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「アイドルマスター シンデレラガールズ」神谷奈緒役、「未確認で進行形」夜ノ森紅緒役など多数の作品で活躍する声優の松井恵理子さんが、いよいよソロデビュー!1stアルバム「にじようび。」が 1月25日(水)に発売されます。
これまで多くのキャラクターソングを歌ってきた彼女が見せた新境地とは? 初回限定盤に付属するBDに収録されるという、気になる企画「全曲デッサン」についても聞きました。
――最初ソロデビューの話がきた時の率直な感想をお願いします。
松井:正直な話、急に降って湧いたようなお話だったので、まさに“青天の霹靂”でした。キャラクターソングという形では、これまでもたくさんの曲を歌わせていただいてきましたが、それは位置づけとしては「演じたキャラクターの可能性を広げてくれる、ひとつの手段」だったんです。ですから、私個人の名義で歌うというのは、なかなか想像がしづらい部分はありましたね。
――昔から歌を歌うことに関しては興味があったのでしょうか?
松井:小学校時代に合唱部に入っていて、中学で吹奏楽部に入った後も、学校行事の合唱コンクールで自分のクラスの課題曲以外に別のクラスの曲まで覚えたりしました。覚える必要はまったくなかったのですが、個人的な趣味です(笑)。
――それでは、今回のオファーは嬉しかったのでは?
松井:私に素養を見出していただけたのは嬉しかったのですが、果たしてその期待に応えられるのかどうか、不安も大きかったです。
私は考え込んじゃうタイプなので「ちゃんとしないと、これまでデビューされてきた声優アーティストさんにも、ご迷惑をお掛けしてしまうんじゃないか?」なんて余計なことまで考えてしまったり(苦笑)。
――デビューするにあたり、仲の良い方などに相談はされましたか?
松井:実は、自分の中ではどのような形で歌うかというビジョンは何となく見えていたんです。人に相談してしまうと、結論が出た時にその人にも責任を負わせることになってしまうと言いますか…。ですから、相談という形でお話しした人はいません。これはプライベートでも持ち続けているポリシーなんです。
――では、祝福の言葉はありましたか?
松井さん:それはもう、たくさんいただきました! 特に私と同時期にソロデビューした東山奈央ちゃんからは「デビューおめでとう! 一緒に頑張ろうね!」と、お互いにモチベーションを高めたりして、いいスタートが切れたのではないかと思います。
――デビューに向けての準備期間、どんなことをしていましたか?
松井:デビューが正式に決定してからデビューまではそんなに期間がなかったのですが、まだデビューの話が形になっていなかった時に、近藤薫さんにリード曲の「デッサン」を書いていただきまして。いざデビューが決まり「こんな曲を歌いたいです」とお願いしたら、近藤さんが「デッサン」のフルバージョンを作ってくださいました。
――他にもバラエティに富んだ曲が収録されていますね。
松井:私が歌いたいと思っているような曲が、まるでどんどん向こうから来てくれているような感覚で、レコーディングをしていても楽しかったです。
――特に印象的だった曲は?
松井さん:そうですね……強いて挙げれば「ココニアルモノ」でしょうか? 私、「金色のガッシュベル!!」というアニメがすごく好きで、「ココニアルモノ」は、初期の主題歌である「カサブタ」を手がけられた千綿偉功さんに作っていただいた曲なんです。レコーディング当日は、編曲してくださった安原兵衛さんとコーラスを入れるタイミングをディスカッションしたりもしました。
――初回生産限定盤には、「デッサン」のMusicVideoが収録されたBDも付いてきます。
松井:撮影している時は演者として「こういう姿を観てもらおう」という気持ちで臨めるのですが、いざ撮ったものを自分で観る時には、すごく恥ずかしさがこみ上げてくるんです(苦笑)。
時にカメラ目線で語りかけるところなどは、撮影時もちょっとムズムズするところはありました。初々しさが全開になっていると思いますので、どうぞお楽しみに(笑)。
――BDには、さらに収録全曲のイメージイラストを描くという面白い試みも収められているそうですね。
松井:曲をイメージした絵をデッサンしながらその曲にまつわるお話をするという内容なのですが、事前にプランを描けてなかったこともあり、師走のような忙しさでした(苦笑)。絵を描きながら話すのって、こんなに大変なんだと思いつつ、貴重な経験をさせていただけてよかったです。
――収録曲の中で、歌うのが一番難しかったのは?
松井:「理想ラビリンス」ですね。今まで歌ってきたことのないタイプの曲なので大変でした。ただ、手がけてくださった近藤さんはニュアンスを大事にしてくださるので、気持ちを乗せて歌うことができましたし、詰まってしまうことはなかったですね。皆さんの前で披露するのが楽しみです。
――逆に歌いやすかった曲はありましたか?
松井:う~ん、やっぱり「ココニアルモノ」ですね。「これぞアニソン!」といった、私が昔から慣れ親しんできたメロディラインですので、私自身ノリノリで、ひとつの作品を作った達成感を感じながらレコーディングしました。
――続編を聴きたい曲はありますか?
松井:「シネマ」です。ストーリー性が強い歌詞に、疾走感のあるメロディが乗る絶妙なバランスが素晴らしい曲なのですが、何とか前を向こうとしているこの曲の主人公が、前を向いた時にどう思うのかと、本当に前を向けているのか。それがとても気になるので、ぜひ続きを歌った曲を作っていただきたいですね。
――通常盤のみに収録されるボーナストラック「ユメキセツ」は、どんな曲でしょうか?
松井:この曲で、生まれて初めて作詞をさせていただいたのですが、最初聴いた時にすごくファンタジックだな、と感じました。曲調を大事にしつつ、私らしさも反映させようと思ったんですね。その結果、裏テーマを設けることにしまして。それは「好きなキャラクターができたテレビアニメが終わってしまう」というものです。私は昔からアニメが好きなので、その気持ちを極限までファンタジックに、メルヘンにするとこうなりました、という曲です(笑)。
――「ユメキセツ」で、お気に入りのフレーズは?
松井:2番の「最後の歌が流れてる また会えるよ いつの日にか」という歌詞には「放送はもう終わっちゃうけど、円盤も出るし第2期も始まるし、全然平気」という意味が込められているんです(笑)。
――作詞の作業も楽しかったでしょうね。
松井:それはもう(笑)。書き上げたものを何度も見返してしまうと、その都度直したくなってしまうので、数日経ってから改めて見直して、手直しをして完成させました。
――次に歌うとしたら、どんなジャンルの曲を歌ってみたいですか?
松井:うまく伝わるか分からないのですが、音や声が重なったりするような、不思議で幻想的で、耳に残る曲を歌ってみたいですね。また新しい試みができることを期待しています。
――CDの発売記念イベントも全国各地で開催されています。
松井:私個人での発売記念イベントというものがこれまであまりなかったので、新鮮な気持ちもありますし、お渡し会では、どんな作品で私のことを知ってくれたのかも直接教えてもらえますので、とてもうれしいですし楽しいです!
――そして3月には原宿アストロホールでのソロライブも決定しました。
松井:細かいことはまだ何も決まっていないのですが、せっかく今回のアルバムの企画で絵を描かせていただいたので、ライブグッズとしてポストカードセットを作るのはいいかも知れませんね。
――最後に、メッセージをお願いします。
松井さん:このたび、ご縁があってメジャーデビューさせていただくことになりました。私が歌いたかった曲が自然と集まった、ちょっと不思議なアルバムになっています。これまでの私が詰まった、私視点での曲が満載ですので、これからの私を感じていただきつつ、楽しんでください!【取材・文=ダンディ佐伯】