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予想外の連続がコメディの醍醐味――TVアニメ「ドラゴン、家を買う。」レティ役・堀江瞬×ディアリア役・石川界人対談

屈強にして残虐、刃向かうものは圧倒的な力でたたきのめす。ドラゴンは、モンスターの頂点に立つ存在である。あらゆる種族の頂点に立つドラゴンに、例外なく頑健なる肉体と、圧倒的な機動力を保有している!

……のはずが、レティは、残念なステータスをもって生まれたレッドドラゴンの子ども。卵番の最中、うっかり昼寝をし、ハンターに卵を奪われてしまって勘当されてしまいます。非力な自分の身を守れる家が欲しいと考えたレティは、偶然出会った士不動産屋のディアリアとともに家を探す旅に出かけることになるのでした。

気弱なドラゴンが、理想のマイホームを探すという新機軸を打ち出した「ドラゴン、家を買う。」。主人公のレティ役の堀江瞬さんと、ディアリア役の石川界人さんに、作品の魅力やそれぞれが演じるキャラクターのことを聞きました。

――本作のファーストインプレッションを教えてください。

堀江 家探しという題材そのものが、まず新鮮に感じました。しかも、その家を探すのが、人間ではなく、ドラゴン。斬新かつシュールな設定に興味を覚えました。でも、考えてみると、RPGやマンガで遭遇する魔物にも住処があるはずで、それを探す楽しみや苦労があるのかなと思うと、いろいろな想像が膨らみましたね。

石川 僕も〝家〟が好きなんです。TV番組の家探しバラエティーを見たり、チラシなどの間取り図でそこでの暮らしを想像したりしているので、純粋にタイトルだけでおもしろそうだなと思いました。また、一般的なファンタジーでは描かれない魔物の普段の暮らしの描写や、強者であるはずのドラゴンを弱者とする設定など、興味を引く要素が盛りだくさんでした。

堀江 そういえば、僕も子どもの頃に、自分が住みたい家の間取り図を描いていたことがありました。「マイホームドリーム」という、家をつくるゲームもプレイしていた記憶があります。

石川 あったね! 堀江くんと僕は年が同じなので、子どもの頃に遊んだものが似ているんですよ(笑)。

――そんなお2人ですが、本作で自身の役を演じる際には、どんなことに気をつけましたか。

堀江 現場では、ドラゴンという〝魔物〟を意識するのではなく、ひとりのか弱い男の子を演じるイメージでというディレクションがありました。ドラゴンではなく、幼なくて内気な男の子であることを大事にして、声をドラゴンに寄せることはしていません。そのうえで、レティのかわいらしさやディアリアにツッコミを入れる鋭い一面を表現できているといいなと思っています。

石川 ディアリアは、とにかく感情の起伏の排除を徹底しています。オーディションでは、普段のディアリアと、ボケるお茶目な一面とのメリハリをつけたのですが、それは不要なのでとにかく感情を平坦にしてほしいとのオーダーがあったんです。なので、合格をいただいて、いざ本番に臨むというときは、感情の出し方について悩みましたね。ディレクションどおりに感情のメリハリを排除すると、会話からドラマが生まれにくく、さらに、ボケとツッコミというコメディの部分をレティに任せなければなりません。アフレコが進んでも、その加減には毎回頭を悩ませています。

堀江 レティの場合は、わりとメリハリをつけて演じていました。ギャグはギャグで、通常のシーンとは切り分けて考えて、ギャグとしてのおもしろさを重視しました。

石川 また、春日森(春木)監督との〝勝負〟にも力を入れていますね。実は、アフレコ用の映像に、監督のアテレコが吹き込まれているんです(笑)。監督の意図がよくわかるのはありがたいのですが、それを忠実にやると、絵と言葉が合っていなかったり、「感情が出すぎ」とリテイクが入ったりして(笑)。監督の音声を自分なりに解釈して、演技に臨みました。

堀江 監督の演技から、いかにうまく別の表現をするのか、探り合いのようなところはありますね。

石川 それがコメディの醍醐味かもしれません。個人のおもしろさでは限界があるので、つくり手同士で予想を裏切りながら、予測不可能なおもしろさをつくっていくことによって、さらなるおもしろさが生まれるのかなと思います。

――本作では、ゲストキャラクターも多数登場します。

石川 キャストがとにかく豪華なんです。もしかして、本作がなければ一生共演できなかったのではないかというほどのレジェンド声優さんもいて、僕もうれしかったです。

堀江 そんな方に、こんなムチャをさせていいのかという使い方をしていて(笑)。ぜひ、ご期待ください。

――放送が待ち遠しいです。

石川 レティやディアリアなど、ファンタジー世界のモンスターの普通の暮らしを通じて、〝異世界〟の新たなおもしろさに気づける作品です。もし、自分がその世界の一員になっていたらどう生活するか、想像しながら楽しんでください。

堀江 レティとディアリアのコメディ劇はもちろん、その過程を経て臆病だったレティが成長していく姿も楽しめると思います。毎話、あっと驚く家が登場するので、ぜひお楽しみください!

【文:星政明、カメラマン:池上夢貢】

■TVアニメ「ドラゴン、家を買う。」
2021年4月よりTOKYO MX、読売テレビ、BSフジで放送開始予定

スタッフ:原作…「ドラゴン、家を買う。」多貫カヲ/絢薔子(マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「MAGCOMI」連載)/監督…春日森春木/キャラクターデザイン…蘇詩宜、朝香栞/音楽…松野恭平/音楽制作…ポニーキャニオン/アニメーション制作…SIGNAL.MD/製作…「ドラゴン、家を買う。」製作委員会
キャスト:レティ…堀江瞬/ディアリア…石川界人/ピーちゃん…井澤詩織/ネル…福圓美里

リンク:TVアニメ「ドラゴン、家を買う。」公式サイト
    TVアニメ「ドラゴン、家を買う。」オンラインサロン
    公式Twitter・@anime_doraie
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