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三石琴乃がハンカチを濡らす覚悟で挑む!? ラフィングライブ第五回公演で山寺宏一&三石琴乃&水島裕が舞台初共演!

山寺宏一さんや水島裕さんら声優陣が中心となって、コメディ作品を毎年上演している演劇ユニット・ラフィングライブ。11月28日(木)に開幕する第五回公演「Out of Order(アウト オブ オーダー)」には、なんと三石琴乃さんが初参加! お腹がよじれるほど笑えると評判が高いラフィングライブの魅力や新作の見どころを教えてもらいました。

――三石さんのご出演はどんな経緯で決まったのでしょうか?

三石 2年前に山寺さんから軽く聞かれた際に「機会があればぜひやりたいです」とお伝えしていたんです。今年に入ってから正式にお話をいただいて、「やっときた!!」と喜びました。

山寺 「やっときた!!」なんて言ってくれるの!?

三石 だって、山寺さんから以前に「こういうのやってるんだよ」と(ラフィングライブの)チラシをいただいて、面白そうだなと思っていたら、なんと「もうチケットないんだけどね」と言われて(笑)。それが衝撃的で、ずっと待っていました。

山寺 え? それ、最高にイヤなやつじゃないですか(笑)。記憶にないんだけどなあ……。たぶん僕としては、近況報告をまじえて「いつか出てほしいんだよ」という意思を伝えるつもりだったんだと思う。三石さんは「劇団あかぺら倶楽部」でコメディをやっていらして、僕も何回か観させていただいていたので。

三石 そうなんです。コメディは難しいけどすごく楽しくて、またやりたいという気持ちがあったので、「やっときた!」と思いました。

水島 三石さんに、山ちゃんが直接交渉して連絡をとってくれたんだよね。

山寺 お返事をいただいたときは、「朗報!やったー!」と裕さんと野坂(実)さんにすぐ連絡したら2人ともで喜んでね。これで今回の公演の成功を確信しました!

三石 いえいえ(笑)。

――次回の新作はレイ・クーニー作の「Out of Order」。この作品にどんな魅力を感じていますか?

山寺 僕が演じる政治家のリチャードがホテルで浮気をしようとしているところに、ある事件が起きて、その密会がバレないように、裕さんが演じる秘書のジョージたちを巻き込んでごまかしていくというお話です。裕さんと共犯関係になるのは、おなじみのパターン。

水島 今まで2人は友人関係が多かったんだけど、今度は主従関係っていうところが違うよね。

三石 私は、山寺さんが演じるリチャードの奥さんであるパメラ役です。これは楽しいと思いました(笑)。レイ・クーニー作品で以前、浮気側の役はありましたけど、今度は周りのみんなが嘘の上塗りをしていくので、立場としては余裕あり(笑)。

山寺 特に裕さん演じるジョージが、巻き込まれた側なのに、なぜか必死にごまかそうとする。やらせている側のリチャードが「そのやり方が悪い!」って怒ったりするからホントにタチが悪くて、そこが面白いんですけど(笑)。ジョージがすごい方法でごまかそうとするのが、この作品の見どころ!

水島 そう!今までにやったことのない説得の仕方をするんですよ。答えを知りたかったら……観に来て!

山寺 台本をはじめて読んだときに、裕さん本当にこの大変そうな役をやるの?って思いました(笑)。でも、あの手この手で周りを説得させるのが、レイ・クーニー作品の面白さのひとつですね。

水島 それを、演出の野坂さんがどう料理するのか。それが楽しみでもあります。

――野坂さんの演出の面白さとはどんなところなのでしょうか? 三石さんは、野坂さん演出作品に出演経験があるそうですね。

三石 クロジさんの公演でご一緒していたので、演出が野坂さんだと聞いたときは、安心しました。野坂さんは物語をちゃんと俯瞰で見て、役の気持ちの流れをわかってくださっているので、安心感と信頼感があります。

山寺 任せておけば大丈夫っていう安心感はあるよね。ただ絶対に褒めてくれないからなあ、僕は褒められて伸びるタイプなのに(笑)。だから本番が始まるまで、自分のお芝居が本当に面白いのか確信が持てないんですよ。他の劇団では大爆笑って言われている作品について、そこを超えたい想いで毎回やっているけど、今回は失敗なのかな……と不安になります。でも、いざ自信のない中で舞台に立ってみたら、「笑いの効果音が入った?」って勘違いするくらいの大爆笑が起きて!

水島 そういえば、舞台が上がる直前に山ちゃんから「ほんとに(この舞台)面白いんですかね?」って、真顔で言われたことがあったね。

山寺 本番で毎回びっくりするんですよ。しかし野坂さんは、決して大爆笑が起きても浮かれることはなく、「台詞回しが遅い」とか「間が長すぎる」など、違う点は穏やかに冷静に指摘してきます。そして、いいと思っても別に褒めない(笑)。

水島 去年は、千秋楽で山ちゃんが楽屋でダメ出しされていた。さすがに山ちゃんが「今日もですか!」って言っていたのを覚えてる。しかも台本にびっちり書きこむぐらいの量だった。主役でセリフの量が多いから、どうしてもね。

三石 そうなんですね……。私も野坂演出でハンカチを濡らすことがあるかもしれない(笑)。でも、天才・山寺宏一がこれだけ四苦八苦しているのを知って、なんだか素敵だなあと思いました。アフレコスタジオではこういうお姿が見られないので、お芝居で濃密な時間を一緒に過ごすのがますます楽しみになりました。

山寺 琴ちゃんからそんなこと……。(取材陣に)「素敵」って書いておいてくださいね(笑)。野坂さんの演出作品は修行です。滝に打たれている感覚。でも本番がいちばん楽しいかもしれないな。緊張するけど。

――本当に笑いを追求されていることが伝わってきますが、素晴らしいキャリアをお持ちの皆さんでも緊張されることが……?

三石 私も以前、舞台で出番を間違えたり、セリフを忘れたりしたことがあって、その恐怖は常にあります。でも緊張と常に隣り合わせっていうのは、いいですよね。

水島 逆に怖いのがなくなったら、ダメでしょうね。緊張感をもって時間をかけて舞台を作りあげていく。山ちゃんは幕開けと同時に出ることが多いから、余計に緊張するかもしれないね。俺らはもう始まっているところにポーンと入るから。今回もそうでしょ? また緊張するよ~(笑)。

山寺 最初から緊張している役ならいいんだけど、今回は浮気を楽しもうとしている役だから(笑)。舞台の立ち上がりって大切だから、先発ピッチャーの役目は重要だとすごく感じます。

――今回の座組みで楽しみにされていることは?

三石 今回のメンツは、オモチャ箱をひっくり返したみたいな“混ぜるな、危険”なメンバーが集まっているように感じます(笑)。私もその中で、吸収できるところは吸収していきたい。先輩方が多い舞台で、どんな刺激が待ち受けているのか楽しみですね。

水島 吹き替えの現場でも、今はそんなに年齢が上の人がいないものね。このメンバーがアテレコで揃ったことは一度もないし。

山寺 付き合いが長い琴ちゃんとようやく舞台で共演できるのは本当に楽しみです。そして、今回出演する岩尾万太郎は、僕の養成所の同期なんですよ。養成所を出てプロになって、キャパ30人くらいの舞台でコンビ役をやって以来、30数年ぶりの共演。いつか一緒に芝居しようねって誓い合いながら、その機会がなかなかなかったから、思うところがいろいろありますね。

――“笑いを届ける”ラフィングライブの舞台は、明るい話題を提供してくれそうだと感じます。最後に、次回公演へのお誘いの言葉をお願いいたします!

三石 笑っていただくためには、しっかり稽古をして真面目にやることが大事だと思っています。一生懸命取り組んで、劇場は皆さんに会えることを楽しみにしています。

水島 ラフィングライブは勘違いや入れ違い、すれ違いがポイントで、わかりやすく笑ってもらえると思うので、1年の憂さ晴らしに笑いにきてほしいですね。

山寺 すべての人が100%喜んでくださるのは難しいと思いますが、少しでも多く笑ってもらえることを目指してやっています。今まで演劇を見たことがない人も、どんなきっかけでもいいので、たくさんの人に来てほしいです。絶対に損をさせない自信があります!

ラフィングライブ第五回公演「Out of Order」は、11月28日(木)~12月2日(月)まで三越劇場にて上演。チケットは全席指定7200円。

【取材・文:吉田有希】

リンク:ラフィングライブ第五回公演「Out of Order」
    公式Twitter・@laughingliveact

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