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約6年振りの新作アニメとして絶賛公開中の『世界一初恋 〜プロポーズ編〜』。4つのカップルのエピソードが描かれた本編が大きな反響を呼び、EJアニメシアター新宿のコラボカフェは、連日行列ができるほど賑わいを見せています。
公開4週目は、『劇場版 世界一初恋〜横澤隆史の場合〜』が本編と一緒に鑑賞できます。そこで、横澤隆史役の堀内賢雄さんと、桐嶋 禅役の蒼月 昇さんに、新作の見どころなどを伺いました。
——まずは「プロポーズ編」のお話を聞かれた時の感想をお聞かせください。
堀内:ちょっと間は空きましたが、何よりも「横澤さんにもう一度命を吹き込めるんだ!」という喜びが大きかったです。どんなプロポーズなんだろうと気になりつつ、前作(『〜横澤隆史の場合〜』)からずっと一緒にいたんだな、という想いが湧き上がってきましたね。
蒼月:本当に、待望でしたね。SNSでみなさんがアニメ化を期待されているのを知っていたので、「ついに来た!」とすごく嬉しかったです。でも、まだプロポーズしてなかったっけ…と。言われてみれば、まだでしたね(笑)。
——本編をご覧になった感想は?
堀内:コンパクトだけど濃厚で。横澤のツンデレを桐嶋がうまい具合にかわすのを「今だに主導権を握られているんだ…」と思いながら見ていました(笑)。それでも以前より横澤は桐嶋に言い返せるようになったなと。打ち解けて、言いたいことを言えるようになったんでしょうね。ラストはてっきり、桐嶋の家に行くのかなと思ったけど…。
蒼月:それは、ソラ太にご飯をあげなきゃいけないから仕方ないですよ。
堀内:そういうことも織り込み済みなのね(笑)。
蒼月:でも本当に、2人の距離感が近づいた感じがしましたよね。横澤が今では完全に桐嶋を受け入れているんだなと。桐嶋もやっぱり、常に自分がリードするのではなく、自分の弱い部分や甘えている部分を見せられるようになったと思います。2人が日和の話をしている時にそう感じました。
堀内:桐嶋の「横澤ごときが!」みたいなセリフが大好きでね。
蒼月:桐嶋らしくて大好きなセリフ。横澤は桐嶋を気づかうようなセリフで、「つい言っちゃった」みたいなさりげなさが良かったですよね。
堀内:そうそう。その後の展開が衝撃的で、「この人たち、なんなの!」って思ったけど(笑)。桐嶋のコートとマフラーもシンプルでかっこ良かった。
蒼月:そうですね。横澤は横澤で、いつものサラリーマンっぽい感じがむしろ良いんだけど。
——この新作で、また横澤×桐嶋カップルの魅力が増したように感じました。
堀内:いい感じの夫婦みたいになってね。2人はすごく大人だし、セリフにも人生経験の豊かさを感じるんだけど、それでいて子どもっぽいところがあって、バランスがいいなと思います。新作でちょっと年齢を重ねた夫婦みたいな会話もあるけど、2人が話しているとオシャレに感じられるのがすごいなと思いますね。
蒼月:本当にその通りで。お互いに背伸びしなくていいし、肩ひじを張らなくてもいい、とても自然なカップルなんじゃないかな。やっぱり大人同士で認め合っているからだと思いますね。人間として根本的に尊敬しあっているのが伝わってくるし、だからこそ馬鹿にするようなツッコミを入れても、ちゃんといつもの関係に戻れるのだと思います。
堀内:他のカップルのエピソードもみんな衝撃的で、どれも素敵でね。
蒼月:あの律ちゃんのエピソードは最高でしたね。あのアイテムはすごいアイデアだなあ。流れも自然ですし、とても良かった。
——「約束」が一つのテーマになった作品ですが、お2人がご自分に課している「約束事」をぜひ教えていただけたら!
堀内:いっぱいあるんですけど、「夜12時までに飲み終わる」ことかなあ。前作の横澤じゃないけど、僕も意外とハートが弱いところがあって、衝撃的な出来事があると深酒しちゃうんですよ。でも12時以降に飲んでも発散にならないし、二日酔いになるだけだから。11時59分とかに踏みとどまってます。
蒼月:ギリギリ(笑)。でもそれって時間より量の問題じゃない?
堀内:たしかに量の問題もあるけど。12時前に飲み終わると本当に翌日の朝から頑張れるんだよね。
蒼月:前日に飲んでゴルフに遅刻してきたことがありましたよね! 仕事ではそういうのなかったの(笑)。
堀内:仕事ではないの!
蒼月:(笑)。僕もお酒が好きで。今年の抱負として、翌日のお仕事に影響しないくらいに控えようって決めたんですよね。
堀内:さすがは気が合いますね!
蒼月:前日に飲むと納得できるクオリティの仕事にならなくて。やっぱり、すべての仕事にベストコンディションでのぞみたいですね。
——他にも、いい声を保つための習慣などはあるのでしょうか。
堀内:僕はね、いい声なんて言われたことはないんですけども。
蒼月:いやいや、みんな思ってますよ(笑)。
堀内:違うんです、いい声というか、ちゃんとした発声というかね。いちばん最悪なのは、睡眠不足だと口が回らなくなるんです! 周りが気づかない程度かもしれないけど、自分では気になって。それを感じるのがイヤで、体調管理を大事にしたいなと。
蒼月:僕は、毎日朝晩、必ずうがい薬を使ってうがいしています。あとはやっぱりストレスをためないようにスポーツで発散することかな。ゴルフもそうだし、スノボーとかスキーとか。
堀内:蒼月先輩はいろいろやられるから。ちなみに、ゴルフは僕のほうが圧倒的にキャリアがあるんですよ。それが、あっという間に抜かれちゃって。一緒に行く人から必ず「努力する人はすぐに結果が出るんだよ」って言われるの。
蒼月:いやいや、そんなことない! 堀内先輩に追いつこう、追いつこうと頑張っているだけですから。僕は練習が好きなんです。堀内先輩はあんまり練習しないでしょ?
堀内:行き当たりばったりが好きで、競技はあんまり向かないというか…。ずっと運動部なんですけどね。ゴルフで声は良くなりますよ、「ファーーー!」ってずっと言ってるから。
(ファー=フォアー:打球がそちらに飛ぶから注意して、と周りの人に伝えること。つまり、打球が思わぬ方向へ飛んでしまうこと)
——では改めて「世界一初恋」という作品に感じている魅力を教えてください。
堀内:まず出版社を選んだところがすごいよね。漫画家がいて編集長がいて、立場の違いが分かりやすくて面白い。桐嶋なんて編集長だから「俺より偉い」と思いながら(笑)。そのうえで恋愛が複雑に絡み合っていくでしょ。高野は律くんの初恋の人なのに、衝撃的なドラマがあって、横澤はそんな高野に振られ、気づいたらベッドの上…みたいな度肝を抜かれる展開もあってね(笑)。複雑すぎず、人間ってけっこうシンプルなのかな、とも思えるのがいいですね。
蒼月:それぞれのカップルを通じて出版界の様子が垣間見えるのは楽しいですよね。なかなか覗けない世界じゃないですか。そんな興味も満足させてくれるし、性別を超えて人を好きになることが本当に素敵だと思えるセリフがたくさんあるのが、僕は魅力だと思います。
——4週目の2作続けての上映も楽しみです。ファンの方にメッセージをお願いします。
堀内:いつも応援ありがとうございます。みなさんがまた『世界一初恋』に再燃してくれて、こうしてお会いすることができたことが大きな喜びです。永遠に『世界一初恋』が続きますように。一生懸命演じましたので、ぜひお楽しみください。
蒼月:本当にお待たせしました。僕ももう一度、桐嶋になることが出来てとても嬉しいです。ずっと応援して待っていてくださった方たちの想いに、やっと応えることができたと思っています。この作品がすごく盛り上がって、またみなさんと桐嶋 禅として会えることができれば最高ですね!その時を楽しみにしています。ぜひDVDやBlu-rayもお買い求めいただいて、盛り上げてもらえたらと思います。
【取材・文:麻布たぬ】