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「穏やか貴族の休暇のすすめ。」ジル役・梅原裕一郎さんインタビュー「改めて映像で感じるキャラクターの機微」

シリーズ累計発行部数210万部超の人気作品「穏やか貴族の休暇のすすめ。」のTVアニメが、2026年1月7日より放送開始となりました。
コミカライズやドラマCD、朗読劇、舞台化など幅広いメディアで展開され、多くのファンの心をつかんでいる“異世界癒し系”である本作。主人公は、ある日突然別の世界に転移してしまった貴族の青年・リゼル。大国の宰相として名を馳せていたリゼルは、「休暇だと思って楽しみます」と大らかな心で、新生活を始めます。
そんな彼が、今いる世界のことを知るために選んだ相棒が、一匹狼の冒険者・ジル。人とつるむ性分ではなかったジルですが、しっかりしているようでどこか抜けたところもあるリゼルが放っておけず、世話を焼きます。ドラマCDからジルを演じ続けている梅原裕一郎さんに、TVアニメ化の喜びと、作品やキャラクターの魅力についておうかがいしました。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――TVアニメ化の一報を聞いたときの気持ちはいかがでしたか?
梅原 ドラマCDや朗読劇をやったときに、目標のひとつとしてTVアニメ化があるのかなと考えていました。それから少し時間が経って、引き続きジルを演じてくださいと言われたので、単純にうれしかったですね。ドラマCDや朗読劇はオリジナル脚本であることが多かったので、また1からジルのキャラクターづくりを始められるのが楽しかったですし、アフレコにキャストが集まって、実際に掛け合いができるのが楽しみだなと思いました。本作は会話劇なので、人のセリフを受けてしゃべることが多いんです。特にジルはツッコミ役でもあるので、実際に人のセリフを聞いた方がいいなと思っていたので、今回掛け合いができてとてもよかったです。

――梅原さんが感じる本作の魅力を教えてください。
梅原 やっぱり主人公のリゼルの魅力です。肝っ玉が大きくてどんなことにも動じず、ちょっと人を食った雰囲気がありつつも人たらしで。いろんな人が、彼の魅力に惹かれていく。リゼル自身も頭がよくて、思うように人を動かす術をもっているんですよね。自由でクセの強いキャラクターたちも、なんだかんだリゼルに魅力を感じて、ついていくという。それを意図的ではなく、ナチュラルにできてしまうというところが、なかなかおもしろい作品だなと思います。元になったWeb小説のタイトルが「休暇だと思って楽しみます。」なんですが、そのタイトル通り、異世界の生活を楽しもうというリゼルの姿勢や彼自身の魅力が、この作品を引っ張っているなと感じました。

――先ほどTVアニメで1からキャラクターづくりができることが楽しみとおっしゃっていましたが、ジルをどのような人物だと考え、どう演じていこうと考えましたか?
梅原 ジルはソロ冒険者として名を馳せているだけあって、基本的に強い。その上、目つきが悪くてことば数も少ないので、近寄りがたい雰囲気をもっている青年です。ふだんは人と一定の距離を置いていますが、「こいつおもしろいな」と興味をもったら、自分から近づいていくところが、僕自身との共通点ですね。ちょっと偉そうですが、「こいつなら」と自分で判断することをジルもやっているのかなと思います。僕は世話焼きではないので、そこは似ていないかも(笑)。でもリゼルといると、世話焼きな部分がどんどん出てくるあたり、本来ジルは、困っている人を放っておけない面倒見のよい性格なのかなと。一匹狼なので、自分の意思だけで動くのかと思いきや、意外と人のために動ける人物なんだなと演じながら感じました。お話が進むにつれて、ジルがだんだんリゼルといっしょにいること自体が楽しくなっているというか……。映像を見てより感じたことですが、リゼルと話しているときのジルの表情がどんどん柔らかくなり、隙を見せるような部分もどんどん増えているんですね。そういう意味で、ジルが自然体でいられる相手がリゼルなんだろうなと。ちょっと冗談を言ってニヤリとする部分が、きっとジルの本当の人物像なんだろうなと思っていますね。

――そんな2人の関係を、梅原さんはどう感じていますか?
梅原 あまり2人に共通項がないのが、逆にいいのかなと思いますね。リゼルが別の世界から来たということもありますが、ジルはリゼルが何を考えているのかわからないというところから始まっているだろうし、リゼルはジルのような肉体的な強さをもっているわけではありません。だからこそ行動の突飛さをおもしろがることができて、「こいつはなんか、目が離せないな」と感じたのだと思います。ひとつ共通点があるとしたら、相手が考えていることを予測して話すところでしょうか。2人だからこそなのかもしれませんが、以心伝心というか、あうんの呼吸のような会話が多いんですね。リゼルの頭のよさとジルのことば数の少なさから、結果的にそうなっているのかもしれませんが、うまくかみ合って2人の独特な会話が生まれているのかなと思います。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――映像を見た感想はいかがですか?
梅原 キャラクターの表情が繊細に描かれていて、すごいなと思いました。また舞台が現実とは違う世界なので、建物や調度品など、世界観を表現する背景がキレイに描かれていて。それによって、キャラクターたちが本当にその世界に息づいているんだなと思いましたね。もうひとつ、ジルのツッコミ癖はリゼルのせいなんだとわかりました(笑)。ドラマCDではテンポのいい会話が続くので、ジルはリゼルだけでなくいろんな人にツッコミを入れるんですが、やはりそれはジルがリゼルに出会ってからできあがっていったキャラクター性なのかなと。最初のころは、あまりツッコミも激しくないなと、改めて最初から物語を演じて感じたところです。そんなふうに2人の距離感の変化によって、キャラクターの表情や行動が変わっていくというのが、本作の楽しみ方のひとつかもしれません。

――お互いにことばの裏を読み合う会話劇が、本作のおもしろさのひとつであると思いますが、リゼル役の斉藤壮馬さんとの掛け合いはいかがでしたか?
梅原 壮馬くんは、僕のセリフの細かいニュアンスをちゃんと汲み取って会話をしてくれるんです。テストでお互いに思うように演じてみて、うまくかみ合わなかったなと感じた部分があったら、本番でちゃんと歩み寄って、スムーズな会話になるようにしています。それをことさら休憩時間に話し合うこともなく、マイク前での呼吸感で合わせていくというのは、けっこうおもしろかったですね。アフレコでは、ほぼ映像ができあがっている状態のもので演じさせていただいたので、尺が決まっているんです。しゃべるテンポを制限されている中で、掛け合いとして成立させるということが、難しい反面、壮馬くんとやっているとうまくいくことが多くて楽しかったです。監督が、作品全体に流れる空気の早さというのを決めていらっしゃると思いますが、ほかの作品よりも穏やかな時間が流れているなというのは、アフレコをしながら感じました。なので序盤はそのペースをつかむのに苦労したんですが、アフレコが進むにつれて、僕も含めた全員がこの作品のテンポ感に慣れていったと思います。

――アフレコに関して、制作からのオーダーはありましたか?
梅原 基本的なキャラクターはドラマCDでつくられていましたし、音響監督さんも同じ方だったので特に新しいものはありませんでした。覚えているのは、第2話で、ジルがリゼルに対して感情的になるシーンがあるんですが、どの程度感情を発露させたほうがいいのか悩んで。テストのときにはかなり感情を強く出してみたときに、つい感情が高ぶったセリフではあるけれども、ジルの枠は超えないでというアドバイスをいただいて。ジルもリゼルも感情的になるようなキャラクターではなく、タイプは違うけれども雰囲気的には落ち着いている。その落ち着いている2人が掛け合うのも、なかなかおもしろいなと思います。


©岬・TOブックス/穏やか貴族製作委員会


――もし梅原さん自身が異世界に転移してしまったら、どう過ごしたいですか?
梅原 海外旅行の経験もほとんどなく、環境の変化に弱いタイプなので、慣れるまでかなりの時間、引き籠もっていると思います(笑)。外に連れ出してくれる人がいれば別ですが、ひとりはけっこうきついですね。だからリゼルは、冒険心があって楽しいことが好きなんだろうなと思いました。

――第2話以降のお楽しみポイントを教えてください。
梅原 ジルの心の内が明かされるシーンもありますが、そこがまた原作とちょっと描写が違うんです。細かいところが変わっているので、そこはぜひ映像で楽しんでいただききたいです。また、新しいキャラクターも登場するので、彼らがリゼルとどう関わっていくのかも楽しみのひとつですし、ジルとリゼルがタッグを組んで、冒険者としていろんな依頼をこなしていく中で、どんどん信頼関係が深まっていることを感じるシーンがたくさん出てきます。ことばにせずとも自然にリゼルをフォローしようとしているジルの姿、また弱点もあるというリゼルの人間的な部分もかいま見えるので、どんどん物語に引きこまれていくのではないかと思います。キャラクターの内面がわかると、どんどん「もっとこの人のことが知りたいな」と思えるところが、この作品の魅力ですので、ぜひゆったりとした気分でお楽しみください。

【取材・文:ナカムラミナコ】

■TVアニメ「穏やか貴族の休暇のすすめ。」
●テレ東、BSテレ東、AT-Xほかにて放送中
●FODにて独占配信中

スタッフ:原作…岬『穏やか貴族の休暇のすすめ。』(TOブックス刊)/原作イラスト…さんど/漫画…百地/監督…能田健太/シリーズ構成…鈴木洋介/キャラクターデザイン…藤原彰人/総作画監督…藤原彰人、桜井正明/美術監督…明石聖子/色彩設計…鷲見淳兵/撮影監督…梶原義大/3D監督…熊倉ちあき/編集…中葉由美子/音響監督…渡辺淳/音響効果…倉橋裕宗/音響制作…TOブックス/音楽…山下康介/音楽制作…日本コロムビア/アニメーション制作…SynergySP/アニメーション制作協力…アセンション

キャスト:リゼル…斉藤壮馬/ジル…梅原裕一郎/イレヴン…柿原徹也/スタッド…福山潤/ジャッジ…山下大輝/レイ…鳥海浩輔/シャドウ…安元洋貴/インサイ…浜田賢二

リンク:TVアニメ「穏やか貴族の休暇のすすめ。」公式サイト
    「穏やか貴族の休暇のすすめ。」公式X(Twitter)・@odayaka_pr

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