2025年7月11日から放送開始となるTVアニメ『桃源暗鬼』のジャパンプレミア(先行上映会)が、6月21日にユナイテッド・シネマ豊洲で行われました。TV放送に先駈けて第1~3話の上映後に行われた、一ノ瀬四季役・浦 和希さん、無陀野無人役・神谷浩史さん、皇后崎 迅役・西山宏太朗さんによるトークショーの模様をレポートします。
THE ORAL CIGARETTESのOP主題歌「OVERNIGHT」と共に壇上に上がった3人。最初の挨拶で、浦さんが「どうでしたか⁉」と客席に呼びかけると、映像を見終えたばかりの興奮が冷めやらぬ観客の大きな拍手を受けて、トークが始まりました。
アニメ化の発表から1年、ついに完成映像をお披露目できた心境を聞かれると、「かなり前から準備をしてきたコンテンツがたくさんあるので、ようやくここまで来られてうれしいです」と喜びを表現した浦さん。神谷さんは、勢いのある若者と共演する機会は貴重としたうえで「この作品に懸けるしかない」と、〝血の気の多い〟意気込みを見せます。
その発言を受けて西山さんが「やる気十分です」とコメントすると、たちまち「質問の答えになっていない」と神谷さんからツッコミを受ける一幕が。実は最初の挨拶で「皆さん、血の使いすぎにはご注意ください!」とさっそくぶちかましていた西山さん。演じている皇后崎 迅のギャップに会場も少し戸惑いつつ、和んだ雰囲気のなかで話しが進みます。
メインは、上映されたばかりの第1話から第3話について、深掘りトークが展開しました。激しいバトルが展開した第1話について、浦さんは「四季、四季の養父の一ノ瀬剛志、桃太郎機関の桃屋五月雨、3人の掛け合いが激しくて」と振り返り、音響監督から「もっと、もっと」とどんどん過激な要求をされ、「もう、勘弁してください」と言いながら一生懸命演じたと告白。一方で日常生活が描かれたシーンでは、「普段の四季がどういう人間なのか、きちんと自己紹介できるように意識しながら演じた」と語りました。
神谷さんは、思っていた以上に動きのあるバトルシーンに感嘆。「キャラクターが息づいていると、役者として何か息のアドリブを入れたくなりますが、それをサボっているのが宏ちゃん(西山)で」とふると、西山さんが慌てて「説明が足りないかもです! そういう役です」と必死の弁明。「皇后崎はクールだから息の芝居が入れられないかもしれませんが、四季はそういうタイプの役ではないので、浦くんがたくさん息の芝居を入れていた様子を見て、大変そうだけど楽しそうだなと思っていました」と、後輩を翻弄します。
西山さんは、2人が絶賛したバトルシーンについて「ゾクゾクしちゃって……。見ていいのか、よくないのか」と、手で目を覆いながらも隙間からチラ見していた様子を再現。「背徳感を感じながら、新しい扉が開きそうな瞬間が多々あった。ダークヒーローということもあり、四季が暴走したときに逆光で影を帯びた演出が、『桃源暗鬼』という作品を象徴していて、すごくかっこよかったです」という感想に、浦さんも大きく頷いていました。
話題が第2話と第3話のコミカルなシーンにうつると、神谷さんは、無陀野のムチャクチャな行動が少年漫画らしくて、視聴者はワクワクすると思いますがと前置きし、「『お前、ネクタイ似合わなそうだな……』と言って、イキナリ四季の首を絞めて背負うから、あそこで暴走する以外どうするのが正解なのか、まったくわかりませんでした。でも宏ちゃんは、見ていいのかしらって」と、西山さんのチラ見ポーズをモノマネ。西山さんは「僕、あのシーンが大好きなんです! 映像表現と音がすべてリアルで、見入っちゃいました」とうれしそうに答えます。
無陀野を演じることについて、「生徒に無理難題を押しつけている無陀野ですが、その根底には違うものがある。そこを表現するにあたり、おもしろさを感じるギリギリのバランスを保っている」と語った神谷さん。そして第2話以降、四季と絡む皇后崎迅について、西山さんは「このタイミングが一番迅と四季の仲が悪くて、お互いに認め合わないんです。その描き方がすごく絶妙で、ステキだなと思いました」と言うと、浦さんは「無音で無視され続けて、アフレコブースで泣きそうになりました」と吐露しました。キャラクターとしてはまだ距離がある3人ですが、演者は仲良しという雰囲気に、司会者も会場もほっこり。
後半、作品の見どころでありキーワードでもある「血蝕解放」について、「もし自分が使えたら」というお題に、3人が答えました。最近ご飯を食べるのが大好きという理由で「おはしを出してパクパク食べます」という浦さんの珍回答に、神谷さんが大ウケ。そんな神谷さんは、「好きな物はゲームなので、最新ゲームをサッと出したい。今話題のSwitch2とか。僕も当選していないし」と話し、最後に「夏が好きなのでハンディファンを出したいと思います」とまたもナナメ上の回答をした西山さんでしたが、「いったん涼しくして油断させたところを、ファンで刈るんです」と斬新な攻撃方法を提案し、トークは着地。3人の優しい人柄が垣間見える回答に、拍手が送られました。
最新PVの上映や新キャスト紹介、第3弾KVのお披露目や公式YouTubeで配信されるオリジナルミニアニメ「おにもももも」の告知など、最新情報が発表された後は、登壇者の最後の挨拶です。西山さんは、声優人生で新たな扉を開く機会となった皇后崎 迅との出会いに感謝を、神谷さんは、原作の最後まで演者として関わり続けられる作品になるようにと祈りの言葉を述べました。浦さんは「ようやく映像を皆さんに届けられた喜びを、制作サイドみんなで分かち合いたい、映像も音楽も最高!」と喜びを表現。メディアミックス化にも触れ「本当に最後の最後まで、皆さんと一緒に見届けられたらと思っています」と締めました。
さらに最後のお楽しみとして、OP主題歌「OVERNIGHT」を担当するTHE ORAL CIGARETTESと、ED主題歌「What is justice?」を担当するBAND-MAIDからの映像メッセージが流されました。THE ORAL CIGARETTESは「アニメのストーリーに沿ってしっかりとつくり、四季の気持ちになって楽曲を書いた」こと、BAND-MAIDは「ギターをかなり攻めた楽曲にしたいと思ってつくった」ことを、それぞれコメント。物語、映像、楽曲と、ダークヒーロー作品らしい尖った魅力を放つ『桃源暗鬼』の放送開始が待ち遠しくなる、イベントとなりました。
【取材・文:ナカムラミナコ】
■TVアニメ「桃源暗鬼」
●7月11日より毎週金曜よる11.00~日本テレビほかにて放送開始
Ⓒ漆原侑来(秋田書店)/桃源暗鬼製作委員会
リンク:TVアニメ「桃源暗鬼」公式サイト
TVアニメ「桃源暗鬼」公式X(Twitter)・@tougenanki_anm