キャスト

リヒトー役中島ヨシキ×ジェイル役梅原裕一郎!「暴走するリヒトーとジェイルのバトル。第10~11話はリヒトーを演じるうえでひとつのヤマだと思っていました」

TVアニメ「プランダラ」よりリヒトー=バッハ役中島ヨシキさん(右)とジェイル=マードック役梅原裕一郎さん(左)
TVアニメ「プランダラ」よりリヒトー=バッハ役中島ヨシキさん(右)とジェイル=マードック役梅原裕一郎さん(左)(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


第11話で衝撃的な展開を迎えたTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeでは放送をさらに盛り上げるべく、スタッフ&キャストのリレーインタビューをお届けします。第6回はリヒトー=バッハ役の中島ヨシキさんとジェイル=マードック役の梅原裕一郎さんが「プランダラ」の衝撃展開について語り合います。暴走するリヒトーとジェイルの信念がたどり着いた先の世界とは――。

――ここまで放送をご覧になって、どんな手ごたえを感じていますか。

中島 長いプロローグが終わったような気分です。後半には園原(水花)やアレクサンドロフ総司令といった重要キャラが登場してきましたし、1クール目の前半と後半の(リヒトーの)ギャップもようやく見ていただけたかなと思います。

梅原 1クール目の前半はギャグがあったり、バトルがあったりして、原作を知らずにご覧になると、ある意味で王道感のある作品を見ている感覚をお持ちの方もいらしたんじゃないかと思います。でも後半からはなかなか衝撃を受けるシーンも多かったでしょうし、第11話をご覧になるとさらにすごい驚きがあったんじゃないかと思います。世界設定が少し明らかになりましたから。第2クールも楽しく見ていただけるとうれしいです。

――この作品は物語が進むにつれて、キャラクターの隠された側面が次々と見えてきますが、ジェイルの印象はいかがですか

中島 ジェイルは最初、リヒトーの敵として現われるんですよね。最初はすごく冷たい印象でした。ホムホゥの女の子の人形を踏みつぶしたりして、そりゃやりすぎだろ! と思いましたね。

梅原 踏んだ人形はあとで直したけどね(笑)。

中島 リヒトーとぶつかるなかで、少しずつジェイルの人間味が見えていく。それがすごく印象的でした。彼は見え方が変わっていくけれど、その中にある信念は変わっていないので。その信念の強さがすごいなと思います。

梅原 最初は堅物という感じで登場して、お芝居も「堅物」感を出していたんですが、話が進むにつれて、自分の信念に基づいていれば仲間も助けるし、柔軟性みたいなものを持ち合わせているキャラクターなんだなと感じました。そこがかっこいいなと思います。ブレないキャラクターなので、演じるときはそこが難しかったですね。ほかのキャラクターだとギャグに振れるところもあるのでしょうけど、ジェイルはギャグをしすぎると違うキャラクターになってしまう。収録現場ではみんな楽しそうだな……と思っていました(笑)。

第5話よりジェイル=マードック
第5話よりジェイル=マードック(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――リヒトーの暴走する側面も見えてきましたね。

梅原 かなりふり幅のあるキャラクターで。これは大変な役だなと思いながらアフレコを見ていましたね。幅広く見せているのに、本当のリヒトーの素の部分が見えない。何かを隠しているミステリアスな部分が、ある意味でジェイルよりもわかりにくい人物だなと思っていました。そこがリヒトーの魅力でもあって、きっと2クール目ではそのあたりがいろいろ見えていくのかなと思います。

中島 ここまでくると、第1話が懐かしく感じますね。演じ手としては、喉や身体ではないところが苦しくなることが、ここから先はどんどん増えていく感じがあります。

――第10話で再びリヒトーとジェイルは衝突します。

中島 リヒトーを演じるうえで第10話、第11話がひとつのヤマだと思っていたんです。「シュメルマンの殺意」によって激しい感情が増幅されてしまう状態になっていくわけですが、「人ではない」と僕は捉えて演じていました。原作のコマの割り方や吹き出しの入り方がすごく印象的だったので、それを声でどう表現するかを考えましたし……このシーンの収録は本当に喉が痛かったです。いわゆる腹式呼吸とか技術ではない部分の発声をしたいと思っていたので、喉の痛みを感じながら声を出しました。

梅原 いやあ、喉痛そうだなと思いました。一連のシーンを録ったあと、(中島)ヨシキがすごく汗をかいていて。大変だなあと思っていました。バトルシーンの収録は複数のキャラクターの声が被ることが多いので、キャラクターごとにそれぞれ別々に録ることがあるんですが、この作品はあまり別録りはしなかったんですよ。2クール目もいろいろなバトルシーンがあるんですけど、別録りはほとんどなくて。直接戦っている感じをそのままお届けできるんじゃないかと思います。

――バトルシーンのやり取りはどうでしたか。

中島 第10話の戦いではジェイルが「信念なき刃で……俺の鉄は斬れん!」といって、リヒトーを圧倒するんです。

梅原 熱いヨシキのお芝居に向かって、涼しくやらせていただきました(笑)。ちょっと寒いくらいの温度感で。

中島 ジェイルにとって、リヒトーの怒りは「強さ」ではないんですよね。「力が大きいことが、強さではない」というジェイルの信念が見えるシーンでもありました。

第10話より激しい戦いを繰り広げるリヒトーとジェイル
第10話より激しい戦いを繰り広げるリヒトーとジェイル(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――ジェイルの信念と、リヒトーの怒りの対決になるわけですね。

中島 リヒトーは自分のことで「怒らない」んですよね。小さい子どもが傷つけられそうになったり、ジェイルが園原に撃たれたりしたうえでの「怒り」なので。そこはご理解いただきたいなと思います(笑)。自分が負けそうだから暴走したわけじゃないんですよ!

――第11話ではまたジェイルの意外な一面が見えます。

中島 パパとジェル坊の関係性ですね(笑)。ジェル坊~♡(アレクのモノマネで)

梅原 アレク(アレクサンドロフ・グリゴローヴィッチ総司令/CV:東地宏樹)のインパクトがすごくて。たじたじでした……。

中島 ちょっとヒキ気味のジェイルでしたね。

梅原 でも、ジェイルにも人生があって、ちゃんと人の子なんだなというところが見えました。アレクがふざけた感じで来てもジェイルがかわすという会話のなかにも信頼感が感じられて。アレクがジェイルのことを大切に思ってくれているとわかる会話でしたね。

中島 「月刊少年エース」の最新号の「プランダラ」を読むと……アニメでアレクとジェイルを見るだけで泣けるんです。原作ファンにはより深い見方ができるシーンじゃないかと思います。「プランダラ」において、親子関係って重要な要素のひとつなんですよね。血がつながっているかどうかではなくあくまで「親子」という関係性ですけど。陽菜におけるお母さん、リヒトーにとっての……。いろいろなところに散りばめられていくので、そこは原作もアニメも楽しんでほしいです。

第11話よりアレクサンドロフ総司令
第11話よりアレクサンドロフ総司令(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――第10話でシュメルマンも登場しましたね。

中島 今までオープニングにしか出ていなかった彼がとうとう登場しましたね。まあ、彼の登場シーンもインパクトが強くて。むかしばなし「ウサギとカメ」のシュメルマンアレンジがすごいので。どう考えても悪者だと思いますよね(笑)。彼にも注目して2クール目をお楽しみください。

――シュメルマンで「むかしばなしの読み聞かせ」と言えば……「プランダラ」のBlu-ray BOX 第1巻ではドラマCD「シュメルマン先生の異本むかしばなし」が収録されているとか。

中島 本編では「ウサギとカメ」の話を読み聞かせていましたが、このドラマCDでは違うむかしばなしを読んでます。シュメルマン先生もかなりギャグにふったお芝居をしています。僕らも本当に自由に収録をさせていただきました。

梅原 ジェイルは本編では堅物なんですが、ドラマCDでは思いっきりギャグに寄せているので、収録できてうれしかったです。

中島 やりすぎて怒られることはなかったです。むしろ僕らは笑いをこらえるの必死でした。

梅原 収録が最終話まで終わってからドラマCDを録ったので、今の僕のジェイルは、ドラマCDのイメージで止まっています(笑)。

――第1クールのエピソードで映像をご覧になって印象に残っているものを教えてください。

梅原 僕はジェイルとリヒトーがお酒をがぶがぶ飲んで、みんなで潰れちゃうエピソード(第8話)ですね。その酒盛りのシーンはこれまでとちょっと違うジェイルが見えるんですよね。リヒトーに対抗してお酒を飲んだりして、子どもっぽくはしゃいでいる姿がかわいいなと思いましたし、演じていても楽しかったです。

中島 飲んでいるときに「アイアンジェイルじゃなくて、リトルジェイルっていうの、どうカナ?」って言うんですよね。

梅原 ド下ネタですよね(笑)!

第8話より酒飲み対決をするリヒトーとジェイル
第8話より酒飲み対決をするリヒトーとジェイル(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


――中島さんの印象に残っているエピソードは?

中島 第7話でナナさんはジェイルたちを酔い潰して、先に立ち去ってしまうんです。そのあとに起きたジェイルが、ナナさんたちをあわてて馬で追いかけるんですが……。遅れているリィンとペレに「だらしないぞ! 急げ!」って叱るんですよ。いや、お前(ジェイル)もさっきまで酔いつぶれて寝てただろ! ってツッコミたくなりましたね。自分を棚に上げてるなあって(笑)。

――ジェイルのダメな側面が(笑)。

中島 この第7話のテスト収録のとき、ジェイルが「だらしないぞ!」とすごい剣幕でキレてたんですよ。それがまたおもしろくて。

梅原 失敗してめちゃめちゃ怒る、すごくダサい人みたいだった(笑)。

中島 あせって挽回しようとしているダサい先輩(笑)。

梅原 寝坊してあわてて走ってる。

中島 ダメな野球部の先輩感。

梅原 本番は、ちょっと抑えめに「だらしないぞ!」と怒りました(笑)。

――そんな楽しい収録があったんですね。さて物語の舞台はいよいよ300年前に移ります。おふたりから見どころをお聞かせください。

中島 第12話以降はいよいよ学園編が始まります。原作をお読みになっていない方には何を言っているのかわからないでしょうけど……。登場するキャラクターも倍くらいに増えます。キャスト陣もすごく豪華です。一体どんなラブコメディが繰り広げられるか、楽しみにしてください。とくに第12話以降はジェイルが主人公と言ってもいいくらい……。

梅原 まあ、そうですね。第12話以降のジェイルはよりかっこよく描かれていくことになると思います。たくさんのキャラクターが新たに出てきますが、誰ひとり無駄なキャラクターはいないんです。第1クールがシリアスな展開になったので、第2クールもずっとシリアスになるのかなと思っている方もいるかもしれませんが……。

中島 ちゃんとワクワクドキドキの展開もあります。

梅原 ぽろりもあるよ!

中島 ぜひ、第2クールも楽しみにしてください。

梅原 よろしくお願いいたします。

第2クールは4月1日(水)より放送開始
第2クールは4月1日(水)より放送開始(C)2020 水無月すう/KADOKAWA/プランダラ製作委員会


【取材・文:志田英邦】

■TVアニメ「プランダラ」
放送:TOKYO MX…毎週水曜25:05~
   テレビ愛知…毎週水曜26:35~
   KBS京都…毎週水曜25:05~
   サンテレビ…毎週水曜25:30~
   BS11…毎週木曜23:00~
   AT-X…毎週金曜23:00~ ※リピート放送あり
配信:dアニメストア…毎週水曜23:00~
   ※他配信プラットフォームでも順次配信

スタッフ:原作…水無月すう(月刊少年エース連載)/監督…神戸洋行/副監督…西片康人/シリーズ構成…鈴木雅詞/キャラクターデザイン…高品有桂、福地友樹、福田裕樹/音響監督…えびなやすのり/音楽…松本淳一/音楽制作…日本コロムビア/オープニングテーマ…「Plunderer」伊藤美来/エンディングテーマ…「Countless days」陽菜(CV:本泉莉奈)/アニメーション制作…GEEKTOYS/製作…プランダラ製作委員会
キャスト:リヒトー=バッハ…中島ヨシキ/陽菜…本泉莉奈/ジェイル=マードック…梅原裕一郎/リィン=メイ…小澤亜李/ペレ…市川蒼/ナナ…伊藤静/園原水花…悠木碧/アレク…東地宏樹/シュメルマン…関俊彦

リンク:TVアニメ「プランダラ」公式サイト
    公式Twitter・@plundereranime
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