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豪華クリエイター陣が結集して送る大型メディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」。2021年1月放送開始のTVアニメに先駆けて、作中に登場する「星見プロダクション」のアイドル10人が歌って踊るアニメーションMVが公開され話題となりました。今回は星見プロダクションのメンバーより、川咲さくら役の菅野真衣さんと兵藤雫役の首藤志奈さんが登場。動き出したキャラクターを見ての感想やアニメへ向けての意気込みを語ります。
――先日、星見プロダクションの楽曲「サヨナラから始まる物語」のMVが公開されましたが、アニメーションで動くキャラクターを見ての感想をお聞かせください。
菅野 初めて見たときは、親の気持ちでした(笑)。ずっと自分が見守ってきたキャラクターがまばたきをしたり、歌ったり踊ったりしているところを見られて、すごくうれしかったです。私が演じるさくらちゃんの見どころは、ソロパートの歌唱のときにツインテールの髪がぴょんぴょんするのがかわいくて! さくらちゃんはよく「胸がドキドキする」と言うんですけど、その言葉を借りて、めちゃめちゃドキドキしました。もうひとつはサビの部分で、「巡り合えた奇跡の真ん中で」という歌詞の「真ん中で」のところの振り付けが、指でハートをつくって、それをバキューンって射抜くんですよ。私は100回くらい見返して100本の矢が胸に刺さったので(笑)、皆さんも射抜かれてほしいなと思います。
首藤 私はアニメーションMVが初めて公開されたときの配信番組に、事前に収録したライブパートにしか出ていなくて、トークパートでどんな情報解禁があるのかも知らなかったんですね。当日はリアルタイムで配信を見ていて「アニメーションMV」という言葉がいきなり飛び込んできて、すごくびっくりしたのと同時に映像のクオリティーの高さに興奮したのを覚えています。雫ちゃんはさくらちゃんと違って笑顔を見せることがあまりない子なんですけど、ひとりひとりの細かい表情まで再現されていて、スタッフさんが本当にこだわってつくってくださったんだなというのを感じました。
――ご自身のキャラクターの第一印象で好きになったところと、演じていくうちに素敵だなと思ったところを教えてください。
菅野 第一印象は、さっきも少しお話ししてしまったんですけど、私はアニメでもゲームでも、まずツインテールキャラの子を好きになっちゃうくらい、無類のツインテール好きなんです。なので、ぱっと見の印象はアイドルらしい、高い位置のツインテールがかわいいなって思いました。演じていくうちにひかれていったところは、見た目はふわふわしているのに意外と周りをよく見ているところで。たとえば悲しんでいる人には絶対に手を差し伸べてあげるような優しさがあったりとか、みんなをまとめてひとつの道に導いていくような行動力があったりする子なんですね。でも、17歳の等身大の女の子らしいところもあって、さくらちゃんを見ているとみんなが自然と笑顔になっちゃうような、いい意味で人たらしみたいなところにどんどんひかれていきました。
首藤 雫ちゃんの第一印象でまず気になったのが根暗というところなんですけど、根暗なのに容姿が原宿系というか、メンバーの中でいちばん奇抜で、そのギャップにびっくりしました。演じていくうちにいいなと思ったところは、雫ちゃんって基本的に喜怒哀楽の表現が苦手な子で、その不器用さが愛おしいなと思いつつ、大好きなアイドルのことになると周りが見えなくなるくらい饒舌になって、暴走するという一面もあって。好きなことに対して、ちゃんと好きって言えることが素敵だなと思いましたし、私もそれくらい好きって思えるものとか人とかに出会ってみたいなと思いました。
――お互いのキャラクターに対しては、どんな印象がありますか?
菅野 実はですね、私、めちゃくちゃ雫ちゃんが好きで……。
首藤 うれしい!
菅野 今回、この取材のお話をいただいたときに、首藤志奈ちゃんといっしょということを聞いて、これは雫ちゃんへの愛を話せる!と思ったんですよ。まず、見た目がツインテお団子というのがかわいくて、釣り目のジト目というのが私のオタクとしての個人的な好みに突き刺さる(笑)。また、アイドルがずっと好きで、そんな彼女が自分もアイドルになるという、このシンデレラ展開がエモくて最高だなって思っています。首藤さんと二人で話したときにも「雫ちゃん、こんなに好きなんだよ」というのを熱く語ったことがあって。
首藤 そう、サイゼリヤで(笑)。
菅野 なので、さくらちゃんと同じくらい雫ちゃんを推してます!
首藤 私がさくらちゃんを意識しはじめたのは、菅野真衣ちゃんの声を聴いてからでしたね。初めて「IDOLY PRIDE」の収録をするとなった日に、たしか第1回のお披露目配信用のプロモーションビデオの音声だったと思うんですけど、一番目が菅野真衣ちゃんで、その後が私の収録だったんです。そこで同時にしゃべるセリフがあって、私はさくらちゃんの声を聴きながらの収録だったんですけど、初めて聴いたまいまい(菅野さん)の声がすごくキラキラしていて、さくらちゃんのイメージにぴったりだなと思って。それからさくらちゃんをかわいいなと思うようになりました。さくらちゃんって、ポジティブな印象が強いんですけど、ただひたすら元気いっぱいなだけじゃなくて、その中に繊細さとか、包み込むような優しさとか暖かさとかがあって。それが一貫してぶれていないというところが私はすごく好きで、「最高だな、さくらちゃん」って、よく思っています(笑)。
――さくらも雫も新人アイドルとして頑張っているキャラクターたちですが、その中で自分も見習いたいなと思う部分はありますか?
首藤 雫ちゃんのすごいところって、好きなアイドルに対してライブに行くなり、お手紙を出すなり、きちんと反応を示してあげているところだと思っていて。私は自分の思いを素直に伝えることが怖くて、いろんな感情を心の内で完結させがちなので、雫ちゃんみたいにちゃんと見せたい部分は見えうる形にして、もっと出していけたらなと思っています。実際、私もファンの方からお手紙をもらったときや、Twitterでリプライもらったときはすごくうれしいので、やっぱり自分で踏み出さないと伝わらないことってあるなと思いました。
菅野 さくらちゃんは芯が強いというか、一度決めたことは他人に何を言われても、たとえ人と違うことであったとしても、迷わず突き進むようなところがあって。私はすぐ人に流されちゃうところがあるので、彼女の芯の強さとか、絶対に意志を曲げないところは見習いたいなと思います。
首藤 私からしたら、まいまいがそう言うのって意外というか、まいまいとさくらちゃんは似ているなと思っていて。たしかにまいまいはふわふわしていて、ちょっと幼稚園児みたいな見た目をしているですけど……。
菅野 いつも言うよね、それ(笑)。
首藤 でも、楽曲の収録だったり、ダンスだったり、ひとつひとつのことに対してすごく真剣で、「私はこうしたい」という意志もちゃんとメンバーに伝えてくれる子なんですよ。ふわっとしているなかに強い芯がある人だから、私はすごく尊敬しています。
菅野 えー!? うれしい! ありがとう~!! ちょっと、何か買ってあげないと(笑)。
――自分が星見プロダクションのマネージャーになったとしたら、担当キャラクターのどこを伸ばしてあげたいですか? または、もうちょっと頑張ってほしい……と思うところはありますか?
菅野 私にとっては、さくらちゃんはあこがれの存在で、アイドルとしても100点だと思っていて。なので、そのままの純粋な、自分の意思を信じるさくらちゃんであってほしいと思っています。でも、ひとつだけ心配なところを挙げるとすると、さくらちゃんは頑張り屋さんなので、無理をしすぎて体を壊さないかな?という部分がありますね。みんなを引っぱったりもするし、人のために頑張れる子ではあるんですけれども、やっぱり自分の体やメンタルがいちばん大事なので、マネージャー目線としては適度に休憩をしながら頑張ってほしいなというところです。
首藤 頑張ってほしいことは、雫ちゃん本人が言うようにトークの部分。雫ちゃんって、ボーっとしていて何も考えていないように見られるけど、内側ではいろんな感情がある子なんじゃないかと思っていて。それを言語化できるようになったら強いんじゃないかと思う面もありつつ、「ボーっとしている部分もかわいいけどな」と思うので、そこはすごく悩むところですね。あと、もし雫ちゃんのソロの歌とかあったら、かっこいい感じの曲だったらいいなと思っています。かっこいい曲を歌わせたら、ギャップでみんなメロメロになるんじゃないかなって。
――そうなると、さくらのソロ曲も欲しいですよね?
菅野 欲しいです! さくらちゃんは特に、歌という面ではエピソードがあって、アニメの公式HPのストーリーに「トップアイドルの長瀬麻奈とそっくりの歌声をもつ」って書いてあるんですよ。その設定が今後のアニメでどういう意味をもつようになってくるのか、私も楽しみにしています。
――では、来年1月からのTVアニメ放送開始に向けて、意気込みをお願いします。
菅野 まだ夢みたいというか、さくらちゃんの言葉を借りて「ドキドキしている」というか、私自身、アニメで主要なキャラクターを演じさせていただくのは今回が初めてで。それがさくらちゃんというとても魅力的なキャラクターだったので、収録が始まる前は大きな不安とプレッシャーがありました。でも、始まってからはスタッフさんや共演者の皆さんがすごく優しくしてくださって、毎話楽しく演じさせていただいております。私個人としては、さくらちゃんの魅力を皆さんのもとに届けられるように精いっぱい頑張っていきたいですし、それぞれのキャラクターに汗と涙のエピソードがあるので、アイドルひとりひとりを皆さんに応援してほしいなと思っています。応援よろしくお願いします!
首藤 私が兵藤雫ちゃんというお役をいただいてから、1年とちょっとたつんですけど、制作スタッフさんにお話を聞くと、このプロジェクトは何年も前から計画されてきたということで。先日のアニメーションMVを見ても、スタッフさんたちが長い間、愛をもって育ててきたプロジェクトなんだということをひしひしと感じました。それがやっとアニメという形となって視聴者の皆さんにお届けできることが本当にうれしいですし、そこに私も星見プロの一員として携わっていけることがすごくありがたいなと感じています。私は兵藤雫ちゃんとして、自分にできることを全力で頑張っていきたいなと思います。
【取材・文:仲上佳克】