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「穏やか貴族の休暇のすすめ。」リゼル役・斉藤壮馬さんインタビュー「それぞれの楽しみ方を見つけて映像を楽しんで」

ある日突然異世界に転移してしまった、大国の宰相リゼル。しかし彼は動じるどころか冒険者となり、「休暇」と称して異世界の生活を楽しむことに! シリーズ累計210万部を突破し、オーディオブックや舞台、朗読劇などメディアミックスも大人気の作品が、満を持してTVアニメ化されました。
ドラマCDから主人公のリゼルを演じている斉藤壮馬さんに、TVアニメ化の喜びと、作品そしてキャラクターの魅力について語っていただきました。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――斉藤さんは、2019年12月発売のドラマCDに始まり、朗読劇などでずっとリゼルを演じていらっしゃいます。改めて今回のTVアニメ化のお話を聞いて、どう感じましたか?
斉藤 気づけば6年ほど作品に関わらせていただいていて、彼らの穏やかな日常がアニメーションでも見たいなと、いち読者としても思っておりました。彼らの穏やかな日常を映像で感じてみたいと思っていたので、やっと動く彼らが見られるんだなとうれしくなりました。

――脚本を読んだときに、どんなことを感じましたか?
斉藤 本作は、リゼルの眼差しを通して、彼が元々いた世界とは少しだけ違う世界の中で暮らしていく物語です。物語はいろんなキャラクターたちが織りなす人間ドラマではあるのですが、基本的にはタイトルにある通り、穏やかな雰囲気で物語が進行していきます。ですから肩肘を張らずに、リラックスした気持ちで見ていただける作品なんじゃないかなと思っております。会話劇を中心に進みますが、その会話の合間に、贅沢にも感じる穏やかな時間があることが大きな特徴なのかなと。リゼル自身も、彼の相棒になってくれるジルもあまりことば数が多いタイプではないので、ことばの「行間」をすごく大切にして、アニメーションをつくってくださっているなと感じました。

――リゼルという人物をどうとらえ、どのように演じていこうと考えましたか?
斉藤 リゼルは“穏やか貴族”と称されるにふさわしいというか、基本的にできた人間で、あまり大きな感情の起伏がある人ではないと思います。元の世界では宰相として国に仕える仕事をしていて、非常にキレ者であり、博識であり、そして人心掌握術にも長けているというクレバーな人であるという印象がまずありました。それと同時に、かなり人間味のある人物だなとも感じましたね。大抵のことには動じないですが、感情が凪いでいるわけではありません。たまに子供っぽくふるまうことや、夜に本を読みすぎて朝起きられないといった等身大の人間らしさ、天然とまでは言えないのかもしれないですけど、「隙」みたいなものがあるところが魅力的だと思っています。リゼル自身、自分をかなりしっかり認識できているけれども、みずからトップに立ってすべてを支配するようなタイプではなく、脇で動いて物事を円滑に進めていくタイプだと考えているんじゃないかなと思いますね。頭がよくて聡いが故に、自分の分相応をわかっているような、あまり浮き足立つことのない人なんじゃないかなと。そのため、決まった尺の中でも早口ににならないように気をつけて、あくまでも彼のもっているいろいろな穏やかさがフィルムとして届けられるようにアプローチしてみました。

――そういった穏やかさがある反面、けっこう怖いところもあって、二面性のある人物だなと感じましたが、改めて映像を見て感じたことはありましたか?
斉藤 彼も人間なので、当然、譲れない部分や踏み越えてほしくないという一線をもっていると思います。リゼルは声を荒げて激昂するのではなく、静かに怒りを燃やすタイプというか、一番怒らせてはいけないタイプなんだと思います。ドラマCDや朗読劇で取り組んできた演技的な話ですが、リゼルは「触れてほしくない領域」に触れられても、威圧して抑えこむことはしません。ことばを交わす中で、相手に「本当にダメなんだ」「絶対に譲れない部分なんだ」というニュアンスを伝える。それが聞いている人、見ている人にも伝わればいいなと思いながらリゼルを演じてきました。特にドラマCDでは、リゼルが何度か、自分の主に対しての領域を示したり、人間的な感情の起伏を表現するシーンがあったので、当然「譲れないもの」をもっている人だと思い、取り組んでいたんです。原作をすべてひとりで朗読しているので、改めてアニメーションの収録をしたときは不思議な気持ちというか、懐かしい気持ちになりました。ジルのセリフも「何年か前に自分も読んだな」という感覚だったので、すごくおもしろい経験をさせていただいたと思っています。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――アフレコでは、何か新しいオーダーなどはありましたか?
斉藤 大きく方向性を変えるようなディレクションいただきませんでした。最初に話したのは、「疲れて帰ってきた方がリラックスして見られるような、まさに穏やかな映像にしたいです」という全体の共通認識のすり合わせですね。それは本当におっしゃる通りだなと思いましたし、ことさら今までと何かを変えているっていうことも僕の感覚としてはないんですけど、朗読、あるいはオーディオブックという音声を中心とした演技を今までしてきた中で、TVアニメは映像でアニメーションの尺がもう決まっているので、こういうテンポ感なのだなというのは感じましたし、そこに忠実に乗っていくという気持ちで演じてみました。

――相棒になるジルの印象はいかがですか?
斉藤 ジルは、リゼルにとってなくてはならない相棒になりますが、ジル自身はソロで迷宮を突破できる実力をもつ冒険者であり、人とつるむのがあまり好きではありません。でも、意外と面倒見がよいんですね。リゼルが「面倒見られ上手」な部分もあるのですごくいいバディだと思いますし、ジルの、みなまで言わずとも発想の共有ができるところに、信頼が置けると感じています。基本的にストーリーが会話劇で進みますが、序盤を過ぎると、リゼルがジルにすべてを説明しなくなるんです。ジルが「きっとこういうことを考えているんだろう」と察してくれて。発想の種みたいなものはかなり似ているけれど、解決方法がずいぶん違う。だからジルとしては、納得はできないけれど理解はできるみたいな感じで接してくれるんです。だから案外2人は、気質が似ているのかなと思いますね。

――ジルの印象も、リゼルといっしょにいることで変わりました。
斉藤 リゼルが、天然なのか計算なのかわからないつかみどころがない人なので、いっしょにいると必然的にジルがツッコまざるをえないというか、ツッコミとぼやきですよね。それもボソッと「それは違うだろ」という感じなので、テンションが上がりすぎないところも、リゼルは心地よく感じていると思います。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――本作は「癒し系異世界冒険ファンタジー」ということで、斉藤さんが癒されるキャラクターは誰ですか?
斉藤 鳥海浩輔さんが演じるレイです。テンションが高くてノリがよく、曲者でもあるところが個人的に好きなキャラクターですし、やっぱり鳥海さんの朗らかだけどどこか食えないヤツという曲者感がとってもステキだなと思って。レイが登場すると、物語にすごく動的なリズムが生まれるんです。リゼルとジルの会話は本当に穏やかなので、ほかのキャラクターたちが絡むことによって、物語に起伏が生まれるっていうのがすごく楽しかったですし、掛け合いならではの楽しみ、ほかの人がいる安心感にすごく癒されました。

――もしリゼルのように異世界に行って「休暇」を過ごすとしたら、何をしたいですか?
斉藤 どの程度の異世界かにもよりますけど……今の都会の生活は便利で楽しいんですけど、どこかもっと自然を感じたいなと思っている自分もおります、ですから、少し郊外とか地方に行って自然を感じながら狩猟採取の生活というか、ロハスな自然を感じながらその日暮らしをするような、ひとつひとつ体験しながら、自分自身で情報を獲得していくような生活ができたらうれしいなと思います。

――物語中盤から終盤の楽しみを教えてください。
斉藤 スタッドとジャッジは、リゼルがジルたちの世界にやってきた初めのころに出会うキャラクターです。スタッドは、王都・パルテダにある冒険者ギルトの職員で、感情表現が乏しい若者です。道具屋を営むジャッジは、優れた審美眼をもちながらも、まだまだ自分に自信がない若者です。この2人の将来性、成長を楽しみにしていてください。また、イレヴンは、ソロの冒険者で蛇の獣人という謎が多いキャラクターで、活躍するのは物語後半になります。こちらも登場して活躍するのが楽しみになると思います。

――最後に楽しみにしてるファンへのメッセージをお願いします。
斉藤 本作は、見ている皆さまそれぞれの楽しみ方を見つけていただけるような、開かれた作品だと思います。疲れたときになんとなく流し見をするでもよし、後から一気見をして夜ふかしをしていただくもよし、皆さまそれぞれの楽しみ方で、彼らの穏やかな生活に触れていただきたいなと思っております。これから登場する新キャラクターを含め、彼らがどんな日々を過ごしていくのか、ぜひいっしょにお付き合いいただけますと幸いです。

【文:ナカムラミナコ】

■TVアニメ「穏やか貴族の休暇のすすめ。」
●テレ東、BSテレ東、AT-Xほかにて放送中
●FODにて独占配信中

スタッフ:原作…岬『穏やか貴族の休暇のすすめ。』(TOブックス刊)/原作イラスト…さんど/漫画…百地/監督…能田健太/シリーズ構成…鈴木洋介/キャラクターデザイン…藤原彰人/総作画監督…藤原彰人、桜井正明/美術監督…明石聖子/色彩設計…鷲見淳兵/撮影監督…梶原義大/3D監督…熊倉ちあき/編集…中葉由美子/音響監督…渡辺淳/音響効果…倉橋裕宗/音響制作…TOブックス/音楽…山下康介/音楽制作…日本コロムビア/アニメーション制作…SynergySP/アニメーション制作協力…アセンション

キャスト:リゼル…斉藤壮馬/ジル…梅原裕一郎/イレヴン…柿原徹也/スタッド…福山潤/ジャッジ…山下大輝/レイ…鳥海浩輔/シャドウ…安元洋貴/インサイ…浜田賢二

リンク:TVアニメ「穏やか貴族の休暇のすすめ。」公式サイト
    「穏やか貴族の休暇のすすめ。」公式X(Twitter)・@odayaka_pr

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