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「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」上映イベントが、9月9日(金)に東京・新宿バルト9で開催されました。
2014年に期間限定で劇場公開された本作は、“大人向けのルパン三世”をコンセプトに鮮烈なビジュアルとハードな物語で視聴者を魅了。旧来のルパン三世ファンから大きな支持を得たのはもちろん、新たなファン層の獲得にも成功した意欲作です。
イベントでは、上映終了後に監督の小池健さん、音楽を担当されたジェイムス下地さん、脚本の高橋悠也さん、そして浄園祐プロデューサーが登壇。集まった大勢のファンを前に、「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」への想いが語られました。
“小池監督の力が発揮できる純度の高いルパン三世を届けたい”という浄園プロデューサーの想いと、初期のルパン三世の雰囲気、出会って間もない関係性のルパンたちを描きたかったという小池監督の希望が重なり、制作が実現したという「次元大介の墓標」。
小池監督は「仲間に至るまでの殺し屋同士の関係性が渋くて格好いいと思っていた。それを描きたかった」と語り、それらを実現するためのスタッフとして、実写や舞台演劇で活躍していてフラットな立場で参加してもらえる高橋さんと、これまでも一緒に仕事をしてきて、作品を増幅してくれる楽曲を書いてくれるジェイムス下地さんに声をかけたそうです。そんな小池監督からのオファーは、Twitterのダイレクトメールだったとジェイムス下地さんが裏話を披露すると、客席からは大きな笑い声が沸き起こりました。
制作初期段階のエピソードがいくつか披露された後は、トークの話題は新作へ。ここで、「LUPIN THE IIIRD」シリーズ第2弾の正式タイトル「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」を発表。場内は大きな歓声と拍手に包まれました。
タイトルのとおり石川五ェ門が主人公を務めるこの作品では、若き日の石川五ェ門が最強の剣士として目覚める瞬間が描かれるとのこと。スタッフは「次元大介の墓標」に引き続き、脚本を高橋悠也さん、音楽をジェイムス下地さんが担当されることも発表されました。
本作について小池監督は「ルパンたちとの関係性を築けていない五ェ門の、若いギラギラした様を描きたい」とコメント。すでに脚本の執筆を終えたという高橋さんも、「エッジの効いた表現ができる小池作品なので、もっとエッジの効いた作品を。次元大介の墓標はPG12だったが、本作ではR18になっても構わないくらいの思いで書き上げました」と、作品にかける想いを語りました。また、これから楽曲を作っていくというジェイムス下地さんは「五ェ門=尺八のイメージをどうするのか。使うのか避けるのか、大きな決断を迫られています(笑)」と、五ェ門というキャラクターを音楽で表現することの難しさとやりがいを語りました。
そんなトークで盛り上がる中、サプライズゲストとして石川五ェ門を演じる浪川大輔さんが登場。「次元大介の墓標」では、五ェ門は登場しなかったため、浪川さんとスタッフの皆さんはなんと初対面。さらに、登壇者も浪川さんの登場は知らなかったとのことで、大変驚いている様子でした。
そして浪川さんを交えてのトークでは、監督に「浪川さんに石川五ェ門をどのように演じてほしいか?」という質問が。それに対して小池監督は、「若くてギラギラしている、血気盛んで嫌われるくらい高飛車な五ェ門がいい」と答えます。監督のコメントに浪川さんは「スタジオでの打ち合わせみたいです(笑)」と返しつつも、真剣に耳を傾けていました。
イベントの最後に小池監督は、「魅力的で強い敵とギリギリの極限化で戦う緊張感と、その中で開眼する五ェ門の姿を描きたい」と本作にかける意気込みを語り、浪川さんも「声優として求められている100%のものを出します。『次元大介の墓標』を追い越すつもりで頑張ります」とコメント。誰も見たことのない、新たな石川五ェ門の登場を予感させてイベントは終了となりました。
「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」は2017年2月4日(土)より全国公開。9月17日(土)にはムビチケの販売がスタートとなります。【取材・文=小川陽平】