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間もなく第1話の放送が始まるタイミングでお届けする、テレビアニメ「クズの本懐」安済知佳さん(安楽岡花火役)&島崎信長さん(粟屋麦役)インタビュー。後編では、2人のこの作品に対する強い想いを聞くことができました。安楽岡花火と粟屋麦以外のキャラクターについてと、アフレコの雰囲気などを語ってくれています。
――「クズの本懐」には、麦と花火の他にも個性的なキャラクターが多く出てきますが、お2人にコメントをいただいてもよろしいですか? まずは絵鳩早苗から。
安済:放送前か…。えっちゃん(絵鳩早苗)は花火にとって唯一の友達なんですよ。1〜2話でもわかると思うんですけど、私、えっちゃんに対してが一番楽しい声を出していると思います。えっちゃんと話している時は、麦とかお兄ちゃんといる時より乙女になれたというか。あと、彼女の家の猫はかわいいので、お楽しみに!
――続いて最可は?
島崎:「クズの本懐」という作品自体が現実に寄せている作品だと思うんだけど、その中でいて最可ちゃんは、第一印象だとアニメの中のお姫様みたいな雰囲気をまとっている子ですね。でも、そんな最可ちゃんにもいろいろな心の動きがあるので、それはお楽しみに、という。
安済:私は最可が一番好きです! 唯一の良心と言ってもいい!
――続いて鳴海について。
安済:お兄ちゃんは、花火という人間を形成する上での重要人物です。ひとりの人間としてでき上がる上で欠かせない存在。途中で「あなたが色を添える」ってセリフが出てくるんですが、それがぴったりだなって思いまして。花火は母ひとり子ひとりの環境で、お母さんに心配かけまいと生きていたところに舞い降りてきた神!みたいな(笑)。それまで灰色だった人生に色が付いたのは、お兄ちゃんの存在や温もりがあったからというのが、すごく大きいです。
――茜さんは?
島崎:今の段階で話せることは何ひとつないですね(笑)。ぜひ、本編を見ていただければ!
安済:ナチュラルかわいい。男性の方が好きそうです。
――ちなみに、それぞれの恋愛で共感できるものはありますか?
安済:ないです(即答)。
島崎:でも、誰に共感できるとかではなく、誰しもがちょっとくらいは思ったことがある感情なんですよ。そこがすごく偏っていたり、増幅されていたり、尖ってるだけで、たぶん分解していけば、ちょっと思ったことあるわ!っていうのがあると思う。
安済:うんうん。あると思います! 私、この作品を読むまで、クズなんかに絶対にならないし、すごく毛嫌いしてたんですよ。それまで純情系の漫画で育ってきちゃったので、こういう作品は読めていなくて。でも、この作品を読んで、誰でもクズになり得るんだって学びました。
――アフレコはいかがですか?
島崎:すごく士気が高いです。スタッフさんも本当に作品を愛して作っているんだなというのを感じます。印象深いのは1話のアフレコで「ショッキングなシーンや性的な要素が強い描写がありますが、それを見せるためにやっているのではなく、最後の答えにたどり着くためにやっていきます、だから安心してください」と言っていただいて。最初から不安はなかったんですけど、よりモチベーションが上がって、いいものを作ろう!という気持ちが強くなりました。
安済:私に関しては、すごく必死なので結構周りが見えてないんです。でも、皆さんそれをわかっているのか、すごく優しく接してくれて…。特に豊崎さんは隣に座ってくれていて。私のこれまでのアフレコって、たいていライバル役がいるんですよ。そういう人とは、何だよ! 何だよ!っていうコミュニケーションを取っちゃうんですけど、豊崎さんとはすっごく仲がいいです(笑)。私が重い!って落ち込んでると「そういう時は、こういうバラエティ番組があるよ」みたいな。
(一同笑)
安済:「これを見て笑って元気になろう!」とか。こんなにもキャラの関係性とリンクしてないのは私的に初めてで新鮮です! そして、皆さんが私はこうやりたい!っていう主張を汲みつつ、一丸になって作ろうって思ってくださっているのをすごく感じて、ありがたいなぁという気持ちと、もっとガンガンぶつかっていきたいっていう想いがあります。初めての恋愛モノなので、出せるものを全部出したいんです。それをフォローしてくれる、活かしてくれるキャスト、スタッフばかりなので、とにかく私は全力で何もかもぶつけていって、あとは何とかしてもらおうって気持ちです(笑)。
――最後に見どころを。
安済:私が思っていた以上に、コミカルなところと生々しいところの対比がすごくて、衝撃的でした。動きや息遣い、あとは布が擦れる音だけでもやばい!って思う。全部に意味があるように思える演出になっていたので、最初はその雰囲気を受け止めていただければ。
島崎:衣擦れの音ひとつにも音響さんのこだわりが入ってるし、線の一本一本にもアニメーターさんのこだわりが入ってる。吐息にも僕らのこだわりが入っている。すごく緻密にこだわり、熱意と愛情を持って作っている作品なので、逃すことなく楽しんでもらえたら嬉しいです。【インタビュー=塚越淳一】
※島崎信長さんの「崎」は、正しい表記は「立ち崎」ですが、機種依存文字のため「崎」表記しています