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2026年3月15日、2025年度に最も活躍した声優を讃える「第二十回 声優アワード」の受賞者が発表されました。本稿では、助演声優賞を受賞した田中真弓さんのオフィシャルインタビューをお届けします。
――助演女優賞受賞おめでとうございます。こちらの受賞を聞いたときの率直なご感想をお聞かせください。
田中 いい時期に素敵な賞をいただけたなと思っています。70歳で皆さんから喜んでもらえる役をいただけたことがすごくうれしいですね。
――今回は「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」のきり丸役、「ダンダダン」のターボババア役が評価されての受賞になります。田中さんにとって、この2つの役はどんな思いがありますか。
田中 「忍たま」は30年以上関わっていますが、きり丸が土井(半助)先生のお家に帰ることがずっと気になっていたんです。 一話10分のギャグアニメなので、その理由はこれまで描かれていなくて。今回の映画で描いていただけてうれしかったですね。これまでは少年役をやることが多かったのですが、いい脇役というか、目立つ脇役のような役柄もやってみたいと思っていたんです。だから「ダンダダン」でターボババアをやらせてもらえたことはとてもありがたかったですね。放送後に、ターボババアのグッズがたくさん発売されたことも驚きました。招き猫姿のグッズが一番多いんですけど、ババアの姿も実はかわいかったりするんですよ! ターボババアは決めゼリフもあって、やっていて一番楽しい役です(笑)。
――そんな素敵な役と出会われた2025年はどんな1年でしたか。
田中 今年は演劇を9本やりました! 四六時中、舞台に立っていましたね。高校演劇からずっと舞台を続けているのですが、その私が今年はやりすぎだろうと思うくらい1年中ずっと稽古、稽古の日々でしたね。でも、そうやって自分のお芝居を出し続けることで、いい役をいただけているような気がします。
――舞台の経験が、役者としての幅を広げているんですね。
田中 そうですね。声優は何かに声を当てることが主な役割です。人(登場キャラクター)の芝居に合わせていく仕事になるんですよね。自分ではないものに合わせることは、それはそれで難しいものだと思います。ただ、私はその仕事を長くやってきて、何だか不安を感じてしまうんですよ。誰かに合わせるのではなく、自分の芝居ができるようにならないといけないのではないかと思ってしまうんです。だから、これだけ舞台をやっていても、稽古のときはいつもへたっぴだなと思うし、芝居の合間にはワークショップにも行くし、恥をかいて、あがいて、もうわかんないってなっても、負けたくなくて。自分自身の芝居をやりたいと思い続けているんです。
――田中さんはTVドラマにもいろいろと出演されていましたよね。最近ではバレエを踊る役にも挑戦されているとか。
田中 2024年に放送していた連続テレビ小説「虎に翼」でお手伝いの稲さんという役をやった縁で、夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」に呼んでいただけたんです。大人向けバレエ教室の生徒役で、まさか70歳にもなってバレエをやるのかって(笑)。へたでもいいんでしょ?と思っていたら、60歳から10年バレエをやっている役だからと言われて。とにかくバレエのレッスンをやりましたね。でもこの年でバレエをやる機会をいただくなんて幸せだなと思っています。もしかしたら神様は私にバレエをやれと言っているってこと?と受け止めて。いずれまたバレエを練習しようと思っています。
――すごいですね。「ONE PIECE」などの長期シリーズ作品でも声優として活躍されていながらも、演劇、ドラマ、バレエとどんどん活躍の幅を広げられているんですね。言い方は失礼かもしれませんが、貪欲ですね。
田中 うふふふ。貪欲です。やっぱり、あと 10年できるかどうかわからないじゃないですか。最後の悪あがきですよ。70歳を過ぎてくると、足も膝も痛いし、いろいろと体にも不調が出てくる。でも、人生の締めくくりとしても自分自身の芝居をもっと探したいじゃないですか。
――いやいや、まだまだ田中さんのお芝居を楽しみにされている方がいっぱいいますよ。
田中 ガレッジセールのゴリさんに「あと10年頑張りたい」って言ったら、ゴリさんから「あと20年って言ったほうがいい」って言われたんです。脳に20年頑張るぞって植え付けておくと、最初の10年は生き生きとやれるかもしれませんよ、って。まあ、平均寿命も延びていますからね。とにかくやれる限りはやりたい。時間がないならないなりに、私は違うことをやりたいし、技術がないならないなりに考える。とにかく恥をかくことを恐れずにやろうと思っています。
――貪欲な活動を支えているものは、恥をかくことを恐れない積極性なんですね。
田中 若い人は恥をかくことを恐れすぎていると思うんです。恥をかけないから新しいことに挑まなくて、稽古もできないし、技術も身につかない。恥をかいてもいいからとにかくやってみる。もちろんうまくいかないときもあるけれど、うまくいったら120点取れちゃうかもしれない。新しい技術を身に着けられるかもしれない。だから、私はこれからも恥をかきますよ。恥をかいている自分が好きです。これからもどんどんやっていこうと思います!
――これからも田中さんの挑戦を楽しみにしています! 最後に「声優アワード」への率直な思いをお聞かせください。
田中 正直言うと、声優であるとか俳優であるとか舞台俳優であるとか、そういうジャンルの壁をなくして全員を対象にしてもらえるとうれしいなって思います。役者としてやるべきことは同じことをやっているんですから。そうやって、さまざまな人を評価してもらえる賞になることを期待しています。
【撮影:田上富實子/取材・文:志田英邦】
■第二十回 声優アワード 受賞者及び受賞作品
主演声優賞=戸谷菊之介、若山詩⾳
助演声優賞=上⽥麗奈、川⽥紳司、田中真弓
新人声優賞=⽊村太⾶、⾼野大河、寺澤百花、中山祥徳、菱川花菜、藤寺美徳、三川華⽉、村上まなつ
歌唱賞=AiScReam
パーソナリティ賞=⽇笠陽⼦
外国映画・ドラマ賞=尾上松也、坂本真綾、⽥村睦⼼
ゲーム賞=「Fate/Grand Order」
シナジー賞=「アイドルマスター」シリーズ
富山敬・高橋和枝賞=神尾晋一郎、佐久間レイ
キッズファミリー賞=リロ&スティッチ
MVS=⽯⽥彰
功労賞=よこざわけい子、田原アルノ
特別功労賞=今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰しました
特別賞=水野なみ
リンク:「声優アワード」公式サイト
「声優アワード」公式X・@seiyuawards