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3月26日(土)・27日(日)、東京ビッグサイトで開催されている日本最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2016」。26日のレッドステージで、『「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」スペシャルステージ~武侠幻想人形劇開演!~』が行なわれました。
「Thunderbolt Fantasy」は、「魔法少女まどか☆マギカ」「楽園追放 -Expelled from Paradise-」をはじめ、数々のアニメ・ゲームのシナリオを執筆している虚淵玄さんが、原案・脚本・総監修を務めるファンタジー人形劇です。これは、台湾の古典芸能であり国民的娯楽である布袋劇(ほていげき)として制作。虚淵さんは、布袋劇の決して褪せない技と匠の世界に惚れ込み、今回、台湾布袋劇で随一の知名度とクオリティを誇る制作会社・霹靂國際多媒體 股份有限公司(以下、霹靂社)とタッグを組み、実現した日台合同映像企画となっています。
ステージには、凜雪鴉(リンセツア)役の鳥海浩輔さん、殤不患(ショウフカン)役の諏訪部順一さん、そして主題歌を担当する「T.M.Revolution」西川貴教さん、虚淵玄さんが登場。
まず、虚淵さんから、布袋劇と呼ばれるようになった由来(袋状になった人形を操ることからだそうです)や、他に類を見ない映像作品としての布袋劇の魅力について語られました。また、台湾の布袋劇は通常、一人で声を全て担当するそうですが、「Thunderbolt Fantasy」ではそれぞれの声優が各キャラクターを演じることについても説明。虚淵さん曰く、アニメや洋画と違い、人形に声をあてるのは普段の(アニメ)収録とは違った苦労があったそう。しかしながら、全ての収録に立ち会った虚淵さんは、鳥海さん、諏訪部さんたちをはじめとした声優さんが素晴らしい芝居だったと絶賛していました。台湾の文化に日本の文化が加わり、本場とはまた違った布袋劇を作ることができたと満足げな様子。あわせて、新キャストとして小山力也さん(狩雲霄役)、鈴村健一さん(捲殘雲役)などの豪華声優陣が発表されていました。
続いて、霹靂社による人形操演に合わせて、鳥海さんと諏訪部さんの生アフレコを披露。実演では、人形による大迫力な剣劇も行なわれ、その迫力ある動きはとても人形とは思えないほどで、会場から大きな拍手が沸き起こりました。このような操演ができるまでには15年以上の修行が必要だそうで、この「Thunderbolt Fantasy」はまさに日台両国の匠の手によって作られている作品といえるでしょう。
さらにここで、サプライズが! なんと、西川さんをイメージして作った人形がステージに登場しました。イメージカラーであるオレンジをまとって登場した人形は、まるで主人公のよう。制作にあたって西川さんは、アクションや技のアイデアを提案したそうです。残念ながら人形が出来上がる前に脚本の執筆があがっていたので、作中に出すことはできず……。虚淵さんは、次回作があれば必ず出したいと語っていました。
さらに、西川さんからオープニングテーマが初公開されました。作品にインスパイアをうけ、とにかく勢いがほしいというオファーに応えた渾身の曲のタイトルは「RAIMEI」。本邦初公開の映像と共に披露されたそのスタイリッシュかつ迫力のあるサウンドに、集まったファンは「Thunderbolt Fantasy」の世界に引き込まれていました。
最後は、それぞれの挨拶でステージは終了。理想のスタッフィング・キャスティングで念願が叶ったという虚淵さんをはじめ、とにかく早く見てほしい、放送が待ち遠しいと語る鳥海さんたちの誇らしげな表情が印象的なステージでした。【取材・文=小川陽平】