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©2024「トラペジウム」製作委員会
乃木坂46 1期生・高山一実の長編小説デビュー作「トラペジウム」は、現在絶賛公開中です。主人公・東ゆう役には結川あさきさん、ゆうが結成するアイドルグループ〝東西南北〟には、大河くるみ役・羊宮妃那さん、華鳥蘭子役・上田麗奈さん、亀井美嘉役・相川遥花さんがキャスティングされています。
工藤真司 ©2024「トラペジウム」製作委員会
本稿では、ゆうの「計画の協力者」である工藤真司役を演じる木全翔也さん(JO1)にインタビュー! 日本最大級のオーディション番組にて結成されたグローバルボーイズグループ・JO1のメンバーである木全さんから見た原作の魅力とは? またご自身もアニメ好きで、「ずっと声優の仕事をやりたかった」という木全さんが、どのように役づくりをしてアフレコに挑んだのか、本作についてじっくりと語っていただきました。
工藤真司役・木全翔也(JO1)
——今作のオファーが届いたときの率直なお気持ちは?
木全 本当にびっくりしました。以前、メンバーの大平祥生といっしょに出演させていただいたTVアニメ「群青のファンファーレ」では、セリフもそこまで多くなかったんです。それが今回、工藤真司役としてお声がけいただき、がっつりとお芝居することになってすごく緊張しました。アフレコ当日は、収録ブースでガタガタと震えていましたね、緊張して凍えていたみたいで(笑)。でも明田川(仁)音響監督をはじめ、スタッフさんたちとのやりとりで、スムーズに収録することができました。
——本作は、乃木坂46 1期生・高山一実さんの長編小説デビュー作としても話題ですが、どんなところに魅力を感じられましたか。
木全 実際にアイドルだった方が、アイドルになりたい人を題材にしたリアリティーのある作品で、ところどころに共感も覚えながら、楽しく読みました。たとえば主人公の東ゆうがクラスメイトに冷やかされるシーンがあるんですけど、実は僕も似たような経験がありました。アイドルに限らず、将来の夢を語った時に、周囲から「そんなの無理だよ、やめときなよ」とか「本気で言ってるの?」と悪気なく否定されることって、どんな人にもあるんじゃないかと思うんです。一方で、僕の演じた真司のように、夢を応援してくれる存在もまた身近にいて。僕も、両親や友人たちに話を聞いてもらったり、サポートしてもらったりして、ここまできました。作中でのクラスメイトと真司、どちらのやりとりもリアルだなと感じましたし、そういった描写は原作者の高山さんもこだわられたのかなと思います。
工藤真司役・木全翔也(JO1)
——ご自身にもまた、真司のような存在がいたんですね。
木全 はい。そんな友人からは「有名になったら焼肉おごってよ」「本気で頑張ってきなよ」なんて背中を押してもらって。応援してくれる人のおかげで頑張ってこれたし、何より僕自身も誰かの夢を応援したいと思いながら活動しているので、真司は親近感をいだきながら演じました。
——役づくりをするうえで、何かに意識されたことは?
木全 収録が始まる前に、つくり込んだ声とナチュラルな声、低くした声など何パターンかボイスメモを録って監督たちに聞いていただきました。そこで篠原(正寛)監督たちからは「そこまでつくり込まずにいきましょう」とお返事をいただいて、とくに声のトーンに関しては、本当にナチュラルな方向で収録しました。
工藤真司役・木全翔也(JO1)
——事前に芝居の方向性をすりあわせて挑まれたのですね。収録はいかがでしたか?
木全 ナチュラルな方向と言いつつも、声だけの芝居は思っている以上に大げさにやらないと伝わらないものもあって、感覚をつかむのが大変でした。とくに真司の場合、わりと淡々としたところがあるので、あっさりとしたなかにも気持ちの抑揚をつけることを意識しました。声だけでキャラクターに命を吹き込むのは難しいことだと改めて痛感しましたし、「トラペジウム」の現場では本当に多くの学びがありました。アフレコ自体は本作の後だった「映画しまじろう『ミラクルじまのなないろカーネーション』」では、真司役を通じて学んだことが出せたと思うところがたくさんありました。今後もこの経験を活かして、声優の仕事に挑戦していけたらうれしいです。声優は技術が必要な仕事ですし、もちろん簡単なことではないけれど、もっともっと練習してうまくなりたい気持ちでいます。
——YouTubeにて公開されたアフレコ映像では、自らリテイクを提案したとのコメントもありましたね。
木全 現場で篠原監督たちと演技を相談しながらどんどん温めていったので、最後まですべて録り終わってから「いまの感覚でもう一度、冒頭を演じてみたいな」と思って相談させていただきました。すでにOKをもらっていた部分だったのですが、ここまで来たらもっとこだわりたくて。作中で夢を追いかけるゆうのように、僕にとっても「トラペジウム」はもっともっと上をめざしたいと強く思える作品になりましたし、いろいろな意味で教科書のような存在です。
——夢を追いかけるゆうの姿は、全編を通してとても印象的です。木全さんは、彼女の姿をどうご覧になっていますか?
木全 やはりゆうは、自然と応援したくなりますね。僕もJO1としてデビューするまでに相当苦労しましたし、高校時代には一度、自分の夢に見切りをつけてしまったこともあります。ゆうもときには空回りしますが、いい意味で自分の心を曲げずに、周りを巻き込むぐらいの勢いで夢をめざしている。その努力は本物だし、夢を追う人が見て、背中を押してもらえるような、そんな人なんじゃないかなと思います。
——木全さんにとって、アイドルのような存在といえば?
木全 愛猫のわさびです。僕は動物全般が好きで、とくに猫の気まぐれなところがかわいいなと思っています。昨日も自分からベッドに来たのでなでていたのですが、すぐに満足したのかどこかに行っちゃいました(笑)。
——アニメもお好きとうかがいました。どんな作品をご覧になるんでしょうか。
木全 「ガンダム」シリーズがとくに好きです。僕のガンダムデビューは「機動戦士ガンダムSEED」で、ガンプラもよくつくっていました。一時期は集めすぎて、置くスペースがなくなって大変なぐらいまではまってしまって……(笑)。猫を飼っているので塗装まではできないんですが、墨入れなどはこだわりますし、機会があればジオラマづくりにも挑戦したいです。あと、この前やっとお台場にある実物大ユニコーンガンダム立像をやっと見に行けて、めちゃくちゃテンションが上がりました。JO1のメンバーともふだんからよくアニメ談義をしますよ。いちばん詳しいのは、やっぱり(鶴房)汐恩。マニアックな作品もよく知っていて、メンバーにいろいろおすすめしてくれます。
——なるほど。ちなみにゲームなどもされるんでしょうか?
木全 します! いまは「鉄拳8」にハマっています。よく選ぶキャラクターはリリー、今作から登場したヴィクターあたりですね。旧作の2Dも好きで、たまにアーケードでも遊んだりするんですけど、今作でさらに進化した3Dグラフィックの美しさに驚きました。操作性もいいし、戦っている時のヒット音も好きで、ストレス発散にもぴったりです。
工藤真司役・木全翔也(JO1)
——お話ありがとうございました! 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
木全 本作は、主人公として描かれるゆうの努力を通して、夢の追いかけ方を学び、前を向くための作品でもあるのかなと思います。夢に迷っていたら、ぜひ劇場へ来てください。お待ちしております!
【取材・文:藤谷燈子/写真:武田真由子】
■映画「トラペジウム」
全国ロードショー中
スタッフ:原作…高山一実「トラペジウム」(KADOKAWA 刊/『ダ・ヴィンチ』連載) 監督…篠原正寛 脚本…柿原優子 キャラクターデザイン…りお 総作画監督…りお・けろりら 衣装デザイン…伊藤雅子 プロップデザイン…久原陽子、渡辺浩二、井戸田あかね 2Dデザインワークス・特殊効果…齋藤睦 美術監督…田村せいき 色彩設計…中島和子 撮影監督…関谷能弘 3Dディレクター…宮地克明 編集…三嶋章紀 スーパーバイザー…舛成孝二 星空写真協力…KAGAYA 音楽…横山克 音響監督…明田川仁 制作…CloverWorks 製作…「トラペジウム」製作委員会 配給…アニプレックス
キャスト:東ゆう…結川あさき 大河くるみ…羊宮妃那 華鳥蘭子…上田麗奈 亀井美嘉…相川遥花/工藤真司…木全翔也(JO1) 古賀萌香…久保ユリカ 水野サチ…木野日菜 伊丹秀一…内村光良
リンク:映画「トラペジウム」公式サイト
映画「トラペジウム」公式X(Twitter)・@trapezium_movie