんと使えないし「大丈夫かな?」と心配されていた方も多いと思うんですけど……。
――エピソードのタイトルが「ソロモン 叡智の魔術王」ですけど。
内田 「叡智とは?」って(笑)。勉強熱心ではあるけれども、まだちょっと子供っぽいかなあという印象でしたよね。敵も強かったですし。
――味方側ではカシエルとフォルネウスがかわいくて、癒しになっていました。
内田 私が頭の中でイメージしていたよりも100倍くらいかわいかったですね(笑)。カシエルとフォルネウスは「どういう感じで演じられるんだろう?」と思って、アフレコを楽しみにしていたんですよ。そうしたら、ものすごくかわいくてキュンキュンが止まらなかったです。カシエル役の(佐藤)聡美さんもそうですし、フォルネウス役の吉野(裕行)さんも普段はクールでかっこいい方なのに、フォルネウスを演じているときはかわいく見えてくるんですよ。ご本人にはもちろん言えないですけど、心の中で「めっちゃかわいいです!」と、いつも思っていました(笑)。あの2人がいてくれたから、ソロモンが深刻になりすぎてしまうことがあっても引っぱり上げてもらえた気がします。つらいシーンは本当に多かったですけど、あの子たちがピタパンを食べてくれていたら何とかなるかなって思えてくる(笑)。……そういえば、私もピタパンを食べたんですよ! 「ソロモン編」のアニメを収録していたら急に食べたくなって、私も食べました(笑)。おいしかったなあ~。
――これからクライマックスに向かいますが、注目してほしいポイントや見どころは?
内田 バトルが激しくなっていって、そこは大きな見どころのひとつなんですけど、やっぱりソロモンの“折れない心”ですかね。ここまでいろんなことがあって、くじけそうになっても、支えてくれる人たちの力がすごく大きかったなって。1話に出てきた町のおばちゃんとか、今まで出会った人たちの顔が浮かんで「私は頑張らなければいけない」と決意を新たにするという、ソロモンの思いが伝わってくるシーンがあるんですよ。なので、ソロモンの王としての目覚めも今後の見どころのひとつかなと思います。
――ソロモンは立派な王になるために努力していますが、内田さんご自身は王になれると思いますか?
内田 いや、大変だと思います。プレッシャーもあるでしょうし……。でも、普段は全員の顔を見ることはできないけど、たくさん人がの支えてくれているというのは通じるところがあるのかなと思います。私もライブをやったりして、たくさんのお客さんが来てくださって、そういうことを考えると、その期待を背負うのも悪くないのかも?と思います。私も期待されると、よりパワーを発揮できるタイプだったりして、その点でソロモンの気持ちがとてもわかるなあと思ったりはします。あと、彼女の勉強熱心なところはすごく尊敬していて、だからこそ王になれるんだろうなと思います。人に対しての接し方や、愛想の良さだとか、優しさのあふれるところなど、シリアスなシーンでも場の空気をパッと切り替えられる人だなと思っていて、そこはお芝居でも出せたらなと思っていました。
――最後に、ソロモンの活躍を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
内田 今後のストーリー展開でも、ソロモンにはさらなる過酷な運命が待っていて、傷つきながらも成長していく中で、大きなものをつかんでいきます。ぜひ、ソロモンの成長の物語を最後までしっかり見届けていただきたいです。
取材・文:仲上佳克 撮影:福岡諒祠